清水

わたし、今日、最終的に聞きたいと思ったのは、
糸井さん、死にたくないだろうなってことなの。

糸井

ん？　死にたくない？

清水

死にたくない。

糸井

ああ、死にたくないよ、そりゃ。

清水

当たり前か（笑）。

糸井

死んだらしょうがないとも思うし。

清水

うんうん。でも、わたしのイメージの中では、
貧乏生活もしてきた少年が孤独とか知りながら、
起した会社がいつの間にか
70人超える大会社になってたわけじゃん？

糸井

大会社じゃない（笑）。

清水

でも、すごいサクセスストーリーでもあるじゃん？
そういう人が一番怖いのって
やっぱり健康じゃなくなることとか、
死ぬことかなって思ったの。

糸井

いや、それは別に怖いとかじゃなくて、
さっきの永ちゃんのちっちゃいサイズだよ。
つまり責任があるんだよ。それだけのことだよ。

清水

「もうやめたい！」ってならない？

糸井

やめたいって言っちゃいけないじゃん。

清水

ああ、そうね。

糸井

（笑）

清水

そうだねえ。

糸井

そんなことを思ってるだけでも、
ちょっとストレスだよね、きっと。

清水

そうね。

糸井

清水さんがモノマネをやめたいだなんてこと
思う必要がないわけだよね。
でも、あなたのおかげで食べていける人っていうのは、
それはそれでいるじゃない。
清水ミチコ事業という体系があるよ、やっぱり。
だから、その人たちのためにも、
「倒れちゃいけない」っていうぐらいのことは
きっと思ってるでしょう？

清水

本番で倒れちゃいけないとは思うけど、
でも、わたしはやっぱり
糸井さんとは全然違います、スタンスは。

糸井

そうか、うん。
でも、その色、形、大きさは違うけども、
そこはみんな大人は背負うものがあるわけで、
子どもだったときには、
それはないふりをして生きてるわけじゃない。

清水

そうだね。

糸井

大人になっちゃってからはあるんだから、
そこはもうしょうがないよね。
で、まんざらでもないみたいなとこ
あるじゃないですか、やっぱり。
「皆さん、お元気ですか」って言ったら、
「元気でーす！」って返ってくるみたいなとこ
あるじゃないですか。
　
で、そこの「元気でーす！」って声も含めて
ぼくじゃないですか、もう。

清水

そうか、うん。

糸井

だから、やれるうちはやろうと。
清水さんこそ、先どうするみたいなこと考えるの？

清水

先どうするは考えないけど、
‥‥占いの人のとこ行ったときがあって（笑）。

糸井

自分で考えたくないんだ（笑）。

清水

人に頼った（笑）。
そしたら、なんか車椅子に乗ってネタやってるから、
凄みが怖い、誰も逆らえない（笑）。

糸井

ああ。
でも、それを拍手で迎える人がいる限りは、
それはOKですよね。

清水

そうかもね、出るかもね。

糸井

だから、支えてくれる人との関係なんだと思うよ。
自分としては嫌だって言っても、
そんなに喜んでくれるんだったら、
車椅子に両側に龍をつけてね。

清水

凄みが、すごみが（笑）。

糸井

雷様みたく、雷鳴と共に登場。

清水

笑えないです（笑）。

糸井

（笑）。
「さあ、笑え！」、ドワワワァー！

清水

ドラが鳴るっていう、すごい（笑）。

糸井

そう、そういうのもありだし。
じゃ、考えたくないのはあるんだね。

清水

うん、そうですね。
でも、わたし、不幸になるような気がしない。

糸井

ああ。
それがすべてだと思うね。
その「運悪くないし」みたいなね。

清水

うん、そうね。

糸井

ボーフラでも多分そうなんだよね。

清水

ボーグルって何？

糸井

ボーフラってあの‥‥

清水

あ、ボーフラ（笑）。失礼だな（笑）。

糸井

いや、あんなやつらでも、
「オレ、運悪くないし」と思ってると思う。

清水

やめてよ（笑）。

糸井

難しく考えずに、なんとかなるような顔して
ニッコニコしてたらいいんだよ。
「おまえ、結局、俺の話聞いてないだろ」つったら、
「ごめん」みたいに返すくらいの（笑）。

清水

（笑）。そうね、南（伸坊）さんみたいなね。
うまくいく人は大体そういう人多いからね。

糸井

大体そうですよ。
　
さて、清水さんのサクセスストーリーを
順番に語っていくような企画には
ならなかったけれども（笑）。

清水

やり直して、これ（笑）。

糸井

いや、でも面白かった。

清水

面白かった。あっという間。

糸井

こういう会話は仕事じゃないと
やっぱりありえないんだよなあ。

（おわります。）