(糸井がブルーハーツの『リンダ リンダ』をかけて、
田中さんがやってくるのを待っている、
という場面です)
- 糸井
-
‥‥あれ? 来ないね(笑)。
(♪〜写真には写らない 美しさがあるから)
(♪〜リンダ リンダ〜!)
- 一同
- (爆笑)
- 糸井
- あぁ、よかった(笑)。
- 田中
- どうも、あの、今日は、この大阪キャラメルプリンケーキを。
- 糸井
- いつもありがとうございます。
- 田中
- 1週間ぶりで、大阪でお目にかかって以来ですね。
- 糸井
-
今日も、いつものようにですけれど、
手土産を持ってきてくださって。
「手土産研究家の田中さん」っていうふうに
僕は認識しています。
- 田中
- いつ、そんなことになったんでしょうか(笑)。
- 糸井
-
(笑)
僕らの間には、今だから言える秘密が1つあって。
お花見問題なんですけどね。
- 田中
-
あぁ、あれですね。
僕がいた電通関西支社は、なんていうんでしょう、
梁山泊のようなところなんです。
東京のカッコイイ広告に対して、
京都や大阪の関西のノリで
とにかくカウンターパンチを食らわせようと。
どんどん人が集まって、
梁山泊みたいな集団になってしまって、
そこになぜか、糸井さんがつながって。
久しぶりの再会が、そのお花見だったんですよね。
- 糸井
-
電通の関西チームにセットで会うのは、
ぼくは生まれて初めてで。
そこにお花見だっていうから、
お酒があるのはもうわかっているわけで。
- 田中
- はい。
- 糸井
-
で、京都の駅に降りて、待ち合わせをするんです、
田中さんと。
で、その時に田中さんと僕は初対面なんですね。
Twitterのメッセージで、
どこでどう待ち合わせするとか交換して、で、
「やぁやぁ、どうもどうも」って言って会ったわけで
すね。そしたら、その時も紙袋提げてるんです(笑)。
- 田中
- はい、はい。
- 糸井
-
それで、
「荷物になりますから、糸井さんにお渡しするも
のなんですけれども、つまらないものですが、
これはそのまま僕が帰りまで持っています」って。
だから渡さないっていうのにも、
1つ知恵を持っているわけです。
- 田中
- うん(笑)。
- 糸井
-
で、もう1つ重いものを持っているんです。
それは、一升瓶なんですね。
で、「あの梁山泊の方々は、
とにかく酒さえあれば機嫌がいいので、
これは糸井さんからの差し入れだっていうことで、
勝手に用意させていただいたんで、
お渡しする時だけ持っていただけませんか」って(笑)。
- 田中
-
そのお酒っていうのは、開けると、
熨斗に大きい筆文字で「糸井」って書いてあるんですよね。
- 糸井
-
これを渡す時に、言っちゃった方がいいのか、
言わない方がいいのか、
その加減もわかんないんです、とにかく。
でも、まぁ、ここは田中さんへ任せようと思って、
言われた通りに、「これ」って言って渡したら、
案の定、場が湧くんですよ。
- 田中
-
まず、僕たちは少し遅れて行ったんですよね。
糸井さんは特別ゲストだから、
みんなすでに飲んでいる所にお連れしたんですよね。
そしたら、糸井さん、すごい小さい声で、
「あのぅ、これ、僕が」っておっしゃるんですよ(笑)。
- 糸井
- (笑)。
- 田中
-
そうしたら、みんなが「ワーッ!」って、酔っ払いだから、
包みの紙をグシャグシャって取ると、
「糸井」って書いてあって、お酒が出てくるから、
さらに「ウワァーーーッ!」って。
- 糸井
- すごいんだよ。
- 田中
- その喜び方といったら(笑)。あれはすごかった。
- 糸井
- なんでしょうね。
- 田中
-
なんでしょうね。とりあえず、呼び方は、
「ヒロ君」なんですよ。
- 糸井
- つまり、27歳くらいの呼ばれ方ですよね。
- 田中
-
もうずっと、入社して以来「ヒロ君」。
大手の自動車会社の社長とか重役とか
ばーっと20人くらい並ぶプレゼンの時にも、
「では、えー、具体的なCMの企画案については、
ヒロ君のほうから」って紹介されるんです。
- 糸井
- (笑)。
- 田中
-
向こうは「ヒロ君って、誰だ?!」ってざわついて。
社長が秘書に「ヒロ君って、誰だ?!」って(笑)。
- 糸井
- 「ヒロ君からのプレゼン」ってね(笑)。