ここからは同じく室内飼いをしている友人に
「どんな暮らしをしているか」
「イエネコのしあわせ観」
などを詳しくうかがっていきます。
ひとりめは旦那様と都内に暮らすUさん。
虎の子「ゆず」は完全室内飼いで、
ニーポンよりも少しお兄さん。
通称ゆずたんと呼ばれています。
- ──
- ゆずたんは何歳になりましたか?
- Uさん
- もうすぐ7歳、人間でいったら44歳。
壮年のオスですね。 - ──
- うちのニーポンとは見た目がそっくりで、
兄弟みたいなんですよね。 - Uさん
- そうそう、背中の模様が少し違うくらいで。
初めて会ったときは双子みたいでびっくりしました。 - ──
- ゆずたんはずっと室内飼いなんでしたっけ?
- Uさん
- 彼はもともと野生なんですが、
今は都内のわが家で完全にイエネコです。 - ──
- 家の外にはまったく出ないですか?
- Uさん
- うん、出ないですねえ。
やっぱり東京でネコを飼うとなったら
クルマが多いから心配で。
ケガしたり伝染病にかかるのもこわいですし。 - ──
- わかります、うちも同じです。
- Uさん
- でもね、外に出さない一番の理由は
「それでも大丈夫」と思うから。
- ──
- といいますと?
- Uさん
- わたしと同じように都内で室内飼いしていて
「外に出さない」と決めている友達がいるんですが、
実際、窓を開けても外に出ないんです、そこのコ。
つまり、そのコにとっては家の中が
「自分のテリトリー」として完結してる。
家の中か外かは関係なしに。 - ──
- ああ。
- Uさん
- たしかに家の中って当のネコにしてみれば、
よそのネコが入ってこない完璧な環境じゃないですか。
だからたぶん、家の中か外かは関係ないんです。
自分のテリトリーが確保されているかのほうが大事で。 - ──
- なるほど。
- Uさん
- うちのゆずも窓を開けると寄ってくるけど、
でも本気で「出たい」って感じはしないですねえ。
開いた窓のところにくるのはくるんですけど、
風を浴びたいからなのか、景色が見たいからなのか。
たまにノラネコも窓の外に遊びにきますし。
- ──
- ニーポンは窓を開けると「チャーンス!」って感じで
ばばばーっと駆け寄ってきますけどね。
だから慌てて窓を閉めます。 - Uさん
- ははは。
ゆずは玄関のドアからも出ないですよ。
以前は玄関に柵をつけていましたが、
どうせ出るときは飛び越えてでも出るだろうと思って、
そのうち柵を外してしまったんですね。
でも出ない。
宅急便のお兄さんが来ても出ません。 - ──
- 必ずしもイエネコは外に出たがるわけではないんですね。
- Uさん
- 思い出したのが、わたしの実家で飼ってるネコ。
そのコは家を建てかえたときに
専用の出入口をつくってもらって、
いつでも好きなときに出入りできる、
かなりフリーダムなネコなんですね。
でも、夜になると絶対に家に帰ってくるんです。
そしてみずからケージに入ります(笑)。 - ──
- すごい、イヌみたい!
- Uさん
- 彼を見てると「家っていいんだろうな」と思います。
部屋はあったかいし、ごはんもあるし。
そう、きっと「家」って感覚があるんですよね。
だって、わたしが実家で過ごして、東京に戻るとき、
身体をすりすりしてくるんですね。
つまり彼なりの「お見送り」をしてくれてる。 - ──
- そっか、Uさんを見送る側の立場なんですね(笑)。
- Uさん
- ネコを飼ってるまわりの友達を見ていると、
それぞれが色んな飼われ方をしていて、
どのコもみんな幸せそうなんですよね。
だからイエネコがどうとか外に出す出さないよりも
一番に考えるべきは、そのコの性格なのかもしれません。
- ──
- ちなみにUさん、今日は旅行中とのことですが、
ゆずたんは誰かに預かってもらってるんですか?
それともシッターさんが来られてます? - Uさん
- いえ、今回はひとりでお留守番させてます。
ごはんは決まった時間にタイマーで出るようになっていて、
「2泊3日まではお留守番」がわが家のルール。
3泊以上になるときはシッターさんに来てもらいます。 - ──
- ゆずたん、2泊までなら大丈夫なんですね。
- Uさん
- でも家に帰ったら彼、怒ってますけどね(笑)。
普段はそんなことしないのに、
玄関に抗議のおしっこを散らかしていたりして。
だから「もうオッサンのくせにおもらしなんかしちゃって」
とか何とかいいながら、全力でハグハグしてあげます。
- ──
- ゆずたんは幸せですねえ。
- Uさん
- と、信じて飼ってますね。
平日は共働きで仕事に出てるから
遊んであげられなくてかわいそうだなあとは思うけど、
旦那に言わせれば「せいせいしてるよ」って。
向こうだって「はー、やっと会社行った、やれやれ」
って思ってるんじゃないかって。 - ──
- ふふふ。
- Uさん
- 休日もネコと人間、お互い好きなことをしてるんです。
気ままな彼は好きなときに膝に乗ってくるけど、
人間だって好きなときに彼をなでまわしてるわけで。
だからわが家は「愛情は注ぐけど干渉はしない」。 - ──
- うんうん。
- Uさん
- 彼はどう思ってるのかわかりませんけどね(笑)。
(つづきます)
様子をチラリのポーズ