おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1047
誤解に、学ぶ。
―2.空白をつくらない

「人から誤解されやすい」

私は、通信簿にそう書かれたほど、
誤解されやすい。

小学校の時、

救急箱に消毒液を寄付してくれた女の子がいて、
みんな、その消毒液が“クサイ!”と騒いでいた。

私は、そこに加担せず、傍観者にもならず、
はっきり「臭くない」と言い、陰でその子にミカタした。

にもかかわらず、その子が、
「クサイクサイと言われてツラい」と
先生に筆頭に挙げたのは、

なぜか私の名前だった。

それは以前、「誤解に、学ぶ。」に書いたとおりだ。

高校の時、

私は恋愛に超奥手で、
高校卒業まで1度もつきあったこともなければ、
もちろん手を握ったこともなく、
デートなど1ミリもしたことがなかったが、
なぜか下級生の間で「進んでる」と言われていた。

なんで私なの! なんで! なんで!

と嘆くばかりだった私。でも、

「被害者ぶってなんにもしないのか、私?」

「それとも、誤解を機に学んで、
誤解されにくい体質へと改善していくのか、私?」

と自分の胸に問い、一歩踏み出した。

「そもそもなぜ人は誤解をするのか?」

「自分はどんなとき誤解しやすいか?」

と考えたとき、正解はないけれど、1つ、
自分の経験からこれだけは言える、
というのがあった。それは、

「空白があると、そこに憶測が生まれやすい。」

ということだ。私を含めて人は、
“どうしてなのかわからない”という
空白に耐えられない。

たとえば、いつも笑顔で優しい上司が、
その日に限って、朝から不機嫌だとする。

誰も理由を知らないし、
上司に直接理由をたずねるなんて、
とてもできないピリピリした雰囲気だとする。

“上司がなぜ不機嫌かはわからない”

と空白にしておけばいいことだ。
でも、人は、空白に耐えきれず、
悪い憶測をしてしまう。

「私たちが何かやったんだろうか?」

いやもっと、

「私が、何か上司の機嫌を損ねるようなことを
やってしまったんだ。」

「上司はきっと、この前の私の仕事が
気に入らなくて怒っているに違いない。」

余計な空白をつくらない。

「歯肉炎で、朝から両方の奥歯あたりが
ズキズキして困ってる。
愛想できないけど許してください。」

と、上司があらかじめ伝えておけば、
部下も憶測する余地がなくなる。

「私自身は、空白をつくってないか?」

と考えた時、はっと気づくことが2つあった。

1つは、

他者といても、ひとり物思いに耽ってしまうこと。

書き物をするようになって、
日常のちょっとした人間模様を目にした時、
あるいは会話中に相手が言ったひと言、
テレビから飛び込んで来た字幕、
などをきっかけに、あっ、とスイッチが入って、
そこから思索に耽ってしまうことがある。

これって、一緒にいる人にとって迷惑なことだ。
“なぜ急に黙ったのか、何か悪いことをしたのか”
と不安になってしまう。

2つめは、

意味のない“クール気取り”だ。

もともと人情の温かな田舎に育った私は、
生来の人好きもあって、情濃く人に接していた。

それが東京に来て、うまく通用しない。
東京はいい意味でドライだ。

「私ってウエットなのかな」
「あつくるしく思われていないかな」
「しつこいと思われているんじゃないかな」

故郷で普通に、むしろ親切と思ってやってたことが、
東京では、“人に干渉する” “あつくるしい”
ととられてしまう。そこで、できるだけ、

さらり、さりげなく、接するように努力した。

そうしていれば、
なにかと恐がりな自分にとって、
情濃くぐいぐい行って拒否されることもないから、
傷つかなくて、都合もよかった。

でも、そのせいで、

さらり、を通り越して、
「冷たい」「何考えてるのかわからない」
印象を与えてしまってないだろうか。

ちょうどそのころ、

「嫌いな気持ちはカンタンに人に伝わってしまうが、
好きという気持ちはなかなか伝わらない。
自分では、かなり好きな気持ちを伝えたつもりでも、
相手は気づいてない、
それどころか嫌われてると思っていることも多い。」

ということを聞いた。

他者の目になって私を見たら、
そっけない、急に黙り込む、
憶測を呼び込みやすい空白があることに気づいた。

それから私は、行動を起こした。

ちょうどその頃、コロナ禍も落ち着き、
人に対面することが立て続けにあった。

会った最初の瞬間から、
ひとりずつ目を見て、名前を読んで、挨拶をした。
会えて嬉しい気持ちを、
正直に、表情や態度、言葉で、表すようにした。

「この人のこういうところが凄くいいなあ」、
「助かった」、「ありがたかった」、と思う時には、
極力正直に伝えるようにした。

もちろん、それであつくるしいと思われるリスクはある。

けれど、いまの私にとって、
空白つくって憶測や誤解を呼び込むよりは、
好きなものは好き、いいものはいい、と正直に言って、
ドン引きされたほうがよっぽどいい。

実際やってみたら、
すごくコミュニケーションが円滑になった。

まっすぐ好意を向けても、ドン引きする人はいなかった。

昔の自分は臆病だったな、
もっと好きな人には好きと伝えておけばよかった。

まわりの人が自分を見た時に不安になるような、
余計な空白をつくっていないだろうか。

まずは相手の目を見てしっかり挨拶、
相手の話はちゃんと聴く、
肝心なこと(体調がすぐれない、心配事がある、など)は、
あらかじめはっきり伝えておく、
そんなところから

空白は少しずつ埋めていける!

相手も自分も安心できる、と私は思う。

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お問い合せ 金城学院大学 入試広報部
TEL:0120-33-1791 Mail:nyushi@kinjo-u.ac.jp

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
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山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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