2014年のある日、ほぼ日手帳チームに、
アメリカから1通のメッセージが届きました。
私たちはFacebookで
ほぼ日手帳ファンのグループを作っています。
いま、1冊の手帳を各国にいるメンバーで
リレーのように回し、書き込んでいく
『Traveling Hobonichi』を計画しています。
そこで、Plannerを1冊送っていただけませんか?
みんなで書き込んだ後に、
それをほぼ日にお返ししたいんです
このメッセージがきっかけとなって、
1冊のPlannerが2015年1月にほぼ日を出発。
アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、
アジア諸国に暮らす36名のもとを訪れ、
年末に帰ってきました。
Traveling Hobonichiの最初のページに
ダウンロードシティの「らくがき世界地図」を貼って
メンバーが自分の住んでいる場所に色をつけてもらいました。
旅のルートは、日本→フィンランド→ドイツ→オランダ→
デンマーク→ウェールズ→イングランド→スコットランド→
アメリカ→カナダ→アメリカ→オーストラリア→
シンガポール→台湾→フィリピン→アメリカ→日本!
その中に書き込まれ、描かれ、そして貼られていたのは、
住んでいる国や街のこと、趣味や仕事のこと、
ほぼ日手帳やお気に入りの文房具のこと‥‥。
ふだんは違う国に暮らしていて、
直接会ったことがない人たちが、
どんなふうにつながってくれたんだろう?
小さな手帳が、途中でなくなることなく、
どうやって1年間、無事に続けてこられたんだろう?
そんなことを聞いてみたくて、
この手帳の旅を発案し、グループをまとめていた
リーダーのひとり、ミシェル・アミナ・ディーンさんに
連絡をとることにしました。
このコンテンツの第1回は、
ミシェルさんのインタビューをお届けします。
なお、ミシェルさんはほぼ日からの質問を、
メンバーのみんなとシェアしてくれたので
いろんなメンバーからの返答を混じえて、お届けします。

フィリピンにお住まいのミシェルさん。
政府機関の企画室で働いているそうです。
ほぼ日手帳も、たくさん使ってくださっていました。
- ――――
- 「Traveling Hobonichi」は、
どのようにスタートしたのでしょうか? - ミシェル
- もともと、インターネット上に
ほぼ日ユーザーが書き込むスレッドがあって、
そこで「Traveling Hobonichi」の構想が生まれたんです。
2014年9月にメンバーのカレンが、Facebookで
「Traveling Hobonichi 2014-2015グループ」を作って、
その中でメンバーにアンケートを取り、
参加したいか、見ているだけがいいかなどを
選んでもらったのがスタートです。 - ――――
- どうして「国内のトラベル」ではなく、
「国をまたいだトラベル」に? - ミシェル
- 国境を越える旅は、時間も労力もかかるけど、
でも、私たちはほぼ日手帳が大好きだったから。
私たちFacebookグループの管理者は、
フィリピン、アメリカ、
イングランド、スコットランドにいる6人。
みんなが別々のタイムゾーンにいる中で、
いっしょにチャットできる時間を探すのは、
たのしく、やりがいがありました。 - カレン・B
- 私たちははじめから、世界中に興味があったんです。
国を限定することについては、
まったく会話に上らなかったと思います。
そのぶん、各地に回す順番を考えなくちゃいけないし、
確実に予定も守られなくちゃいけない。
かなり大変になる、ということだったんですけれどね。

ミシェルさんがふだんお使いのweeks。
フィリピンのきれいなビーチで撮影して
送ってくれました。
- ――――
- はじめる前は、どんな気持ちでしたか?
- シン
- とてもユニークで楽しいプロジェクトに
関わっていることがうれしかったです。 - ミシェル
- 私も、とてもワクワクしていました!
ただ、旅がはじまってからは、
手帳が次の人にちゃんと届いているかとか、
確認がなかなか取れなかったときなどに
途中でなくなってしまったのではないかと
気が気じゃなくて……。
でも、ほとんどの時間はたのしかったです。 - ――――
- みなさんで回すTraveling Hobonichiを、
「終わったら、ほぼ日に返す」と言ってくれましたよね。 - ミシェル
- 私たちにとって最高のものを届けてくれた会社に、
何か素敵なことをすることは、
私たちにとっても、光栄なことだったから。 - カレン・F
- 初のTraveling Hobonichiで、まさに歴史に残ること。
ほぼ日のオフィスが持っていることが
ふさわしいと思ったからです。 - カレン・B
- ほぼ日は、Traveling Hobonichiの物語が始まる場所。
そして大冒険は、終わった時には決まって
始まりの場所に戻るものだからです!


ミシェルさんがふだんお使いのデスクまわりと文房具。
紙に印刷された好きな絵柄を切り抜いて、
ラミネート加工をするのが好きなのだそう。
- ――――
- 回す上で、なにかルールを決めていたんでしょうか?
- ミシェル
- 参加者は、手帳が手元にある期間、
手帳の写真をFacebookのグループ上に上げて、
管理者やほかの参加者に報告をすること。
また、それぞれ手帳を受け取った日を含めて
5日以内に次の人へ送ること。
そして1人が8ページを埋めること。
これをルールにしました。
航空便の控えや追跡番号がわかる写真も共有して、
みんなが、いま手帳がどこにあるかを
追跡できるようにしたんです。 - ――――
- 旅の途中経過は、Facebook上で
「いま、誰の手元に手帳があるか」が
わかるようになっていましたね。 - ミシェル
- 私たち管理者は、ほとんど毎日、
そのとき手帳を持っている参加者や、
次の参加者と連絡を取り続けていました。
グループ内の参加希望者には、
それぞれ前後の人(自分に送る人と、自分が送る人)の
名前や住所を知らせ合うように連絡を入れました。
その過程でFacebookの友だちになれたらいいことだし、
次の人へ送るときに、文房具やステッカーなど
ささやかなプレゼントを送るのもいいかもと、
おすすめしたりしました。 - ――――
- 自分のところへ回ってきたときに、
ほかの人のページを読んだ感想はいかがでしたか? - カレン・B
- みんなのページを読むのはとてもたのしかったです。
- ミシェル
- みんなが自分のページをよくするために、
全力を尽くしていたような感じがしました。 - ――――
- Traveling Hobonichiを終えられて、いかがですか。
- カレン・B
- 終わってしまう悲しみとともに、
胸がいっぱいになりました。
でも、どこかのポストの中で
失くなってしまうのではないかと
つねに不安だったので、
無事に戻ってきて、ほっとしましたね。 - アマンダ
- 手帳が無事に戻った時には、
本当にうれしく、安心しました。
日本へ無事に戻すまでには、
密なコミュニケーションとチームワークが必要でしたから、
この小さな管理グループを誇りに思います! - ミシェル
- 36人が小さな手帳に書き込み、
それが日本まで戻って来た……本当に大成功です!
このチームを、誇らしく思っています。
「死ぬまでにやりたいことリスト」に
大きなチェックマークをつけた気分でしたよ!


こちらの写真はTraveling Hobonichiではなく、
ミシェルさんがふだんお使いのほぼ日手帳。
イラストやイラスト、シールなどを組み合わせて
自由に日記を綴っていました。
2016-09-16-FRI