―

あの、これはとてもお聞きしたかったことなんですけど。

はましゃか

はい、なんでしょう？

―

えっと、どうしてそんなにかわいいのに、
生き恥をさらすような、
身を削った文章を公開できるのかな？っていう。

はましゃか

ううーん、なぜでしょうね（笑）

―

私事で恐縮なんですけど、
自分の場合だと、
容姿が優れているわけではないので、
顔面によるエンターテイメントは
無理だって思っていまして。

はましゃか

「顔面によるエンターテイメント」！
すごくいい表現ですね！（笑）

―

ふふふ（笑）
なので、せめて面白いことを言って、
相手が少しでも笑って
ポジティブな気持ちになってくれたらと思うので、
生き恥をさらすことに抵抗感はないんですけど。
　
はましゃかさんみたいに、
黙ってても相手が嬉しくなりそうな
かわいい方が、なぜ？っていう。

はましゃか

あ、逆なんですよ、わたしの場合。

―

逆、ですか？

はましゃか

自分は、基本がエンターテイメントなんですよ。
「かわいい」は後付けなんですよ。

―

ほう‥‥？

はましゃか

「かわいいのに生き恥をさらしている」ではなくて、
「生き恥をさらせるタイプの人間なのに、
かわいかったら面白いやろ？」っていう（笑）
ノーメイクでひざ下スカートの女子校時代から、
人が好きで、笑わせたいタイプなんです。

―

あぁ、へぇ！

はましゃか

常日頃、
「これ言ったら、ぜったい面白い！」ってことを
考えていて。
うっかり場違いな発言をして、
失敗することもよくありますよ。
でも、タブーを破るのが好きなのかもしれないです。

―

「かわいい子は、
おしとやかにしていなくちゃいけない」みたいな、
世間のイメージを逆手にとって（笑）

はましゃか

そうですね（笑）
　
‥‥ほんとうは、すごく恥ずかしいんです、さらすの。
だから、表に出すまで、
めちゃくちゃ時間がかかるんですけど。

―

ブログ記事の中でも、おっしゃってましたもんね。

はましゃか

そうそう。
だからあれ、さらっと出してるわけじゃなくて、
本当に恥と戦ったすえに書きあげてて。

―

そしたら、ひとつの記事を書きあげるの、
1日じゃ無理ですよね。

はましゃか

そうなんですよ。
3日くらいかけた記憶があります。
生き恥って、身内には言えても、
あんなにたくさんの人にむけては、
ふつうは言えないじゃないですか。
「好きな人に
自分の自撮り写真を送りつけたら、
返信がこなくてスルーされた」とか。
　
　

―

言えないですね‥‥。

はましゃか

でも、その恥ずかしさの壁を越えてでも、
言いたいことがでてきちゃったので。
例の
「かわいいと言われて吐き気がしたことがあります。」も
そうなんですけど。

―

誰かの恋人になるためだけじゃない、
自分のために磨く「かわいさ」っていう
話でしたよね。

はましゃか

そうです、そうです。
そっちの意見を伝えるためなら、
たくさんの人に読んでもらうためなら、
この恥ずかしさはどうってことないっていう
感覚です。

―

あぁ‥‥。
「その感覚、すごくわかる」と言ったら、
おこがましいかもしれないですけれど。
わたしも、ほぼ日の塾の第2課題のエッセイで、
自分の中高時代の
コンプレックスについて書いたんですね。
ずっと友達づきあいで疎外感を感じていたっていう。
こんな暗い話、本当は‥‥。

はましゃか

言いたくないですよね、うん。

―

でも、そこを救ってくれた
大好きなロックバンドへの感謝とかを、
本気で正直に書こうとしたら、
そこは避けてとおれないなって。
書いたからには読まれたくて、
SNSに投稿する予定だったので、
まさに、挫折した相手である
中高の友達に読まれちゃうかもしれないのに（笑）

はましゃか

ほんとうに、それですよね！
わかる、わかる。
その壁を越えてからなんですよね‥‥。
「本人にも読まれても、書きたい」ってところを、
越えられるかどうか。
わたしも、失恋のこと書いた寄稿コラム、
失恋相手に読まれてますもん（笑）

―

えっ‥‥！
本人から感想がきたんですか？

はましゃか

いや、風のうわさで
「読んだらしいよ」って（笑）

―

うわぁ‥‥（笑）
いや、でも、あのコラム、
ほんとうに面白かったですよ！
恋を、鎖国と開国にたとえるくだりが天才的すぎました。

はましゃか

ありがとうございます！

―

大丈夫です、
はましゃかさんの思い、
ちゃんと読者に伝わってます。
　
あっ、そろそろお時間ですね。
そしたら、切り上げましょうか。

はましゃか

そうですね。
帰ったら、
きょう締め切りの原稿書かなきゃ（笑）

―

きょう締め切り！？
いやはや、お忙しいところ、
ほんとうにありがとうございました‥‥！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

取材後、ツーショット写真を撮って、
はましゃかさんとは駅でお別れしました。

インタビュアーであるわたしのほうが
とても緊張してしまっていたのですが、
最後のさよならの瞬間まで、
はましゃかさんは気さくなかたでした。

「ネイルとカーディガンとスニーカーの色、
おそろいでかわいいですね！
そういう色がお好きなんですか？」なんて
褒めてくださったり。

　
そうか、真剣なんだ。
「SNS有名人として
『いい人』感を演出しておきたい」
とかではなく、
本気で丁寧に、
目の前の相手や読者、
自分のやりたいことに向き合ってる人なんだ。

「有限の命を燃やしている姿は
どんな人でも美しいから。」と、
記事の中で言えるのは、
はましゃかさん自身も同じように、
現状に甘えず、
全力で命を燃やして生きているからなんだ。

そんな人が発する
ウソのない力強い言葉だから、
わたしも、みんなも、
惹きつけられるんだ。

取材を終えて、
こんなことをずっと考えています。

最後に、
後日はましゃかさんが
Twitterで呟かれていた内容をご紹介して、
このコンテンツを締めくくりたいと思います。

「なんで頑張り続けられるんですか？」て質問されてびっくりした。
毎日超助けてもらってるし結構な確率でアウトだし誘惑に弱いし謝りまくって許してもらったり許されなかったりしてそれでも落ち込む暇なく進めってお尻叩いてもらってギリギリでやってるので「頑張り続けさせてもらってる」って感じだ

— はましゃか (@shakachang) November 9, 2017

（おわります。
読んでいただき、ありがとうございました。）