LDKWAREは、永く愛される道具みたいな存在に
なっていきたいと考えています。
ファッションブランドの洋服のように、新作のたびに
あたらしいコンセプトやデザインを発表するのではなく、
変えるところ、そのままのほうがいいところを見きわめて、
そのつど、すこしづつアップデートしていきたいのです。
そこで、3年めのLDKWAREを考えるにあたって、
デビューのときと同じように検討委員会をひらきました。
2018年の“ホームのユニフォーム”を検討してくれたのは、
この6人のかたがたです。
冷水 希三子(料理家)
井出 恭子(YAECAデザイナー)
松本 海央(SHOZO COFFEE STORE)
岡尾 美代子(スタイリスト)
菅野 綾子(ほぼ日乗組員)
黒田 益朗(グラフィックデザイナー)
撮影:長野 陽一
協力:YAECA HOME STORE
パンツがほしい。
- 松本
- あの、わたし、
LDKWAREでパンツがあったらいいなと思って。
- 岡尾
- わたしもそう思ってました。
- ほぼ日
- あ、やっぱり。
実は「ほぼ日」のみんなも、
「パンツほしい、パンツほしい」って言ってて。
- 井出
- トータルコーディネイトっていう意味でいうと、
いまパンツだけないんですよね。
ただ‥‥。
- 冷水
- ただ?
- 井出
- パンツを買ってもらうには、ほら、サイズが。
- ほぼ日
- 通販がメインだから。
- 井出
- そう。
試着しないとわからないかなと思って。
- 黒田
- モンペみたいな感覚だったらいいのかな。
つまり、ワンサイズ。
- 菅野
- ウエストをあんまり気にしないですむような
シルエットでね。
- 井出
- そういうイージーパンツみたいなのだったら、
だいじょうぶなのかな。
- 菅野
- そもそも、なんでみんなパンツがほしいんだろう。
- 岡尾
- フルでコーディネイトできるっていう魅力はありますよね。
- 冷水
- それはあると思います。
- ほぼ日
- あの、「ほぼ日」で着ている人の評価では、
家はもちろん、カジュアルな場でも仕事場でも、
けっこうどこでも着られる幅の広さが、
LDKWAREにはあるんだそうす。
だから、着る頻度がすごく高いんですって。
パンツもきっとしょっちゅう穿けるから、
あったらうれしいって言ってました。
- 井出
- そうか、なるほど。
- ほぼ日
- みおさん(松本さん)はもともと、
どういう感じのパンツがほしいと思ったんでしょう?
- 松本
- いま着ているスモックドレスくらいの丈に合うような、
細身でシュッとしたやつがあったら。
- 井出
- ああ、そうですね。
そういうパンツがあったら、うれしいと思います。
ただ、細身だとやっぱり、
ウエストごとにサイズ展開が必要で、
「どのサイズ買ったら合うのかな」っていうのが
わかりづらくなる気がします。
- 岡尾
- シルエットがシュッとしていれば
それでいいっていう気もするけど。
- 松本
- はい、それでいいと思います。
- 井出
- ちょっと裾がすぼまってるとか?
そういう感じでいいんだったら、
ウエストは紐でしばればだいじょうぶかも。
- 冷水
- そうだよね。
- 井出
- ちょっとYAECAでつくっているのを見てもらいましょうか。
これは、紐でしばるタイプです。
- 岡尾
- すごく楽ちんそう。
- 井出
- リネンも入ってて、楽ちんです。
ちょっと穿いてみてもらいましょうか。
- ほぼ日
- あ、こういうのでぜんぜんいい気もするけど。
よろこばれると思うけどな。
- 岡尾
- でも、みんな、もっとしっかりしたのが
ほしいような気がする。
- 菅野
- 外にもはいていけるパンツとしてね。
- 岡尾
- 生地とか、かたちがしっかりしていて。
- 冷水
- でも、LDKWAREの生地はしっかりしているから、
きれいなかたちになりそうじゃない?
よれよれの生地でイージーパンツにすると、
ほんとに家着っぽくなっちゃいそうだけど。
- 井出
- そうですね、生地がちがっていれば。
- 岡尾
- シルエットはどうですか。
もともと、こういうイメージでした?
- 井出
- もうちょっと細いやつですよね。
- 松本
- はい、でも、穿いてみるとそんなに太くないですね。
- 井出
- そうですね、もものあたりはたっぷりさせているけど、
そんなに太くはないです。
で、どの体型の人でも入る。
- 黒田
- こういうシルエットの場合、サイズはどうなるんでしょう?
- 井出
- フリーサイズでいける気がします。
- 黒田
- だったらいいかも。
- 井出
- これはスケスケのやわらかい生地ですけど、
しっかりした生地にすると、股のところが‥‥。
- 菅野
- ゴワゴワする?
- 井出
- 生地を余らせてるのが気になりそう。
- 菅野
- ゴワッってなっちゃうかな。
- 井出
- もうすこしスッキリさせちゃったほうがいいかもしれない。
- ほぼ日
- あるていど、できるんですか。
- 井出
- できます。
これはかなりたっぷりにしてるので。
だから、シルエットはもうすこしシュッとします。
- 黒田
- いいですね。
ウエストの調節は紐でいいのかな?
- ほぼ日
- チノパンで、たまにゴムになってるのないですか?
ゴム+紐みたいな。
- 井出
- YAECAでもストレッチ素材のパンツだと、
けっこうゴム+紐はやるんですけど、
伸びない生地のときは、ちょっとピリピリが。
- 冷水
- ピリピリ? ひだ?
- 井出
- ひだが出るけど。
モンペみたいな。
- 菅野
- それはそれで、かわいい気が。
- 松本
- かわいい。
- ほぼ日
- そういえば、スーツの量販店で売ってるパンツって、
腰のところでこう、キリキリッて調節できたりしますよね。
- 岡尾
- そうなんですか。
- 井出
- 見たことあります。
- ほぼ日
- プラッチックでできたギザギザがついてて、
キリキリキリッて。
- 菅野
- キリキリ・アジャストベルト。
それだ。
- 井出
- どうしよう、それって特許かな。
- 岡尾
- お金払わないといけない。
- 菅野
- でも、おしゃれかどうかは(笑)。
- 井出
- ミリタリーウェアのインナーなどで、うしろにあるボタンで
ウエストを調節できるパンツがあるんですけど、
それも併用すれば、より幅広くウエストのサイズに
対応できるかもしれないです。
- 冷水
- うしろで調整できるやつ、あるね。
ちっちゃいベルトみたいなので。
- ほぼ日
- なんか、いける気がします。
ものぐさな人にとっても、うれしいパンツになりそう。
- 井出
- では、その方向でデザインを検討してみますね。
(つづきます)
アップデートのポイント その3
フリーサイズで穿ける、
シュッとしたパンツをつくる。
参加メンバーのプロフィール
-
▶岡尾 美代子
シンプルかつ核心をついたスタイリングで、
各方面から絶大な支持を得ている人気スタイリスト。
厳しい審美眼に反する、かわいらしい人柄にもファン多数。
-
▶黒田 益朗
イギリスをこよなく愛する、
グラフィック界随一のダンディ・デザイナー。
本業以外にも、このところガーデニングの仕事が急増中。
-
▶冷水 希三子
いい人感あふれる笑顔が印象的な料理家。
語れば出し汁のごとく、天然おもしろ成分がにじみ出る。
YAECA「プレーンベーカリー」のイベントや企画を担当。
-
▶松本 海央
「SHOZO COFFEE STORE」店長。
毎日たくさんの人でにぎわっているお店の中心には、
どんなときも自然にこぼれる彼女の笑顔がある。
-
▶井出 恭子
YAECAレディスアイテムのデザイナー。
かざらず、自然体で、生真面目だけど、明るくおおらか。
この人自身に、ブランドのイメージが集約されている。
-
▶菅野 綾子
仕事と家庭、二足のわらじが脱げそうになりながらも、
日々走り回る「ほぼ日」の名物編集者。
超人的食欲集団「カロリーメイツ」のメンバーでもある。
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アパレルデザイナー、スタイリスト、料理家、菓子研究家、
ガーデナー兼グラフィックデザイナーに子供のいる編集者。
“ホームのユニフォーム”をつくるため、
6人の勇者が立ち上がりました。
これは、LDKWAREが生まれるまでのメイキング記録です。
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