- 清水
- これ、社長室なの?
重厚感なくて、風通し良さそう。
- 糸井
- 今考えているのは、
ここにぬいぐるみ置く棚を作って(笑)。
- 清水
- 女の子っぽいところありますもんね、糸井さん。
- 糸井
- 女の子っぽい、と言われていることを、
男はしちゃいけないのかなって気持ちがある。
- 清水
- あー。
- 糸井
- 前に「ダ・ヴィンチ」の編集長だった横里さんという人がいて、
本を選ぶ仕事を毎月やっていたんです。
「女の子」とか「オシャレ」みたいなものを彼は選ぶんだよ。
「なんで選んだの?」っていうと、
「いや、かわいいなと思って」ってまず言うの。
- 清水
- 正直だね。
- 糸井
- 正直さがすごく気持ち良い。
「なんか、女の子っていいなと思って」って言うんです。
素直に言える横里さんを俺はすごく尊敬して、
あのくらいまで行こうと思ったの。
- 清水
- ほぼ日の男の人も、
かわいいものが好きな人多いかもね。
- 糸井
- こだわりがないよね。
男女の色分けがないんじゃないかな。
- 清水
- へぇー。
この前テレビ見てたら、
シェアハウスで若い人暮らしたりしてますよね。
私は絶対無理だけど、糸井さんできそう。
- 糸井
- 今ではできるかもしれないけど、
できる人に偏見を持ってたね。
- 清水
- 恥ずかしがれよってね。
- 糸井
- 俺、男子校だったから、
女の人はなんていうか、神様なんだよ。
- 清水
- へぇー。
- 糸井
- 全部、俺に聞かれてるな(笑)。
- 清水
- 私、でも、もっと聞きたいこといっぱいあった。
- 糸井
- 俺もね、清水さんに、
言ったり聞いたりしてみたかったの。
いつも仕事の話で流れちゃうからさ。
- 清水
- うんうん。
- 糸井
- 矢野顕子とはちゃんとした話してるんだよ。
最近読んだ本のこととか。
こういうことを考えてるんだとか。
彼女は、事業家として発想しているところがあるよね。
- 清水
- お金儲けじゃなくてね。
- 糸井
- うん。
みんなは「このぐらい」に思ってるだろうけど、
そんなものじゃ矢野顕子はできないってことがよくわかるよ。
- 清水
- 矢野さんって、とにかく汚れない人ですよね。
- 糸井
- 面白いなあ。
- 清水
- 石川さゆりさんとライブやる時も、
矢野さんは『天城越え』みたいなのは絶対、
やらないもんね。
- 糸井
- やらないですね。
- 清水
- 自分の世界じゃないものは、上手に身を離すというか。
- 糸井
- ボルネオのジャングルに入ったときに、
このサルにこういうことしちゃいけませんよってことは、
しないよね。ウィ〜!ウィ〜!みたいなさ(笑)。
- 清水
- たとえが野生的過ぎる(笑)。
- 糸井
- 矢野顕子にあって、清水ミチコにないものって何なの?
- 清水
- あ、それは音感。
ピアノから指の動きから、音楽性。
- 糸井
- ああ。
- 清水
- あと、矢野さんには嫌われたくないのが強すぎて、よく噛むし、
普段もっと面白いんですけどねぇって思いながら
自分を叩くんだけど、何も出てこない(笑)。