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わたしは文章がきっかけで、
はましゃかさんを知ったんですけれど、
もうひとつ、
Instagramという、
はましゃかさんの核をなしてるものについても
お聞きしたくて。
- はましゃか
- 「核」ですか(笑)
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- Instagramをはじめたのは、いつからなんですか?
- はましゃか
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大学1年生からです。
新品のiPhone握りしめて上京したら、
みんなInstagramやってたので、
「おしゃれな子はやってるんだ~」って。
美大なので、情報感度の高い子が多かったんですよね。
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オリジナルの写真加工術「しゃかコラ」を
はじめたのは?
(※はましゃかさんのInstagramより)
- はましゃか
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しゃかコラはじめたのは、大学3年生の春だと思います。
大学2年生の終わりまでは、
手書き文字のこと忘れてたんですよ。
iPhone手に入れたりして、
ツールがデジタルに移行してたので。
「そういえば、最近文字書いてないな~。
これ、写真の上に書けたらいいのにな~。
コラージュできないかな~。」って
ふと思って。
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- インスピレーションですね!
- はましゃか
-
インスピレーションなのかな?(笑)
手書きの文字を使ったデザインって、
よく使われるんですよ。
たとえばあの番組、「情熱大陸」とか、
わざわざ出演者の名前を自筆にして、
書き順を動画で再現までして。
あれは、手書き文字には、
その人の「人となり」がでるからだと思うんです。
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あぁ、言われてみれば、
たしかに手書きですね。
- はましゃか
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そんな感じで、手書き文字のデザインって、
プロの世界では常套手段なんですね。
それをInstagramっていう、
プロのデザイナーたちが関わっていない世界で
やろうと思ったんですよ。
しゃかコラは、
ぜんぶiPhoneのアプリで作ってるんですけど、
どのアプリがいいか、すごく試行錯誤しましたね。
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あるウェブメディアの記事で、
しゃかコラの技法を詳しくご紹介されてましたよね。
「こんなに手がかかってるのか!職人だ!」って、
読んで驚きました(笑)
- はましゃか
-
ありがとうございます(笑)
「この画像は、はましゃかが作った」って
名刺がわりになるようなものを作りたかったんですよね。
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はましゃかさん、
しゃかコラの技法を紹介した記事、
「みんなもマネしてみてね!」ってニュアンスで
書かれてましたよね。
わたし、もしはましゃかさんの立場だったら
「自分が一生懸命考えて生み出したんだから、
この企業秘密はパクられたくない!」って
考えちゃうかもと思ったんですけれど。
- はましゃか
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うーん、「パクられたくない!」って
ひとりで楽しんでたら、
広まらないじゃないですか。
広めるのが、わたしのテーマというか、
やりたいことなので。
「流行を作る・ブームを起こす」っていう
広告の考え方が染みついてるんです。
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「ひとりで遊ぶより、みんなで遊ぼうよ」って
感覚なんでしょうか?
- はましゃか
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そう、そう、そうです。
あの、「#しゃかコラ」っていう
検索タグつけてねって
言ってはいるんですけど、
技法つかってるのに
タグつけないで写真投稿している
Instagramのアカウントとかあるんですよ。
でも、もうそれでもいいやって。
つけてほしいなとは思うんですけど。
だけど、
「もともとは、はましゃかがやってた」って
いつか画像を見た人がわかってくれたら、
それでいいやって。
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- ほう。
- はましゃか
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「マイブーム」って言葉をつくったのは、
みうらじゅんさんじゃないですか。
いまは「マイブーム」って言葉が
独り歩きして有名ですけど、
知ってる人は知ってますよね、
「みうらじゅんが生みの親だ」って。
そういう風になりたいんです。
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あれ?
「広告は、
スーパースターが作ったものじゃないと、
作り手に目線がいかなくて悲しい」って
過去に思われたんですよね?
「自分の名前がすぐに広まらなくても
うれしい」っていう今のお話と、
ずれを感じるんですが。
- はましゃか
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それは、広告っていうツールを
通してるか通してないかの差です。
広告代理店に就職するっていう
人生の選択をしなくても、
人に伝え広めることができるなら、
私はそっちを選びたいっていう。
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- あぁ、なるほど。
- はましゃか
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スーパーデザイナーやスーパーコピーライターは、
そういう下積み時代があって、
そうなったのかもしれない。
でも、いまのSNS時代なら、
もしかしたら身ひとつで、
デザインや伝え広める仕事に関われるかもってことです。
フォトショップとかのパソコンソフトを完璧に使いこなして、
クライアントの望みどおりのデザインを作ることを
10年続けなくても、
広める仕事はできる時代に、
もうなってると思うんですよ。
(つづきます。)