ネパールでぼくらは。

#53子どもたちが開いてくれた
ささやかだけれどうれしい歓迎パーティー、
そして放課後のサッカー!
写真とともに古賀さんの描写を読むと、
あの時間がありありとよみがえる。

ダンス、ダンス、ダンス!

(古賀史健)

授業の終了後、
子どもたちが歓迎パーティーを開いてくれた。

iPadから流れる音楽に合わせて、
きれいな民族衣装を着た女の子たちが、
伝統的な踊りを披露する。

そうかと思えば元気な男の子たちが、
ヒップホップ風のダンスを披露する。

さらには子どもたちに促されるようにして、
先生たちも歌やラップを披露する。

幼稚園クラスの子どもたちは、
お兄さんやお姉さんや先生たちの
晴れの舞台を、たのしげに見上げている。

そこに「歓迎パーティー」にありがちな
やらされてる感がまったくなかったのは、
むしろぼくらをそっちのけで
たのしんでいる様子がビンビンに伝わってきたのは、
きっと先生たちが率先して踊り、
歌っていたからなんだと思う。

サッカーの友だち。

(古賀史健)

歓迎パーティーの終了後、
男の子たちと一緒にサッカーをする。
ボールを蹴るなんてひさしぶりだけど、
蹴るには不向きなトレッキングシューズだけど、
そんなことはどうだっていい。
夢中になってサッカーをする。

ああ、サッカーはいいなあ。
もしもぼくがJリーガーくらいの
テクニックの持ち主だったなら。
あるいはせめて高校時代くらいの
ボール感が残っていたなら。
子どもたちは目をまるくして、
やんややんやの大歓声を上げて、
もっとおもしろかっただろうなあ。

最初はちょっと遠慮ぎみだった子どもたちが、
少しずつ本気でボールをとりにきて、
やがてぼくからボールを奪うと
みんなでおおよろこびしている。

こんなにかんたんに友だちになれるんだよね。

サッカーをやっていてよかったと思えた、
人生でいちばんの瞬間だったかもしれない。
子どもたちとハイタッチ。

写真:永田泰大

次回の更新は8月19日(月)です。

2019-08-16-FRI

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