Miknits2023 三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。

Miknits2023

三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。 三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。

10th Anniversary

ニットデザイナー・三國万里子さんの
編みもののお店がオープンします。

Miknitsは、2023年で10年目を迎えました!
これからもたのしく、おだやかに、
ときに冒険をしながら。
次の10年に踏み出していくような
今までになかった作品がならびました。
10周年を記念して、
foodmoodのなかしましほさんとつくった
スペシャルなクッキー缶もお届けします! 三國万里子さんプロフィール

01

うれしい普段着。
三國万里子さんのお話vol.1

編みものキットは、ぜんぶで3作品。
スキーセーターやつけ襟、バラクラバなど、
Miknitsになかったラインナップで、
普段着にくわえてもらうだけで、
いつもとちがうスペシャルな気持ちに
なってもらえる作品たちです。
三國さんに質問を送り、お返事をいただきました。

柄と色づかいの美しさ、
ざっくりしたセーターなのに
もたつかないスタイリッシュなシルエットなど、
三國さんらしさを感じる「alp」。
また、Miknits10年の歩みを感じる
アラン糸の色の豊富さを
楽しめる作品になりました。

どのような思いで
デザインされたのでしょうか?

先にできたのが
ヴィヴィッドな色使いの「sunny」です。
わたしが気に入ってよく着ていた、
子どもサイズの古着のカーディガンがありまして、
原色のマジックインクで模様を塗り分けたような、
とても鮮やかなノルディック模様なんです。

それを見たミクニッツチームの面々が
「そういうの、欲しいです」と。
「おおそうですか。こんな派手なの、
着るのわたしくらいかと思っていたけど、
あなたたちも着るの?」って訊いたら、
うんうん、と彼女たちが頷くから、
じゃあなんかこういう感じのを
作りましょう、となりました。

もう一枚は自然の成り行きとして、
モノトーンに近い、
落ち着いた色の組み合わせになりました。
とはいっても地味というのではない、
引きで見たときに奥行きを感じる、
いい柄行きになったと思います。

パッと見たときに、
三國さんの本『編めば編むほど
わたしはわたしになっていった』に
書かれている叔父さんとスキーセーターの
エピソードを勝手に思い出して、
胸がギュッとなりました。

チームの中でもとくに編みものにくわしい
が、
「減らし目と編み込みの関係性など、
編むのがきっと気持ちいいと思う」と
その巧みな編み図を絶賛されていました。
編むときのたのしいポイントを、
教えていただけますでしょうか。

「編むのが気持ちいい」とは、さすがですね。
おっしゃる通り、減らし目と編み込み模様が
切り離せない関係にあって、
一段進むごとに
「全体の形と色柄が同時に変化していく」
醍醐味が味わえます。

編み込み(フェアアイル)をするときは
一段につき2色使うのがオーソドックスなんですが、
今回は3色使う場面がしばしばあるので、
そこが難所といえるかもしれません。
でも、そこに来たらスピードを落として、
糸の引き加減に気をつけながら編んでいただけたら、
全然大丈夫です。

ボリュームのありそうなニットなのに、
「着てみると意外とコンパクト」という
デザインが素敵です。
スタイルや着こなしのイメージを
おうかがいしたいです。

身幅が広めで、着膨れしにくく、
ゆとりを感じていただける形です。
模様の入っている箇所は地厚ですし、
相当あったかいので、
アウターとしても活躍するのではと思います。

着こなしの提案ですか?
簡単すぎて、逆に困っちゃう。
誰のタンスの中にもこのニットに合う服が
入っているはずですし、
「うれしい普段着」になるといいなと思います。

「corridor」は、チーム待望のつけ襟です!
ロマンティックすぎず、
大人も身につけられる絶妙なアイテム。
雪が胸元に降るような「ボブル」が、
いいアクセントになっていると感じました。

はじめてつけ襟にトライされる方に向けて、
編む際のポイントを教えていただけますか?

これは実は、
「メインのパーツとエッジを別々に編んで
とじはぎで合体させる」という、
ショールを編んだことのある方には
お馴染みの作り方です。

なので、「小さいショールを編むのだ」と
思っていただいたらいいかも。
エッジのポコポコした模様は
「9目1度」という技法を使うのですが、
これをやるのが大変楽しいです。

三國さんでしたら、
どのようなスタイルに組み合わせられますか?

クルーネックのカットソーや薄手のニットに
手当たり次第につけてみようかな。
糸がカシミヤなので、薄い割にほんのりと、
ちゃんとあったかみを感じるんですよ。
襟のないコートの上とかにも
いいかもしれませんね。
「正面を後ろにしてもいいし、
90度ずらしてもいいよね」と、
スタイリングを担当してくださった田中さんが
提案してくださいました。

「Noël 」は寒い冬にぴったり。
「バラクラバ」といって
耳まですっぽりとおおいかぶさる
タイプの帽子になります。

どのようにインスピレーションを
ふくらませて製作されたのでしょうか?

この葉っぱの柄は、昔からアランセーターなどで
パネル模様として使われることが多い模様です。
柄の区切りのラインを、
全体の形を組み立てるのに
利用することができるはず、と
あれこれやって、こうなりました。

編み端には普通「縁」をつけることが多いのですが、
これは反らない編み地なので、
「編みっぱなし」で終えています。
それが、全体のすっきりした印象にも
一役買っているはず、と思います。

頭のかたちに沿った葉っぱ模様が
とても美しいと感じました。
柄を編むときのポイントを教えてください。

この模様は表目と裏目の
2目の交差がずっと続くので、
縄編み針を使うとなかなか大変です。
なのでぜひ、「縄編み針なし」で
編み進めていただきたいと思います。

(つづきます。)
2023-08-22-TUE
撮影|清水奈緒(イメージ写真)、沖田悟(商品写真)
スタイリング|田中美和子
ヘアメイク|茅根裕己(Cirque)
モデル|Eniko(Donna)