岡戸 | わたしが白を着るのは、 下が黒か紺だからだと思いますよ。 |
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伊藤 | そういえば、スカートは黒か紺ですよね。 ジーンズとかも履かない? |
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岡戸 | はい。チノパンは好きで、履くんですけども。 スカートの8割‥‥9割くらい、その形なんです。 |
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伊藤 | どちらのブランドですか? |
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岡戸 | コム デ ギャルソンなんだけど、 コム デ ギャルソンに元々ある形ではなく、 元はロングスカートなんです。 それを切ってもらってるんです。 |
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一同 | ほぉー!! |
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岡戸 | あれ? だめ(笑)? |
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伊藤 | すごいですよ! |
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── | そもそも、コム デ ギャルソンの ロングスカートを切るって。 |
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岡戸 | 切っちゃう。 オリジナルの形が壊れちゃうわけだから、 最初の頃は、「すみません」って、 お店で切ってもらってたんだけど、 今や、買って、家に帰って、 「このくらいだ」ってわかるから、 リフォーム屋さんで切ってもらいます。 |
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一同 | おぉー。 |
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岡戸 | あれ? なんで? それ、おかしい? |
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伊藤 | おもしろーい。 |
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岡戸 | 初めて買った時から、そうなんですよ。 「ちょっと長いな」と思って、 自分の好きに切ってもらったのね。 もちろん「コム デ ギャルソンに悪いなぁ」 って思ったんだけれど(笑)。 |
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伊藤 | でも、いいですよね。 こんなふうに、自分のものになってるなんて。 |
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岡戸 | そんなわけだから、たぶん白いシャツは、 黒と紺のスカートに合わせやすいように 多くなっていったのかもしれません。 そんなこと、今日初めて、気が付いたんですけど。 |
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伊藤 | そして、決して素足にサンダルではないんですよね。 素足にヒールの靴でもなく。 |
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岡戸 | 黒いタイツが好きなんです。 なんでだろう? |
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伊藤 | 夏は、暑くないですか? |
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岡戸 | 暑いんですよ(笑)。 でもそんなこと訊くの、 伊藤さんだけですよ。 |
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伊藤 | わたし、暑がりだから。 |
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岡戸 | ストッキングが嫌いなんです。 だから、素足になりたいんだけど、 お見せするほどの自信はない。 若ければ、どうかなぁと思うけど。 |
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伊藤 | でも、ソックスじゃなくて、黒いタイツ? |
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岡戸 | ソックスだけだと、スースーするでしょう。 |
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伊藤 | なるほど。そして必ず、 ローヒールの、ローファー。 黒い靴ももしかして何足も持っている? |
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岡戸 | そう。よくわかりました。 |
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伊藤 | それはどれくらい持ってるんですか? |
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岡戸 | 会社を辞めたとき、本当にもう要らないと思って、 ずいぶん整理したんです。 そうしたら、履いていない茶色い靴がいっぱい。 黒ばっかり買ってたつもりで、 たまには茶色も買ってて、履いてなかった。 |
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伊藤 | え? え? 履かないんですか? |
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岡戸 | 黒いタイツに似合えば 履こうかなと思ってるんですけど。 |
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伊藤 | 茶色い靴に合わせて タイツを替える気はないんだ? |
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岡戸 | あ、ない(笑)! ほんとね。 グレーのタイツとか、 買ったこともあるんです。 でも、冬ならまだしも、 「夏でグレーのタイツっていうのもなぁ」と。 要するに、見せたくない、いろんなものを。 そういう傾向があるんでしょうね(笑)。 |
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伊藤 | でも、それはいくつくらいからですか。 高校生の時とか? |
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岡戸 | やっぱり『Olive』で仕事してる時からかな。 20年くらい前ですね。 それまで『Olive』の編集部では 黒いストッキング履いてる人を 見たことがありませんでした。 大人の格好してなかったじゃない? 『Olive』って、 やっぱりチノパン、ジーパンでしょう。 で、上はTシャツやシャツ、 それにセント・ジェームス(Saint James)の ボーダーシャツ、そして、 エルベ・シャプリエ(Herve Chapelier)のバッグ。 これね。 |
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伊藤 | 私もちょっとそういう格好してた覚えがある。 |
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岡戸 | してたでしょう? エーグル(AIGLE)のブーツとか。 |
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伊藤 | 全部持ってます! |
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岡戸 | フルアイテム。 そういったような恰好が制服的な感じだったので、 私の中でもナチュラルな色のストッキングは 履くこともなく、 いつの間にか履けなくなっちゃって。 |
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伊藤 | ナチュラルなストッキングっていうのは、 わたしたち、確かに履く機会は、ないですよね。 |
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岡戸 | 編集部は学校的な要素がすごく強かったから、 何の違和感も感じずに、私、いたんだと思いますよ。 大人っぽい格好をしてる人も、 多分いたのかもしれないけど、 なんとなくみんな、同じような格好をしてた。 みんな違ってたけど、同じようだった。 エーグルのブーツ、ゴムびきの長靴ですよね。 あれも、普段でみんな履いてたから。 |
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── | マガジンハウスって、 ファッション系出版社じゃないですか、いわば。 先輩女性編集者から、 「編集者はこういう格好をするものよ」 なんていうご教示は? |
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岡戸 | 編集部によって全部違ってたみたいでです。 たとえば『アンアン(an・an)』では、 これから来るようなものを スタイリストさんが見つけてきて、 それを着こなしてるのを見て、 「あぁ、そうか」と。 それを自分で工夫して、人と違う格好をする。 それが『アンアン』のスタイルでしたね。 ‥‥そういえばわたし、先輩編集者から、 言われたことがあります。 小っちゃいスカーフがもう大好きで、いつも巻いてたの。 そうしたら、 「スカーフ、首から生えてない?」って(笑)。 いつも白いシャツに、スカーフをしてたから。 |
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伊藤 | (笑)『Olive』向きの人が 『Olive』編集部に行けるんですか? |
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岡戸 | そんなこともなかったんです。なんでだろう? 私なんて、『週刊平凡』っていう芸能誌にいたのに、 廃刊になっちゃったから、『Olive』に異動したんです。 「行きたい!」て言ってる人じゃなかったんですよ。 |
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── | 岡戸さんは芸能週刊誌出身なんですね! たしかに記者っぽいですね、どっちかっていうと。 |
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岡戸 | 記者ですよ、私、もうすごい。 (つづきます) |
2013-03-19-TUE
写真:有賀傑 |
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