Lesson939
伸びない心
2019-10-02
いっせいのせい、で何かを教わっても、
伸びない人と、伸びる人がいる。
学びの場で、これやっちゃ伸びないわ、
という「心」の働き、私も、
ついやってしまいがちなのが「2つ」ある。
1つは、
「問題を10問も出された、解かされた、
点をつけられた。」、
「グループをつくらされて、
ディスカッションをさせられた。
黙ってたらグループの人に
“あなたはどう思う?”と聞かれて、
むりやり意見を言わされた。」、
「師匠に、何回もギターを弾かされてる。
できるまで、帰らせてくれない。」、
「先輩に営業に連れて行かれた。
取引先の会社で、何十人もの前に出さされて、
説明させられた、
なんで私がこんな目にあわされなきゃ‥‥」、
というように、
「られた・された」で語る心。
すべて受け身。それも嫌々やらされている
という心が全面に働いてしまっている。
受け身のポジションにいると、自分から動けない。
人から言われるまで待つしかないし、
悪いのは全部人のせいになる、
なんとなく卑屈にもなっていく。
受け身のポジションに身を置いてしまったら、
そこから主体的に動くのは物凄く大変だ。
「心を入れ替えねば」ならない。
そこで莫大な労力を消耗する。
もとから受け身でない人は、
さほど主体的でなくてもニュートラルにいる人は、
そんな心を入れ替える手間いらずで、
さっと、動ける。だから差がつく。
もう1つの伸びない心は、
「まわりはスゴイ人ばかり、
クラスでできないのは私だけ。」、
「みんななんでスラスラできるの、
私だけ場違いなとこに来てしまってるんですけど‥‥」、
「みんなはこういうの平気でしょうけど、
私、みんなと違って、
こういうの超ニガテな人だから‥‥」、
「私だけがニガテ」症候群。
自分は他の人とは違う、特別な存在だと、
それも特別できの悪い存在だと思い込む。
あー、言いながら耳が痛い。
私、これ、完全にやってしまってるわー。
パソコンの操作などを教えてもらう時、
「私、めちゃくちゃ機械オンチなんで‥‥」
「みんなバリバリの理系、
私一人だけ悲しいまでに文系‥‥」
聞かれてもないのに予防線はりまくってるわ、私。
なんで、こういう心が働くのかな?
人とおんなじ座標に並ぶのが恐い。
大人用のプールに飛び込んでクラスメイトと、
いっせいのせいで泳ぎを教わるのが恐くて、
「私だけ」、子供用の浅いプールにいさせるような言葉。
そこにいては、伸びない。
「みんな平気でやってる」、のか、ほんとに?
前の晩に、練習をしてきたんじゃないのか。
分厚い専門書にくらいついて予習してきたのでは。
人知れず、努力を積み上げているのではないのか。
自分だけを悲劇のヒロインにするのはやめよう。
自分以外を「みんな」と一括りにして、表面的に見て、
優秀と決めつけるのも、やめよう。
スラスラできるように見えてる人も、
水面下で努力している。そこを見よう。
先へ行くほど課題も大きくなる。
他の人と平等なスタートラインに着こう。
そして、「られた・された」をやめよう。
「問題10問に挑戦した、解いた、客観評価ももらえた。」、
「グループでディスカッションした。
黙っている人も話しやすいように、
“あなたはどう思う?”と質問してみた。」、
「師匠が根気強く見てくれる、ありがたい。
今日は、できるまで、とことんギターを弾くぞ。」、
「先輩の営業に同行した。
取引先の会社では、何十人もの前で、
実際に説明する機会を得た。学びが大きかった」、
というように、
学びの体験を、「能動態」で語ろう。
伸びない心は、多くの人が持ってしまう。
だからこそ、たった2つやめるだけでも、
「伸びる心」に変わっていく。
仕事でも、勉強でも、趣味でも、習い事でも、
きょう何かを教わるあなた、
「られた・されたで語ってないか?」
「自分1人だけ特別ニガテ、の予防線を
はろうとしていないか?」
あなたは伸びる!
伸びしろのない人などどこにもいない、と私は思う。
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あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
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多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
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まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
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ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
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『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
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内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
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自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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