Le salon de Marie マリーな部屋

「パンがないのだったら、ケーキを食べればいいのに。」と、
マリー・アントワネットは言ったのだそうだ。
どうせ、そういう話はよくできたウソなのだろうが、
ケーキがパンのかわりになると思っているマリーの気持ちが、
もひとつよくわからない。
ぼくは、ケーキを食べて腹をふくらませることなんて、したくない。
マリーはどうかしている。

しかし、とんでもなくお菓子が好きな人間というのは、
ほんとうにいる。ぼくは、そういう人を、ひとり知っている。
しかも、マリーという名である。日本人だ。
彼女は言った。
「わたしは、パンも食べるし、ケーキも食べる」
なんのこっちゃ?

そのマリーは、お菓子のことを語るときと、
お菓子を食べているときだけ
ほんとうに真剣な表情をみせる。怖い。
悪いひとじゃないのだろうが、怖いのはほんとうだ。

そんなマリーが、
「いま、ぜったいにたべるべきお菓子はこれだ!」と
ほんとうに真剣に語るのが、ここ。
「マリーの部屋」なのだ。
わたなべ まり プロフィール
illusttarion koharu

十五夜に、ちいさな大福。

中秋の名月ですね。



今年は、
中秋の名月が、満月と重なるとか。


旧暦の日づけで決まる中秋の名月と
月・地球・太陽の天体での位置で決まる満月とは
一日くらいずれることも多いと聞きます。


去年も、今年も満月と重なったけれど、
来年は重ならないそうです。



今年の夏は、とくに暑さがきびしくて
9月にはいってからも残暑が長引きましたよね。


残りの暑さと書くわりに、
名残りとは思えないくらい本格的な暑さだったり。


やっと少し風が涼しくなってきたかな、と
思う頃の中秋の名月。
ゆっくりですけれど、季節はちゃんとめぐっていて
あと、ふた月もすると初雪の報が届くのかな。



月のはなしばかりになってしまいましたけど、
小さな、小さな、大福です。


めいっぱい包まれている栗が
ちょっと満月みたいな。。。


皮がうすく透けてみえるのは、
お餅じゃなくて
羽二重粉をつかっているからだそうです。
ずっしりとお腹にたまる大福もちというより、
やわらかくて、すっと溶けそうな食感です。


十五夜は芋名月とも呼ばれて
お芋がほくほくとおいしく育つ頃。
芋、栗、かぼちゃ、
深まるにつれ、おいしさも実る季節、
ゆたかな、心地よい秋を過ごされますよう。


わたなべ まり

ちなみに、
大福の大きさは、このくらい。

ぐりというこのネコ、
(毛色がグレーなので)
体型としては中肉中背(っていうのかな?)ですから
けっこう、小ぶりでかわいらしい大福です。



boutique où je l'ai acheté 今回、買ったお店

昼夜の寒暖差が大きいことから、
栗の生育に適しているといわれる岐阜県中津川市。
そこに、昭和二十三年に誕生したのが
栗菓子のお店「新杵堂」(しんきねどう)です。
創業者の田口由松さんは、
「お菓子は必ずや世界で必要な時がくる」と、
日本の菓子を世界へ向けて拡げたいという
夢をもっていたそうです。
この「栗大福 」は、和菓子職人の手づくり。
北海道産小豆を使ったこしあん、
丸ごとやわらかく煮た中津川の栗を。
羽二重餅で包んでいます。


新杵堂

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