うれしい普段着。
三國万里子さんのお話vol.1
スキーセーターやつけ襟、バラクラバなど、
Miknitsになかったラインナップで、
普段着にくわえてもらうだけで、
いつもとちがうスペシャルな気持ちに
なってもらえる作品たちです。
三國さんに質問を送り、お返事をいただきました。
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-1.jpg)
柄と色づかいの美しさ、
ざっくりしたセーターなのに
もたつかないスタイリッシュなシルエットなど、
三國さんらしさを感じる「alp」。
また、Miknits10年の歩みを感じる
アラン糸の色の豊富さを
楽しめる作品になりました。
どのような思いで
デザインされたのでしょうか?
先にできたのが
ヴィヴィッドな色使いの「sunny」です。
わたしが気に入ってよく着ていた、
子どもサイズの古着のカーディガンがありまして、
原色のマジックインクで模様を塗り分けたような、
とても鮮やかなノルディック模様なんです。
それを見たミクニッツチームの面々が
「そういうの、欲しいです」と。
「おおそうですか。こんな派手なの、
着るのわたしくらいかと思っていたけど、
あなたたちも着るの?」って訊いたら、
うんうん、と彼女たちが頷くから、
じゃあなんかこういう感じのを
作りましょう、となりました。
もう一枚は自然の成り行きとして、
モノトーンに近い、
落ち着いた色の組み合わせになりました。
とはいっても地味というのではない、
引きで見たときに奥行きを感じる、
いい柄行きになったと思います。
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-2.jpg)
パッと見たときに、
三國さんの本『編めば編むほど
わたしはわたしになっていった』に
書かれている叔父さんとスキーセーターの
エピソードを勝手に思い出して、
胸がギュッとなりました。
チームの中でもとくに編みものにくわしいと
が、
「減らし目と編み込みの関係性など、
編むのがきっと気持ちいいと思う」と
その巧みな編み図を絶賛されていました。
編むときのたのしいポイントを、
教えていただけますでしょうか。
「編むのが気持ちいい」とは、さすがですね。
おっしゃる通り、減らし目と編み込み模様が
切り離せない関係にあって、
一段進むごとに
「全体の形と色柄が同時に変化していく」
醍醐味が味わえます。
編み込み(フェアアイル)をするときは
一段につき2色使うのがオーソドックスなんですが、
今回は3色使う場面がしばしばあるので、
そこが難所といえるかもしれません。
でも、そこに来たらスピードを落として、
糸の引き加減に気をつけながら編んでいただけたら、
全然大丈夫です。
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-3.jpg)
ボリュームのありそうなニットなのに、
「着てみると意外とコンパクト」という
デザインが素敵です。
スタイルや着こなしのイメージを
おうかがいしたいです。
身幅が広めで、着膨れしにくく、
ゆとりを感じていただける形です。
模様の入っている箇所は地厚ですし、
相当あったかいので、
アウターとしても活躍するのではと思います。
着こなしの提案ですか?
簡単すぎて、逆に困っちゃう。
誰のタンスの中にもこのニットに合う服が
入っているはずですし、
「うれしい普段着」になるといいなと思います。
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-4.jpg)
「corridor」は、チーム待望のつけ襟です!
ロマンティックすぎず、
大人も身につけられる絶妙なアイテム。
雪が胸元に降るような「ボブル」が、
いいアクセントになっていると感じました。
はじめてつけ襟にトライされる方に向けて、
編む際のポイントを教えていただけますか?
これは実は、
「メインのパーツとエッジを別々に編んで
とじはぎで合体させる」という、
ショールを編んだことのある方には
お馴染みの作り方です。
なので、「小さいショールを編むのだ」と
思っていただいたらいいかも。
エッジのポコポコした模様は
「9目1度」という技法を使うのですが、
これをやるのが大変楽しいです。
三國さんでしたら、
どのようなスタイルに組み合わせられますか?
クルーネックのカットソーや薄手のニットに
手当たり次第につけてみようかな。
糸がカシミヤなので、薄い割にほんのりと、
ちゃんとあったかみを感じるんですよ。
襟のないコートの上とかにも
いいかもしれませんね。
「正面を後ろにしてもいいし、
90度ずらしてもいいよね」と、
スタイリングを担当してくださった田中さんが
提案してくださいました。
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-5.jpg)
「Noël 」は寒い冬にぴったり。
「バラクラバ」といって
耳まですっぽりとおおいかぶさる
タイプの帽子になります。
どのようにインスピレーションを
ふくらませて製作されたのでしょうか?
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-6.jpg)
この葉っぱの柄は、昔からアランセーターなどで
パネル模様として使われることが多い模様です。
柄の区切りのラインを、
全体の形を組み立てるのに
利用することができるはず、と
あれこれやって、こうなりました。
編み端には普通「縁」をつけることが多いのですが、
これは反らない編み地なので、
「編みっぱなし」で終えています。
それが、全体のすっきりした印象にも
一役買っているはず、と思います。
頭のかたちに沿った葉っぱ模様が
とても美しいと感じました。
柄を編むときのポイントを教えてください。
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-7.jpg)
この模様は表目と裏目の
2目の交差がずっと続くので、
縄編み針を使うとなかなか大変です。
なのでぜひ、「縄編み針なし」で
編み進めていただきたいと思います。
![](/store/miknits/2023aw/img/pre/01/pic-8.jpg)
2023-08-22-TUE
スタイリング|田中美和子
ヘアメイク|茅根裕己(Cirque)
モデル|Eniko(Donna)