
フードスタイリストの飯島奈美さんが料理を担当し、
手元の出演もしているNHK・Eテレのミニ番組
「365日の献立日記」。
昭和の名わき役とよばれた女優・沢村貞子さんがのこした
26年半にわたる「献立日記」をもとに、
飯島さんが自由な発想で料理を考え、
レシピとして紹介をする番組です。
いまも続くこの人気番組が、
『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美』
というタイトルでレシピ本になりました。
(現在、2巻まで発行されています。)
この本が、とてもいい。
番組を補完するサブテキストというよりも、
独立した書籍として完成されています。
そこには飯島さんの「思い」を通して
沢村貞子さんのありし日のすがたがうつしだされ、
だいじなことを現代のわたしたちに
教えてくれるような内容なんです。
なかに登場する沢村さんの「ふつうのごはん」は、
日々をちゃんと暮らしていこうという気持ちにあふれ、
料理そのものが「おいしそう!」なのはもちろんのこと、
食器の使い方、盛りつけかたも、とっても参考になる。
飯島さんの、沢村さんに対する
尊敬と愛情があふれています。
今回は、飯島さんのファンである
「ほぼ日」のと
、
そしてが、
この本について飯島さんにインタビューをしました。
同席をお願いしたのは、
出版社のリトルモアから、広報の福桜麻依子さん。
さあ、いったいこの本、
どんなふうにできあがったんでしょう?
この取材をしたのは、2巻がまだ出ていないとき。
ですから本文中の料理は、すべて1巻のものです。
飯島奈美(いいじま・なみ)
東京生まれ。フードスタイリスト。
TVCMなど、広告を中心に映画、
ドラマでもフードスタイリングを手がける。
映画「かもめ食堂」「めがね」(荻上直子監督)
「南極料理人」「おらおらでひとりいぐも」
(沖田修一監督)
「海街diary」「真実」(是枝裕和監督)
「すばらしき世界」(西川美和監督)
テレビドラマ「深夜食堂」「ごちそうさん」
「今日の猫村さん」「大豆田とわ子と三人の元夫」
などを担当。
著書に『LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。』
(1,2,3巻/ほぼ日)、
『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美』
(1,2巻/リトルモア)がある。
Instagram @iijimanamioffice
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書籍『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美』
リトルモア刊 本体2000円+税 春夏秋冬96品収録
沢村さんは、飾らない毎日の営みに、楽しみがいろいろあることを教えてくれます。『わたしの献立日記』に「いま、食べたいと思うものを、自分に丁度いいだけ──つまり、寒いときは温かいもの、暑いときは冷たいものを、気どらず、構えず、ゆっくり、楽しみながら食べること」という、わたしの大好きな一節があります。これでいいんですよね、沢村さん。
書籍『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美②』
リトルモア刊 本体2000円+税 春夏秋冬84品収録
沢村さんとその時代の料理のエッセンスを受け継ぐつもりで、いつもなら簡便にしてしまう手順や材料を、省く前に一考して、わずらわしくない程度にレシピに残しました。それは、自分の仕事を見つめ直すいい機会でした。とびきり簡単に、素早くできるわけではないけれど、気持ちの良い歯応えのあるレシピになっていると思います。時間があるときに、ご自分と向き合うように一品でも作っていただけたらうれしいです。
料理写真 提供:齋藤圭吾
(リトルモア『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美』より)