- 田中
-
編集者的な見方で、
いま台湾の何を日本に持ってきたら
一番面白いかというところですが、
正直、今は「日台友好」のイベントがすごく増えてて、
もう十分かなと思うところがあります。
- 天野
- 私もそう思います。
- 田中
-
だから、何かを持ってくる側として、
次は何を持ってくるべきかというと、
先ほど言ったビジュアルとか、台湾の食べ物とか、
感覚的に分かりやすいかもしれないけど、
もっと文章とか、翻訳されたものを
これから読もうと思う人が増えてくると思いますが、
その辺はどう思いますか?
- 天野
-
そうですね…二つのパターンがあると思います。
一つは田中さんが言ったように、
観光地は行った、食べ物も食べた、
でもなんかもっと知りたいという人が
本を手に取ってくれることがやはり多いと思います。
だから、歴史ものや小説など重いものではなく、
軽めのライフスタイル系もやっているし、やりたいです。
例えば、『猫楽園』と『店主は、猫』とかは猫の写真だけ
ではなくて、台湾人がどうやって猫と接するかも書いてて、
暮らし方と考え方も分かったりします。
- 田中
-
まさにこういう台湾の魅力が詰まっている本が
いっぱいあるのに、それが読めないです。
だからこそ、天野さんのお仕事が
すごく重要になってくると思います。
- 天野
-
前に比べても、少し広がってくれていますね。
『歩道橋の魔術師』以降は前より本屋さんに
置いて頂けるようになりましたね。
それは非常にありがたいです。
そしてもう一つのパターンは、
この一年に色々宣伝しながら気づいたのが、
本は面白いことに、台湾好きじゃない人も読めます。
- 田中
- ほう。
- 天野
-
台湾ブームはあるけど、それは半分であって、
おそらくもう半分の読者は
「台湾は知ってるけど、別に行かない。
でも本は面白そう。」
という方なんです。
本はちゃんと最初から最後まで、
一つの世界をまとまったものなので、
全然関係ない人も読めます。
台湾のためではなくて、
面白いから読む人が結構多いです。
それは、面白いですね。
- 田中
-
確かにそうですね。
台湾好きじゃない方、台湾に興味なかった方も、
他のキーワードで入ることは大事だと思いますね。