「自分のからだを運転する」シリーズ 虫歯のない会社宣言!
 
タイトルマンガ:NJTP
 

「ほぼ日」の虫歯治療メンバーを、
野球の打順にたとえてみるならば、
そのクリーンナップをつとめるのは、
ごぞんじ、泣く子も黙る「虫歯四天王」であろう。

その疾患たるや質量ともに他の追随を許さず、
この4人で、ながく弊社の虫歯界をリードしてきたことは
周知の事実。

ところが、この「揺るぎなし」と思われた
四天王の地位をおびやかす
超大型ルーキーが、彗星のごとく現れた――。

ドラフト外で入団(アルバイト入社)した、
コザサである。

入団(入社)するやいなや、
「わたし、けっこう虫歯すごいと思うんです。
 あの4人が四天王なら、わたしは三冠王ですね!」
などと無邪気に言い放ち、周囲をおどろかせた。

後日行われたオープン戦(検診)の結果は、
以下の通りであった。

本塁打(虫歯)   3本 打率 (歯周病)    歯周ポケット最大値8ミリ 打点 (親知らず) アリ・要抜歯

それまで「ビッグマウス」と陰口をたたいていた者も、
この結果には、黙らざるをえない。
コザサは、まさに「三冠王」と呼ぶにふさわしい、
圧倒的なパフォーマンスを見せつけたのである!

ハリー+トリイ+歯石大王の実力をもつ、 豪快なバッティング(ブラッシング)

虫歯のデパート・ハリー委員長と
親知らずで大学病院送りとなったトリイを
合わせたような、そのお口の実力。

さらに「歯周ポケット最大値8ミリ」というのは
あの歯石大王・ニシモトと肩を並べる!

 

なんと、おそろしい‥‥。

ちなみに、コザサの専属ブラッシングコーチをつとめる
ライオン歯科の先生に
「今すぐ捨てたほうがいい。いまわしい」と言わしめた
コザサの愛用バット(歯ブラシ)が、こちら。

こ、こんなボロボロなの、見たことない‥‥。

毎日の素振り(歯みがき)の激しさを
うかがわせる写真である。
同ブラッシングコーチに聞いてみよう。
「いわば、木がささくれだち、
 なおかつ折れてしまったバットを、
 そのまま、かまわず使っている状態ですね。
 野生児というのか、とにかく、
 この豪快なバッティング(ブラッシング)が
 彼女の魅力なんです」

設定に乗ってくださって、ありがとうございます。
でも、あの、これ、要するにどういう状態なんでしょう?
「かんたんに言うと、強くみがきすぎです。
 もっと力を抜かないと。
 こんな歯ブラシを使ってたら、
 そりゃ三冠王になるのも当然です」

「不名誉な三冠王」返上をめざして

そう、「三冠王」なんていうからややこしいが、
これはむしろ、「不名誉な称号」なのである。

コザサは、ブラッシングコーチと二人三脚で、
「三冠王返上メニュー」を開始した。

まずは、定期的な通院で3本の虫歯を治療。

さいわい、ややこしい虫歯は1本もなく、
着実に虫歯本数を減らしていくコザサ。

次はブラッシングフォームの改良である。
ほぼ毎食後に、コーチの教えどおりの
ブラッシングを実践。

メニュー開始当初は、歯茎が腫れていたため、
歯みがきのたびに血が出て、
口をすすげば、三冠王というより、
勝てないボクサーのようだったという。

しかし、2週目あたりから徐々に効果が出はじめる。
野生児コザサは、根が素直なのだ。

コーチの指導どおりにトレーニングしたところ、
長時間みがいても出血しなくなり、
2ヶ月目の検診では
数カ所あった「3ミリ」の歯周ポケットが、
軒並み「2ミリ」に改善したのである。

そして「虫歯二冠王」に

三冠王を返上する、というコザサの戦い。

ライオン歯科へ通院しはじめてから約2ヶ月で
3本の虫歯は、めでたくゼロとなった。

ここに、コザサの「虫歯三冠王」は返上された。

ただし「最大深度の8ミリの歯周ポケット」という、
大きなカベが、まだ彼女の前に立ちはだかる。

この疾患は、
もうひとつの「タイトル」である「親知らず」を
大学病院で抜かないかぎり、よくならないのだ。

つまり、コザサは、いまだ「二冠王」。
これらをきれいに返上する戦いは、今後も続く。

ともあれ、
鮮烈なデビューを飾った若き「三冠王」は
3本の虫歯をゼロにし、
まるで短期レンタル移籍の助っ人外国人のように、
弊社の虫歯治療戦線から、卒業していった。

 
 現在の虫歯本数 32本
 
ライオンさんに、しつもん!
「フッ素」って、
どうして歯にいいんですか?
よく歯磨き粉に含まれている「フッ素」って、
どうして歯にいいんですか?
なぜ、歯に「フッ素塗布」をするといいのですか?
また、ちいさな子どもに
フッ素塗布するときのアドバイスなどあったら、
教えてください。
(虫歯三冠王からのしつもん)

フッ素は、私たちの身近な自然にある元素のひとつで、
歯の健康にとって欠かせない栄養であり、
海藻やお茶、魚介類など多くの食品にも含まれています。
一方でフッ素は、歯が口の中に生えてきた後は、
ムシ歯を予防するための薬用成分としても
有効に使われています。
フッ素は、歯から溶け出したカルシウムなどを、
歯に再沈着させる「再石灰化促進」や
歯の質を強くして、
ムシ歯になりにくい歯をつくる「歯質強化」のほか、
ムシ歯菌の働きを弱める効果などをもっています。
歯科医院や保健センターでの「フッ素塗布」は、
歯が口の中に生えてきた直後が最も効果的なので、
1歳前後から12歳頃まで、
定期的に受けるとよいでしょう。
また、フッ素の入った歯みがき剤や洗口剤を使うことは、
最も身近で手軽に利用できるムシ歯予防法です。
  
  ライオン歯科衛生研究所 目黒診療所
            眞木吉信院長

 
illustration : NJTP
読みました。
2010-09-08-WED
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