Lesson947
読者の声 - VS.(バーサス)にならない
2019-11-27
先週の「VS.(バーサス)にならない」に、
反響が多数届いた!
「VS.(バーサス)にならないように、心がけている。
人と話すとき、仕事でも、私生活でも。
無自覚にVS.のポジションにいると、
自分の正しさで相手に勝とうとしてしまう。
with 、together、一緒に。
私で何かお役にたてますか?
いつもそんなポジションで人に向かう。
学生や生徒には特に。まず、聴く。」
という投げかけに、読者はどう考えたのか?
<「正しい」の形>
4年前に子どもが産まれ、
慣れない子育てに四苦八苦の私と、
激務で連日終電帰りの夫。
私のイライラは全て夫への不満となって
溜まっていきました。
重い空気が続く中、
夫が「子どもが寝た後、二人で話し合おう」と
提案してくれました。
私は、
溜まった不満を理論でガチガチに固めて武装し、
「私が正しい。絶対に負けないぞ」と臨みました。
が、夫はというと、
私の不満をただひたすら受けとめ、
その上で自分の事情を話し、
現状での改善策を提案してくれました。
すとんと、心が軽くなった。
私は「話し合い」を、
お互いの意見をぶつけ合い、どちらが「正しい」か決める、
まさしく「VS.」だと思っていました。
学生の頃に授業でやった「ディスカッション」も
そうだった。
でも、「話し合い」は、
自分と相手の考えを確かめ合い、尊重し、
一緒に改善の方法を探っていく、
協力的で好意的な行為なんだなあ!
「正しい」は、
しばしば攻撃的になりがち。
だからこそガチガチに固めるのではなく、
柔らかく、色々な人との関わりを通して
「柔軟にその形を変えていけるように」
意識していたいなと思います。
(かこい)
<従業員に「まず否定」で関わってたと気づき>
従業員との関係に悩むことが多いです。
勤務態度や、従業員同士のいじめなど、
面談の度に、私は、
反抗的な従業員に手こずってきました。
と、思っていました。
ある従業員と面談した際に、
「私の言うことは、一つも認められないんですね」
と言いわれ、
私はハッとしました。
いつも従業員と対立関係になってしまう!
従業員に対して、
「間違った行動を改めて欲しい」、
「自分たちの理念に従って欲しい」
で頭がいっぱいで、
相手の言い分を聞かず、全否定してしまっていた。
その時も私は、
彼女の話を全部、
「それは違うよ」
「私たちが言いたいのはそういう事じゃないの」
と否定してから、自分の話を被せてしまっていました。
そのことに気付いて以降、
従業員と話す時は
まず相手の言い分を最初に全部聞く。
相手の言っている事が
自分たちの考えと合わなくても、
まずは聞く。
そこから始めました。
それだけでも、かなり相手は
聞く姿勢になってくれるとわかりました。
今は、その次の段階、
いかに対決にならずに
話の内容を相手に受け入れさせられるかが課題です。
(もつ)
<言い負かされてバーサス>
小さい頃から、
いつも頭ごなしに言い負かされてきました。
「負かされてきた=バーサス」ですね。
自分の考えを伝えることが未だに
とっても下手くそです。
口下手だし、回りくどい。
回りくどい言い方をしていると、
まだ話してる途中で相手から
話を終わりにさせられてしまうんです。
最後まで聞いてほしいので、強引に、
負けるものかと口調が少し強くなりながら
話し続けてしまいます。
わたしはなにをしても
人より不器用で時間がかかるので、
「あなたなんかに負けるなんて悔しい。」
と何度も言われてきました。
そのせいで、わたしにだって
あなたより上回るところがあるんだから!と
思ってしまいます。
「バーサスにならない」は私にはとても高い壁。
でも、お互い嫌な気持ちになるのがわかっているから、
私は抜け出したいんです。
どうすれば抜け出せるのか?
(抜け出したい)
<人がバーサスの位置に立つ時>
どんな時にバーサスの位置に立ってしまうのか
を考えると、
自分の今いる場所に、素のままでいられない時です。
バカにされたりなめられたりするんじゃないか
という不安があると、
何とか優位に立って
自分の居場所をそこに見つけないとつらい。
そうなると相手は自分を脅かす存在になってしまうから、
バーサスになってしまうのでしょう。
本来敵でも何でもないはずなのに。
バーサスになりそうな自分を立て直すには、まず
「自分が今安心していられてないんだな」と認めること。
そして相手がバーサスで向かってきたときは、
「そうやって相手も今自分の居場所を
作らざるを得ないんだ」
と受け入れることで、
違う関わりの可能性を見つけられるのではないでしょうか。
バーサスがやっかいなのは、
お互い傷つく上に、
勝ったとしても、優越感の快感に引っ張られて
癖になってしまうことです。
そうなると抜け出すのは難しいです。
相手は自分が安心するための踏み台ではない。
そこからしか関われなかったら、お互いもったいない。
バーサスで自分の安心する場を勝ち取る強さより、
不安も含めてその場にいて、
人と可能性を探る強さの方が、
実もあるし尊い様に思うのです。
(たまふろ)
ズーニーです。
過日、まさに、
何を言っても頭ごなしに否定される経験をした。
私の話を聞いてから反論、ならわかる。
でも、そうじゃなく、
相手はあらかじめ、
「下の者が言ってきたことを聞いたら負け」
「下の者に説得されたら負け」
というモードに、無自覚に凝り固まっていた。
何でこんな姿勢をとるのかなあ?
察するに、
「この人も、この人のいる組織でずっと、
上の人から頭ごなしに否定される扱いを
受けてきたのではないか?」
「自分が下の時は、嫌だ、嫌だ、
あんな大人になりたくない、と思いつつも、
いざ自分が上になったら、無自覚に、
“下に負けたら恥”が刷り込まれていて、
そうするよりほかなかったのかもなあ。」
そんな人に伝えたい。
もしも、組織の中で、
自分と違う意見を持った人が話しかけてきても、
それは、対立ではない。
「チームで2案もある、ということ。幸せなこと。」
2つの考えから、どっちを選んだら、
自分も、相手も、組織全体も、幸せになれるのか。
話し合ったり、必要なことを調べたり、
外の専門家にひろく意見を求めたりしながら、
一緒に、協力して、
決めていけばいいのだと、
私は思う。
「まず、聞こう!」
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無料で聴けます。
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ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!
▲『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。
『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!
『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
――山田ズーニー。
▲『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。
『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!
▲文庫版でました!
あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/
おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!
『考えるシート』文庫版、出ました。
『話すチカラをつくる本』
三笠書房
NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。
『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫
自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!
『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社
『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書
内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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