取材を始める前、
僕は、5人の話には何かしらの
共通項があるだろうと期待していた。
そしてその共通項は、
きっと僕の不安を解消してくれるはずだし、
同時に、このコンテンツの軸になると思っていた。
結論から言えば、
たしかにいくつかの共通項は存在した。
でも、僕の不安が消えることは、まったくなかった。
5人が口をそろえて言ったのは、
将来のことなんて、何ひとつ分からない。
ということだ。
だからこそ、フリーランスは不安だし、
だからこそ、フリーランスは面白いんだ。
将来のアテなんてどこにもないし、
たとえあったとしても、
誰もそこに甘んじてはいない。
そんなことは当たり前のことで、
新しい発見ではないのかもしれない。
でも、これは事実だ。
この事実があるというだけで、
やってみようという勇気をくれる。
以前、ほぼ日の「40歳は、惑う。」という
コンテンツに、糸井さんの
「ゼロになって、ちゃんともがく。」
という文章があった。
僕は、「ほぼ日の塾」で、糸井さんに質問した。
40歳でゼロになるって、どういうことですか?
「それは、簡単なことだよ。
無一文になればいい。
ほんとうに、お金がゼロという意味の無一文。
いきなり海外で暮らしてみてもいいし、
会社を辞めたっていいかもしれない。
でもね、そこまで冒険的じゃなくても、
のそのそとでもいいから歩いて行って、
日々、目の前に出てくるドアに気付くこと。
そして、そのドアをひとつひとつ、
ちゃんとノックしてごらん。
大変だと思うけど、それでいいんじゃない?」
(おわります)