もくじ
第0回プロローグ 2016-12-06-Tue
第1回ボリューミィすぎるサンドイッチ 2016-12-06-Tue
第2回歩き食べのおいしさ。 2016-12-06-Tue
第3回とうとう迷子になる。 2016-12-06-Tue
第4回本当の『銀ブラ』と元祖オムライス。 2016-12-06-Tue

なにを食べるか。
なにを読むか。
毎日この2つで困っています。
書店員だったりイベントスタッフだったり
いろいろやっています。

こまりが行く、はじめての銀座。

こまりが行く、はじめての銀座。

担当・こまり

みなさんにとって、
“銀座”という街はどういう印象なんだろう。

ブティックが並ぶおしゃれな街、とか。
百貨店がたくさんあるところ、とか。
着物姿のマダムが歩いてるよね、とか。
落ち着いた夜の街でしょう、とか。
ある人は、アップルストアや木村屋 総本店など
特定のお店を思い浮かべるかもしれないし、
もしくは、行き慣れて親しみを感じている人も
いらっしゃるかもしれない。

わたしにとって、
“銀座”という街は、
なんども行くのを避けてきたほどに、
緊張してしまう、あこがれの場所だった。

高級とか上品とか、
そういう言葉がそのまま街になっている。

東京にやってきて6年、どうにもこうにも、
“銀座”には、足を踏み入れたことがなかった。

今回、『ほぼ日の塾』の課題に取り組むにあたって、
「いつか行こう」と消極的に思っていた
銀座にいこうと決めた。
というのも、愉快な友人たちが、
『遠隔案内』というよくわからないけど
楽しそうな案内をしてくれるというからだ。
きっとおもしろい一日になる気がしたが、
やっぱり、予想よりもおもしろかった。

かくして、『銀ブラ』のことを、
『銀座をブラブラ』することだと思っていた
わたくし、こまりのはじめて銀座を歩く様子を
エッセイのような、レポートのような、
そんな風にまとめました。

プロローグ

「銀座に行こうと思う」
銀座を敬遠していると公言していたわたしが、
そんなことを言い出したときに、
びっくりした、と連絡をくれた友人が2人いる。

東京ではじめて友だちになった
しおりと島田くんだ。
ふたりとも、生まれも育ちも東京都心で、
ちいさい頃から銀座を知っている。
銀座・初心者のわたしにとって、
ふたりはもう、銀座のプロのように思える。
ちょうど、タイミングがあって、
ふたりと会えることになったので、
銀座のおすすめの場所やお店を
教えてもらうことにした。

こまり
ついに、銀座に行くことを決めました。
しおり
うんうん。おめでとう、でいいのかな?
島田くん
ようやくかあ・・・。
こまり
そこで、銀座のプロのおふたりに、
おすすめの場所とかを教えてもらおうと思って。
島田くん
銀座のプロって。(笑)
しおり
なんかちょっと、しょぼいね。(笑)
こまり
しょぼくないから!
銀座のことは右も左もわかりません。
教えてください。
しおり
うん。それはいいんだけど、
ちょっとおもしろいこと思いついたから、
提案してもいい?
こまり
あ、はい。どうぞ。
しおり
わたしと島田くんで、
あなたのための銀座プランを練る。
島田くん
おお。
しおり
でも、こまりには教えない。
こまり
え!?
なんで、教えてよ。
しおり
最後まで聞いて。
こまりには当日教える。
ひとつひとつ、メールで。
こまり
・・・・・・どういうこと?
島田くん
ああ!
あれだ、司令みたいに
「次は、◯◯にいけ」みたいに
指示案内するわけだ。
しおり
そういうこと。
『遠隔案内』されてまわる、
はじめての銀座。
普通に1人でまわるより
ずっとおもしろいと思わない?
こまり
おもしろそう!やって!!

こうして、わたしの初・銀座は、
ふたりに『遠隔案内』してもらうことが決まった。
ゲームみたいで、楽しそうだ。
それから、たわいもない話していると、ふたりして、
共通の銀座の思い出みたいなものがあると判明した。

それは、お母さんがいつもより
念入りに化粧をし、洋服をえらび、
お父さんが革靴を磨いているのを見て、
きょうは家族で銀座に行く日だって気がついて、
ソワソワした、という思い出だった。

ソワソワ。

ふたりと別れてから、
銀座に行くと決めた日までの3日間。
わたしは、たぶん、
お母さんとお父さんのようすにソワソワしていた
子どもだった彼女たちと同じぐらいに、
ソワソワしていた。

そしてとうとう、
銀座にはじめて出かける日。
白いシャツに紺色のスカート、というのは、
緊張しているときにわたしが選んでしまう
コーディネート。いつもより、きちんと化粧をし、
お気に入りの革のブーツを磨いて、
スマートホンをにぎりしめ、いざ!
わたしは、はじめての『銀ブラ』へ出発した。

第1回 ボリューミィすぎるサンドイッチ