- 潤子
- 今日はよろしくお願いいたします。
- みき
-
こちらこそ、ありがとうございます。
ふたりの仕事の話は、
きっとほぼ日の読者の方にも伝わるだろうと思って
対談をお願いしました。
- 潤子
- まとまるかしら。
- みき
-
それはわたしが(笑)。がんばります。
まず、織ったものを広げてみましょう。
- 潤子
- お里帰りだね。
- みき
-
お互いの初めての作品、これ、やっぱり素敵よ。
潤子さんらしくて。
- 潤子
-
これは玄関の「好きなものコーナー」に飾ってあります。
わたしが好きなものの世界を
ちゃんとバランス良く支えてくれてる感じがする。
- みき
- 最初の作品ってそういうものなのかもね。
- 潤子
- これを超えない気がする(笑)。
- みき
-
そんなことないと思うけど(笑)。
でもきっと、これを根っこにして
螺旋状に回っていくんじゃない?
- 潤子
- そっか。そうかもしれない。深めたり。
- みき
- そこから飛び出てみたり、また逆の世界に行ったり。
- 潤子
-
みきさんの初めての作品は、
わたしにとってはすごく衝撃的で。色使いとか。
- みき
- みんなね、「予想と全然違ったわ!」と、おっしゃってました。
- 潤子
-
この生地がスカートなりバッグなりの
一部に入っていたとしたら、みきさんだな、と思う。
- みき
- まさしくそういうエッセイをふたつめの課題で書きました。
- 潤子
-
ほんとに?
わたし、みきさんいいなーって
この人のこと知りたいな、と思ってた。
今日だって、お会いするのは5回めくらいだもんね。
- みき
-
そうなんですよね。出会って1年と少し。
ワークショップでご一緒して、Facebookでお友達になって。
ついこのあいだ、初めてごはん食べたくらいだものね。
2回めに会った時に
潤子さんが「社団法人作ったの」って言うから。
社団法人ってなにごと?!と思って。
- 潤子
- びっくりするよね。
- みき
-
ワークショップでは一生懸命ひとりで織っているから
あまりおしゃべりする時間はないので。
その頃は、
犬用のおしゃれなごはんを作って売っている人、
くらいしか認識していなくて。
動物とあまり親しくないわたしが想像する限り、
潤子さんと「犬用のごはんを作って売る人」が
どうも結びつかなくて。
- 潤子
- それはなんで、そう思ったんだろう。
- みき
-
手段のひとつとしてごはん、というのはあるでしょうけど
犬と人のために、ほかにもっともっと
やりたい人なんだろうなあと勝手に思っていて。
- 潤子
- それは直感もあり?
- みき
- カンだけです。
- 潤子
- 怖いねー(笑)。バレてた。
- みき
- 合ってたよね?
- 潤子
- うん。合ってた。
- みき
-
そこから少しずつお話ししたり、
Facebookの投稿を読んだりしていると、
犬と人の関係を考えるために、カウンセリングをしたり
お家の内装の提案をしたり
犬の行動を知るために研究したり。
食べることを手段にして
人と犬のための薬膳なんかのお料理教室もされていたり。
こういうものは全部、
なにか根っこがあって螺旋になっているんでしょ?
- 潤子
-
そうなの。結局目指すところはひとつで
壮大に大きいのだけれど、きっと叶うと思っていて。
犬でも猫でも植物でもね、
そういうちっちゃい命を大事にできなかったら
人のことなんか大切にできないと思う。
だから、身の回りにある小さな命に優しくできるような
人づくりを地道にやっていこう、と。
そうすると、たとえば
ご高齢の方だったり、体が不自由な方にも
必要以上に親切にしたり、過大に遠慮するのではなくて、
同じ社会の一員として、
思いやりを持って共生できる社会にきっとなるだろうって。
- みき
-
わたしね、潤子さんは
人は犬のためを思って、完璧に理想的なことができなくても
また別の関わり方がある、ということを
丁寧に提案しているというか。
ありだよね、という範囲が広いと思った。
- 潤子
-
その広い範囲の中で、
わたしの生徒さんは、「ここまでしかできないけれど
そのぶん愛情をこういう形で注ぎます」と
納得して進まれますね。
一生懸命進むことと視野が狭いことは別じゃない?
- みき
- うん。
- 潤子
-
これひとつ、ということだけしか認められないのは
苦しくなるし。
あんまり一途になりすぎないことも大事かなと思っていて。
そういう意味では、ゆるいかも(笑)。
- みき
-
「犬の体にいいごはんを作って売っている」から
わたしがイメージする人物像と比べると、ゆるかった(笑)。
- 潤子
- なるほど。
- みき
- そのあたりを、お話しできたらいいなと思います。
- 潤子
- わたしも、コーチのみきさんのことをもっと知りたいです。