Miknits2023 三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。

Miknits2023

三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。 三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。

10th Anniversary

ニットデザイナー・三國万里子さんの
編みもののお店がオープンします。

Miknitsは、2023年で10年目を迎えました!
これからもたのしく、おだやかに、
ときに冒険をしながら。
次の10年に踏み出していくような
今までになかった作品がならびました。
10周年を記念して、
foodmoodのなかしましほさんとつくった
スペシャルなクッキー缶もお届けします! 三國万里子さんプロフィール

03

手仕事に、誇りをもつ。
BALLONさんのお話

東京のアトリエで、
一点一点ハンドメイドで制作されている
アロマブランド、BALLON(バロン)さん。
日々、香りを嗜む三國さんのオーダーによる
オリジナルの香りを調合してもらい、
華やかなMiknits缶ができあがりました。
クリエイティブディレクター兼代表の鈴木さんにご案内いただいて、
実際に制作されているラボ(工房)に
おじゃましました。

「ラボでハンドメイドで作っています」
とは伺っていましたが、
ほんとうに、ひとつひとつ手づくりなんですね。
白衣を着たかたが、こんなにたくさん
いらっしゃるなんて。

みなさんに「手づくりです」とお伝えしても
想像できないみたいで、
「どこで? どうやって?」と
質問攻めによく合います(笑)。

ほかにはない制作環境ですよね。
外注せずに自社で作ると、
クオリティが違いますか?

それもあるんですが、
純粋にみんな作るのが好きなんだと思います。

「ハンドメイド」は
自分たちのブランドの根幹でもありますし、
どれだけ規模が大きくなったとしても
続けていくと思います。
エルメスも、そうですよね?

ブランドのスタートである馬具は、
パリにある工房で職人さんが縫い上げて
いらっしゃるんですよね。

私たちも手仕事によるものづくりに
誇りを持っているので、
そこはできる限り守っていきたいです。

バロンさんを象徴するアイテムは
どちらになりますか?

石膏のアロマオーナメントです。
これにアロマをたらして
使っていただいています。

すごく繊細なデザインですよね。
インテリアとして
お部屋にも飾りたくなるもので。

ありがとうございます。
細かくデザインをつきつめられるのは、
ひとつひとつ手製だからこそだと思います。

石膏とはもともと白い粉で、
お水を混ぜることで凝固します。
よく、器作りに使われる素材で、
吸水性がいいのが特徴です。
また、成形しやすくて丈夫なので、
小さな歯型の土台にもよく使われます。

小さくても繊細に手を加えやすい”美術性”と、
吸水性がいい”機能性”に着目して、
石膏でオーナメントを作ることに決めたんです。

石膏のアロマストーンは
めずらしいですか?

私たちがはじめた当初は少なかったですね。
そもそも、私たちも知識がなくて、
素焼きで作る予定だったんです。
でも、理想的なものを探す中で
たまたま石膏と出会って、
「これだ‥‥!」と。

最初のころは文字通り「手探り」で、
周りからアドバイスを受けながら
日夜作っていました。
なので、リアルな話、
腱鞘炎になったり深夜まで作業したり、
相当試行錯誤していましたね。

立ち上げのころ特有の、
興奮状態といいますか。

わけもわからず、楽しかったんですよね。

どんな方々がバロンに合流されているんですか?

ウェブのデザインチームが母体で、
バロンが始まりました。
私もウェブのデザイナーだったので、
ふだんデジタルをあつかっていると
こういう実体のあるプロダクトをさわるのが
楽しくてしょうがなかったんですよね、当時。

うちのデザイナーもうなずいていますね。

同業者に、ぜったい共感してもらえると思います。
デジタルだとモノを作っている
”実感”があまり得られなくて、
形になったものを店で売る、という
アナログな作業に心がときめきました。

ほぼ日もウェブの会社ではありますが、
プロダクトをたくさん作っていますし、
編み物なんてまさに実感の連続で。
すごく、スペシャルなことだなって思います。

そうですよね。
畑が違うので
わからないこともたくさんあるけれど、
手探りで自分たちで見つけていく
おもしろさもあって、
いろんな山を越えてきたと思います。

でも、バロンさんのプロダクトを見たときに、
デザインの力が大きいなと思っていたので、
みなさんの職業を聞いて納得です。

「デザイン」は私たちのものづくりの
ベースになっていると思います。

「美しいギフトをつくりたい」という思いで
2009年に創業して、来年で15年目。
アンティークの世界観を融合させて、
アートのようなアイテムを届けられたらという
思いで日々製作しています。

こうやって実際に製作の現場を拝見すると、
流し込む型の作りもとても繊細なんですね。

シリコンにとてもハマっていた女子社員たちが、
型作りを熱心に研究してくれたんです。

石膏も、型作りも、
夢中になってものづくりをされる方が多いんですね。
だからこそ、これだけきれいなものが
生まれているんだなと思いました。

凝り性な人が多いんだと思います。
問題があると突きつめたくなってしまうというか、
「もっとうまくできないかな?」って
アイデアをどんどん試してしまうというか。

海外でも引き合いがあるんですよね?

あまり国籍を意識したものづくりは
していないのですが、
「すごく日本っぽい」と言われます。
日本人のものづくりって、
細かいところまで突き詰めるじゃないですか。

よく聞きますよね、仕事が細かいと。

ビジュアルは西洋風だけれど
作りは日本的で、
その和洋ミックスな感じを
海外のかたもおもしろがってくれました。

デザイン自体は、西洋からの影響ですか?

そうですね。
デザインは西洋のアンティークに、
インスパイアされて作っています。
西洋のものってデザインとして魅力的ですし、
ちょっと遊び心があるというか、
毒っ気があるのが可愛いなと思っていて。
私たちのアイテムも、単純に可愛いというより、
ちょっとひねりがあるのが特徴です。

石膏のアロマオーナメントですと、
どんな風に香りを楽しむのでしょうか?

ディフューザーは熱などで
空気中に香りを拡散させますが、
石膏は広い範囲に拡散しないんですね。
だからこそ、たとえば会社の机や
小さなスペースに置いて、
自分のエリアだけに
香りを漂わせることができます。

仕事をしながら、ちょっと手元で
2、3滴アロマをたらすと、
すごくリフレッシュになりますよ。

先に、しばらく自宅で使っていたのですが、
仕事デスクに置いて、始業前にたらすのが
いいリフレッシュになっていました!

あと、石膏がまっしろなので
オイルの色移りを心配していたのですが、
そこまでない気がしました。

いろいろな石膏の素材を試して、
香りの染み込みやすさ、硬さなどから
今のものにたどり着いたので、
きれいに保てるものになっていると思います。

今回の缶についてもお話を聞かせてください!
アロマオイル、オーナメント、
バスソルト、お花が入っている華やかな缶。
なんと、編み物をモチーフにした
オーナメントを作ってくださったんですよね。

技術チーフの岡が
実際にモチーフを編んで、
オーナメントにしました。

そこまでしてくださってうれしいです‥‥!
とってもかわいいですし。

昔から、編み物モチーフのオーナメントを
つくってみたかったんです。
編み物が好きなので、
かぎ針編みでサクサクと編みました。

それらを、お花がいっぱいしきつめられた
箱に入れてくださいました。
これも、ひとつずつ手製ですよね?

そうですね。
私たちオーナメントづくりも好きなんですが、
パッケージもすごく大切にしているんです。
箱を開けたときの「わあ!」って高揚感、
すごくうれしいじゃないですか。

自分のために買うのも、
大切な人に贈るのも、
ファーストインプレッションの高揚感が大事。
そこを演出できるように意識しています。

それこそ、心がときめきますよね。

ただお花を箱に詰めるだけでは
あまりきれいに見えないので、
配置など細かいデザインが必要な作業なんですね。

どんな色のお花をアクセントに
持ってくるかで印象がだいぶ変わるので、
季節に応じた花をセレクトしながら
箱を開けたときに心がときめくような、
そんなものを目指しています。

緑系やピンク系など、
いろいろなアレンジを提案くださいましたよね。

一般的にはピンク系のお花が人気なんですが、
うちはブルーやイエローなど
大人っぽい配色が人気なんです。
それはもしかしたら、配色の仕方や
アンティークの雰囲気が、
そちらの色が合っているのかもしれません。
今回も香りに合わせてお花をセレクトしたのですが、
とても可愛い組み合わせになりました。

私たちがとてもうれしかったのが、
特別に香りをオーダーさせていただけたこと。

三國さんは香水がお好きでいらして、
寝る前につけたり、リフレッシュにつけたり、
日常的に香りを嗜んでいらっしゃるんです。
私たちもそんな風に香りを楽しみたいという思いで、
香りもののアイテムが作りたかったんですね。
そんな中でBALLONさんに出会い、
三國さんリクエストの香りで
アロマオイルを調合いただきました。

私たちも、三國さんと一緒に香りを
つくることができて楽しかったです。
持ってきてくださったアイデアから、
「三國さんはけっこうな香りオタクだろう」
と感じました(笑)。

「お茶を飲みながら編み物を楽しむ」、
そんなシーンをイメージして、
「レモンティー」と「ウーロン茶」にしました。

お茶の香りのアロマは
めずらしいですか?

「ホワイトティー」や「アールグレイ」など
お茶の香りはあるんですけど、
そのなかでも「ウーロン茶」というのが
おどろきでした。
なので、私たちも、
ぜったいこの香りを作りたいと思いました。

私たちも、そう思っていました。
せっかくならMiknitsとBALLONさんらしい、
遊び心がある美しい香りにしたいと。

レモンティーは
フェミニンになりすぎない香り。
ウーロン茶は台湾や中国といった
オリエンタルな雰囲気を感じる香りです。
アイデアの香りをヒントに、
調合くださったんですよね?

そうですね。
茶葉から香りを抽出するのではなくて、
様々な香りを調合した結果
それぞれのお茶を感じるものになりました。

「レモンティー」は市販の紅茶の香りとは違って、
もっと奥行きがあってお茶らしい、
ユニークな香りになったなと感じます。
「ウーロン茶」はいろんな香りをミックスして、
すこしフローラル感もある特徴的な香りです。

候補はいろいろありましたが、
満場一致で香りが決まりましたね。

はじめての経験でした。
香りは嗜好品なので決定が難しいんですけど、
お互いの好みが合いましたね!

私たちのスタイルとして、
ラブリーすぎる甘い香りではなくて、
すこしモードや尖った感じといいますか、
きれいにおさまっていない
個性的な香りになるように調合するんです。
たとえば、スパイシーな香りを入れたり。

「レモンティー」は紅茶の香りを入れながら、
香りのファーストインプレッションともいえる
トップノートにレモンとシトラス感を強めるユズの香りを、
香りの奥行きとなるラストノートに
シダーウッドのきりっとしたウッディな感じが残ります。

「ウーロン茶」はオレンジとベルガモットがトップ。
ミドルにはローズ、ラストノートはアンバーという構成で、
シナモンのようなスパイシーさが
少しだけ感じられる香りに仕上げました。

ウーロン茶にローズなんですね。

そこがポイントなんです!
あえて品のある華やかな香りに
仕上げてオリエンタルな雰囲気にしました。

フェミニンすぎない香りというのは、
私たちも求めていたところです。

甘いと、ちょっと人工的な香りに
感じることが多いんですね。
スパイシーな香りが入っていると
奥行きがでるというか、
ちょうどいいバランスになる気がします。

テイストに合わせて、
お花もセレクトしました。
「レモンティー」はイエロー系、
「ウーロン茶」はブルー系で。
マローブルーという、
青いハーブティーに入れるお花をいれました。

お花が缶いっぱいに入っているのも、
宝箱みたいで特別だなあと思いました。

お花をぎゅうぎゅうに敷き詰めたのには
理由があって、
お花にアロマを垂らしていただくと
ポプリになるんですね。
缶を開けると香りが漂ってくる、
「ポプリ缶」という
あたらしいアイテムになるんです。

箱を開けたら、
ふわっと香りが漂ってくるものに。
それは、とても気持ちよさそうです。

オーナメントとオイルだけじゃなくて
バスソルトも入っていたり、
お花もぎゅうぎゅうだったり、
小さなものがぎっしり入っている
「宝箱」みたいな缶だと思います。
お風呂にたらすと
香りが充満して気持ちがいいですし、
お花を小皿にうつしてオイルをたらしても。

そんな風に、さまざまなシーンで、
香りを楽しんでもらえたらうれしいです。

一緒に、お茶も楽しんでいただきたいですよね。

香りを焚くと、
お茶の味わいが結構変わるんですよ。
なので、気分転換に香りを焚くと、
思いがけない化学変化が起きるかもしれません。

(つづきます。)
2023-08-24-THU
撮影|清水奈緒(イメージ写真)、沖田悟(商品写真)
スタイリング|田中美和子
ヘアメイク|茅根裕己(Cirque)
モデル|Eniko(Donna)