レディス コンビネーションブラウス
- ――
- 宇和川さんがこれまで監修してくださったシャツは
どちらかというとかっちりめでしたが、
シャツとTシャツが合わさったような
1枚ができあがって新鮮です。
- 宇和川
- シャツって
かしこまった場面で着るようなイメージがありますが、
もっと楽に着られるシャツがあってもいいなと思ったんです。
そこで、身ごろはTシャツだけど、
袖と後ろ身頃がシャツ地なっている、
カットソーとシャツのいいとこどりした服があったら
気がねなくいろんな場面で着られそうと
思ってデザインさせてもらいました。
- ――
- 前から見るとカットソー、後ろから見るとシャツ。
そんな二面性がたのしいです。
- 宇和川
- 後ろの裾のラウンドカットでシャツらしく、
前のスクエアカットで
Tシャツらしい意匠を取り入れています。
- ――
- ただデザインだけでなく、
素材も2種類使っているというのがおもしろい。
- 宇和川
- はい。リネンとコットンのコンビネーションです。
リネンにギャザーを入れるとかわいらしい感じになりますが、
それをTシャツ見えさせている
ツルッとしたコットン素材が引き締めてくれる感じですね。
- ――
- たがいがたがいを引き立て合っているというか、
すてきな相関関係ですね。
- 宇和川
- 衿ぐりはやや横に広いボートネックのかたちに。
クルーネックにするとTシャツっぽさが際立ってしまうので、
ブラウス感もあるボートネックに落ち着きました。
- ――
- ヨークと袖口にはたっぷりのギャザーでふんわり。
- 宇和川
- そこでかわいらしい雰囲気が生まれましたね。
袖丈は手首が見えるくらいの長さにしています。
夏はブレスレットや時計などのアクセサリーが見えて
いいアクセントになりそうです。
- ――
- これ1枚あればかしこまった行事も、
ちょっといいホテルへも
久しぶりに会う友だちとのご飯のときも、と
いろんなシーンで使えそうとワクワクしてます。
- 宇和川
- いろんな場所へ連れていってくれる、
ほかにはないシャツになりましたね。
- 加藤
- カットソーとTシャツをドッキングさせるのって
なかなかうまくいかないケースが多いんですが、
これはすごくうまくできてます。
- 宇和川
- そう、加減がむずかしいんです。
シャツとカットソーをただ掛け合わせるだけだと
アンバランスになっちゃうんですよね。
- 加藤
- ギャザーを入れてみたり、カフスを細くしていたりと
女性向けのデザインディテールをうまく取り入れているし、
やはり袖や後ろ身頃でリネンを使っているのがいいなぁ。
- 宇和川
- リネンを使うことで軽さや奥行きが出ましたね。
涼やかで真夏でも暑すぎないし、
やや透ける感じも上品です。
レディススカート
- ――
- ジェンダーレスではけるスキッパーパンツはありますが、
外に出る機会も増えたので、
ルンルンした気分ではけるスカートがほしいなって、
またもや宇和川さんにお願いしちゃいました。
- 宇和川
- わたしもスカート好きなのでうれしいです。
スカートというと、わりとタックやギャザーが入って
ふんわりした感じの女性らしいシルエットが多いですが、
シャキッとしたかっこいい感じのスカートが好きなので
大人っぽくはける細身のストレートシルエットに。
- ――
- ロングスカートってかっこいいですよね。
すとんと下に落ちる形ですが、
ややフレアっぽくなっていますね。
- 宇和川
- そうですね、やや台形シルエットです。
- 加藤
- ピッタリしすぎるタイトスカートだと
ちょっとやんちゃな感じが出てしまうし、
体のラインが出てしまうんじゃないかって
不安な面もありますからね。
- 宇和川
- 幅広い年齢層の方に
着てもらいやすいところを探っていって、
これくらいの裾幅に落ち着きました。
カジュアルにはきやすくて、
なおかつかっこよさを残すくらいの塩梅で。
- ――
- 裾の角度が広がっていくと、
どんどん女の子っぽくもなるというか。
- 宇和川
- そうなんです。
丈はギリギリのところまで長くしています。
- ――
- 丈が短いと、
ふくらはぎのいちばん太いところが強調されて
気になることもあるので、
足首がちらっと見える長い丈って、うれしいです。
- 宇和川
- 丈が長いぶん、後ろにスリットを入れているので、
歩きやすさも保てていると思います。
- ――
- 脚さばきも楽ですし、
ウエストにゴムも入っているので
おなかまわりもきゅうくつに感じませんね。
- 宇和川
- バックに尾錠をつけたかったので、
ゴムは横の部分だけに入れました。
ゴムがあることでフィット感は高まりますし、
楽に着てもらえると思います。
- ――
- オーセンティックなジーンズについている、
あの尾錠ですね。
- 宇和川
- デザインディテールとしてつけたんですが、
実用性もあるんですよ。
尾錠のベルトを締めることで
おしりにギュッとフィットします。
- ――
- ほかにもリベットがついていたり、
上半分を見るとさながらジーンズのような趣きです。
- 宇和川
- 綿100%のしっかりしたデニム生地を使って
ストンとしたシルエットのスカートを
つくりたいと考えたときに、
ジーンズらしい意匠を残せないかなって考えたんです。
リベットはポケットの強化という意味合いもあるんですが、
デザインアクセントにもなってうまくいきました。
- 加藤
- ジーンズらしくとはいっても
ステッチを配色で入れると本格的になりすぎるので、
あえてデニム生地と同色にして控えめな表情に。
- 宇和川
- ドットボタンもシンプルな見た目を
後押ししています。
- 加藤
- 女性は爪が長い方もいらっしゃるので、
着脱の際にボタンホールで開くボタンにすると
爪がひっかかって気にされる方も多いので
簡単にパチンと留められるドットボタンにしました。
- ――
- 細やかな気配りはさすがです!
色はインディゴデニム、ホワイトデニムのほかに、
チェック柄も用意しています。
- 宇和川
- チェックはコットンリネンの
ちょっと微起毛した素材を使っています。
コットンリネンはややチクチクするものもあるんですが、
これは肌ざわりがよくて、着やすかったです。
- 加藤
- パンツ用の軽い綿麻でチェック柄ってなると
なかなかなくて、方々探してようやく見つかった素材です。
この素材だからこそ叶った1本です。
- 宇和川
- タータンチェックやブラックウォッチなど
いろいろなチェックがありますが、
これは大人っぽくてかっこいいチェック。
今考えられるベストな柄でできたと思います。
- ――
- そして、昨年に引き続き登場するメンズのポロシャツと
スキッパーパンツは新色に衣替えしました。
メンズリラックスポロ
- 加藤
- ポロシャツはオフホワイト、アイスグレー、
ブラックの3色です。
最近定番色の中でネイビーをほとんど着なくなって、
白と黒に置きかわってきたんです。
夏場にトップス1枚になるときに
パンツを選ばない色となると、
白と黒がやっぱりいちばんべんりで
おしゃれに見えるんですよね。
- 宇和川
- 衿がついているので、
白と黒を持っているとドレスアップしたいときにも
使いやすいと思いますよ。
- 加藤
- 白と黒ははっきりしすぎているからちょっと…、
という方には控えめで上品な中間色のグレーが
おすすめです。
- ――
- 生地は昨年とおなじ、
裏側が細かいパイルになっていて、
肌触りもばつぐんですよね。
メンズですけど、女性の人気も高かったです。
ジェンダレス スキッパーパンツ
- ――
- スキッパーパンツも、
同じく3色登場します。
フレンチブルーのデニム、
うすいマットなアイボリーベージュに
細かな千鳥格子柄のグレンチェック。
秋冬のときとは表情が変わってかわいいです。
- 宇和川
- デニムのスキッパーパンツは
アメリカ的な濃紺というより
ヨーロッパっぽい
ワーク感のあるブルーですてきです。
- 加藤
- ベージュはチノパンのようなカーキ寄りの色みより、
上質なステンカラーコートに使われるような
明るいベージュを選びました。
細番手の糸を使っている生地だと
きれいに色が出ますね。
- ――
- 前回のシャドーチェックに続き、
今回もさりげなくも上品な柄に惹かれました。
- 加藤
- 千鳥格子や細かなチェックを組み合わせた
グレンチェックですね。
こんなにうまくできるとは、とびっくりしました。
- 宇和川
- イギリス由来の伝統的な柄がクラシックな雰囲気もある
このテーパードシルエットのかたちのパンツに
とても合っています。
- 加藤
- グレンチェックのパンツというと、
おじさんがはくものっていうイメージがありますが、
これはかっこよくできましたね。
- ――
- はじめてのかたちと、あたらしい色と柄。
着るのも穿くのもたのしみでなりません。
加藤さん、宇和川さん、ありがとうございました!