清水さんのモノマネは、批評をしていないよね
担当・フクオヨウコ
第５回 不幸になる気がしない
- 糸井
-
清水さんは、この先どうするみたいなことは考えるの？
- 清水
-
この先どうするは考えないけど、
占い師のところに行ったことはあって（笑）。
- 糸井
-
自分で考えたくないんだ（笑）。
- 清水
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人に頼った（笑）。
そしたら、なんか将来、車椅子に乗って演芸やってるらしくて。
- 糸井
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なるほどね。
でも、拍手で迎えてくれる人がいる限りは、それはOKですよね。
- 清水
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そうかもね、出るかもね。
- 糸井
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だから、そこはお客さんとの関係なんだと思うよ。
自分としては嫌だって言っても、
そんなに喜んでくれるんだったら、
車椅子の両側に龍をつけてね。雷様みたく、雷鳴とともに登場。
- 清水
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笑えないです（笑）。
- 糸井
-
「さあ、笑え！」、ドワワワァー！
- 清水
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ドラが鳴るっていう（笑）。すごいね。
- 糸井
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そう、そういうのもありだし。
じゃあ、あんまり先を考えたくないっていうのはあるんだね。
- 清水
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そうですね。
でも、私、自分が不幸になるような気がしない。
- 糸井
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ああ。それがすべてだと思うね。
その「運悪くないし」みたいなね。
- 清水
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うん、そうね。
- 糸井
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ボーフラでも、多分そうなんだよね。
あんなやつらでも、「俺、運悪くないし」と思ってると思う。
- 清水
-
ボーフラって！ 失礼だな、この会社（笑）。
- 糸井
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いや、思ったんだよね。俺、孫ができたじゃん。
もう、孫を見てるとね、うらやましいの。
- 清水
-
ああ、楽観的ってこと？
- 糸井
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そう。
- 清水
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子どもって、特にそうなんですよね。
- 糸井
-
清水さんは母親だから知ってると思うけど、
子どもってひとりでは生きていけないのに、
一切その心配をしないで、
「フャーッ」とか言ってるっていう（笑）。
- 清水
-
そうね（笑）。
それで、さも自分で大きくなりましたって顔するからね。
- 糸井
-
うん。だから、それがないとやっぱり生き物ってダメでさ。
たとえば、ものすごく考える子どもがいたりしてね、
「ぼくがこの小学校に入ったとするじゃない？」とか（笑）。
- 清水
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心配性だ（笑）。
- 糸井
-
「将来、今のところ勤めたいのは」とか言ったら、
不幸になるぞって思わない？
- 清水
-
そうだね（笑）。
今どきの子、えらい頭いいからね、
ちょっと心配なとこあるよね。
- 糸井
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それよりは、なんとかなるような顔でニッコニコしてて、
「おまえ、結局、俺の話聞いてないだろ」って言ったら、
「ごめん」みたいな（笑）。
そういう人の方が、やっぱり生きるよね。
- 清水
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うん。うまくいく人は大体、そういう人が多いからね。
- 糸井
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大体そうですよ。
だから、それにしては俺はちょっと考え過ぎるほうでさ。
自分の中に2人いるんですよ、
ものすごく考える私と、何も考えない私が。
いつも、リレーをやってるんです。
ものすごい考える私が、
「本当、大変なんですよ」って言いながら走っていて、
さあ本番だってなると、
考えないほうの私にバトンを渡すんです（笑）。
- 清水
-
へぇー。
- 糸井
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そういう2人がいたおかげで、ほぼ日もなんとかなった。
…と、今日は清水さんのサクセスストーリーを
順番に語っていくような企画にはならなかったけれども（笑）。
- 清水
-
ちょっと、やり直してください（笑）。
- 糸井
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だけどさ、俺、5年くらい前に、
清水さんが初めて武道館公演をやったとき、
ああ、清水さんもボスになったんだと思ったよ。
- 清水
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え、本当？
- 糸井
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うん。
立候補しないのにボスになった人って1番いいなと思ったよ。
利害関係なく人が集まってきてさ。
- 清水
-
あ、そうそう。よくわかりますね（笑）。
- 糸井
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別に清水プロダクションに入ったわけでもないのに、
いろんなミュージシャンや芸人が集まってきて。
で、ライブをするようなときも、
「こうやったほうがいいかな」って言ったら、
「こっちの方がいいんじゃない？」って言う人がいるとか、
そういうふうになってるでしょう？
- 清水
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うん。えらいもんで、そうですね（笑）。
- 糸井
-
その場所に立つのって、
なかなか大変なことでさ。
- 清水
-
目指したらね、きっと大変だと思う。
私は運もよかった。
- 糸井
-
で、清水さんは人のお世話を
してきた覚えもないじゃないですか。
- 清水
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うん。そうだけど、あんまりだな（笑）。
- 糸井
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では改めてお聞きしますが（笑）、
何か「私は人のお世話をしてきたんですよ」って思ってますか。
- 清水
-
ああ、してない。
でも、若い頃は思ったの。
私も将来は永六輔さんみたいになって、
新人のライブを見に行って、「こうしたほうがいいよ」とか、
背中を押してあげられるようなおばさんになれたらいいなって。
でも、やっぱり自分には自分のことだけで一杯一杯なのよね。
だからこの年になって、
人の背中を押してあげられる人っていうのは、
大したものなんだなと思った。
- 糸井
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つまり、してないということで（笑）。
- 清水
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してなーい。これからもしなーい（笑）。
