横里 | スナフキンのパパのヨクサルみたいな人は フィンランドにはいますか? |
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武井 | ヨクサル、どういう人でしたっけ? |
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横里 | スナフキンをもっとソリッドにしたような人。 野生の感じ。 パパの冒険友だちだったんですよ。 そうですよね? |
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重松 | あっ、人に指図されるのが大っ嫌いな人でしょ。 |
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横里 | そうです、そうですね。 |
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重松 | わがままっていうことでしょ、要するに。 |
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横里 | そうそうそう(笑)。 |
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重松 | だからわりとさ、ムーミンの世界には ひねくれ者って多いね。 変わった者とか、 ちょっと屈折してるタイプの人。 ほんとに多い。 |
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武井 | みんな、そうですもんね。 |
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横里 | みんな、そう。 |
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武井 | おじさんに限らず、 フィリフヨンカとかも ほんとに困ったおばさんですしね。 |
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武井 | さっき横里さんが 小さい頃、ミイを嫌いだったと おっしゃったけど、 僕はおしゃまさん、 トゥーティッキが嫌いでした。 |
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重松 | あ、そう? 何で? |
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武井 | ムーミンを連れてっちゃう気がして。 |
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重松 | おー。 |
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武井 | 僕らのムーミンを 別の世界に引きずり出すというか、 出そうって気持ちはないのかもしれないけど、 ムーミンって、 スナフキンには付いていけないんだけど、 おしゃまさんには付いていっちゃう感じがして。 |
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ふたり | おー。 |
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武井 | ムーミンがいなくなっちゃう気がして 嫌だったんです。 |
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重松 | おーーー! |
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横里 | 面白いね。 |
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武井 | うん、今は嫌いじゃないですけど、 時々そのことを思い出します。 |
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横里 | 大人だからってことかな? |
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重松 | そうか、そうか。 |
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武井 | そう、すごく大人っぽいんですよ。 スナフキンにある子ども性がないというか、 もっと冷めてて。 その違和感があって、苦手だったなあ。 |
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横里 | ミムラ姉さんは? |
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武井 | ミムラ姉さんは大丈夫。 親戚のおばちゃんみたいだから。 でもやっぱり、ママがすてきですよね。 ムーミン、つまり自分のことを ほんとうによくわかってくれている存在。 |
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久保 | 思い出したエピソードがあります。 ママのかばんがある日無くなったんですけれど、 かばんを見つけてくれた時の ご褒美がすごいんです。 「見つかったお祝いは、 あなたたちはだーれも お風呂にも入らなくていいし、 早く寝なくてもいいのよ」って。 ママのいちばんのご褒美がそれなんですよ。 |
▲第8話「飛行オニの魔術」 |
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横里 | わぁーっ! すごい、よくわかってる! |
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久保 | 子ども時代にいちばん嬉しいことをなくさずに、 ものがたりに入れてくれてる感じがすごいなって。 |
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重松 | なるほどね。 |
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武井 | すごいなー。 |
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横里 | 真逆だものね。 大人になるとお風呂に入りたいし、 早く寝たーいとか思うけど(笑)、 確かに、それは子どものときは逆だ。 |
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武井 | それを考えつくのって、すごい。 |
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重松 | やっぱりムーミンママって、 ほんとすてきだったなぁ。 |
2012-01-03-TUE