11月15日 AM 9:00
キジ美が顔を見せました。
夜までにまた来るかわかりません。
予定よりは早いけれど
今がチャンスだと思いました。
触られるのも大好きで、
ベランダに面した窓を開けると、
どんどん家の中に入ってきてしまうのを
制止するくらい人なつっこいコです。
キジ美はいつものように、
のどをゴロゴロ鳴らしていました。
捕獲もスムーズにいくような気がして
よいしょと持ち上げました。
案の定、無抵抗でぶらんとしています。
ところが。
ケージに入れようとした途端、
猛烈に暴れたのです。
人間からすればちいさいからだなのに、
全身で抵抗する猫の力は相当なもので、
おさえられませんでした。
ほんとうに甘かった。
わたしの手から勢いよく逃げ
ダーッと走り去り、
こちらを振り返る目は怯えているように見えました。
やってしまった…と
しばらく頭が真っ白になりました。
捕まらない、ということも想定していたはずなのに
いざそうなると途方に暮れました。
すぐに窓を閉めていれば。
もっとゆっくり誘導していれば。
ペットキャリーではなく、
ガチャンと閉まる捕獲器を使っていれば。
一気にたらればが頭を巡ります。
大失敗です。
いくら初心者とはいえ、
もっと想像ができたはずでした。
捕獲もできないし、
キジ美はトラウマで来なくなるかもしれない。
おまけに右手には引っ掻き傷をもらいました。
翌日には病院の予約をしてあります。
ここまで準備を整えて
計画をゼロにしてしまうのも
あまりに中途半端だと思いました。
どうしようと
しばらく呆然としていたら
1時間後くらいでしょうか、
きなこ太郎がやってきました。
自分の母親にそんなことがあったなんて
なんにも知らない様子です。
いずれ、このきなこ太郎も
野良猫のおとなになります。
元気に成長してほしいけれど、
やはり猫がどんどん増えてしまうのは困ります。
よし、予想外だけれど
ここで作戦変更です。
きなこ太郎を連れていこうと決めました。