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2008-09-01
第1回 仕事を取り替えたりしたっけ
仲畑 その下に着てるの、Tシャツ?

糸井 そうそう。うちの商品。
仲畑 あ、そう。へー。
そういうデザインなの?
糸井 着てみたい?
仲畑 うん。
糸井 じゃあ、送るよ。

仲畑 いや、おれ、買うよ。
インターネットで買えるんでしょ?
そういや、うちの社員たちは、けっこう、
糸井くんとこのもの、持ってるね。
大学出たてくらいの若い子が何人かいるんだけど、
あの手帳、持ってるよ、やっぱりね。
糸井 ああ、そう?
いいことだね。ありがたいね。
仲畑 『思い出』の本は売れてる?
糸井 『思い出したら、思い出になった。』?
うん、売れてるよ。
仲畑 あれ、ええよ。
糸井 ああ、そう。よかった。
仲畑 あれをネタにしてまたしゃべれるんだよな。
いろんな汲み取り方ができる。
すごく、いいよね。そうとう、いい。
糸井 ありがとう。
そういえば、あの本を送ったあと、
めずらしく、おほめのお手紙をいただいたね。
仲畑 うん。あれは、いいよ、すごく。
あの、なんかいい加減なことを
適当にそれっぽく短く書いてる
おっさんの本なんかとはぜんぜん違うね。
糸井 はっはっはっは、
乱暴なこと言うだろう、この人は?

一同 (笑)
仲畑 いや、ほんと、ほんと。
糸井 あの本は、もともと、
ぼくが毎日書いている文章があって、
そこから抜き出してきたものだからね。
ほんとは前後があったものだから。
仲畑 じゃ、あれ、長い文章のなかから、
ある部分をピックアップしてるの?
糸井 そう、そう。
一年間、とりあえず毎日書いてるじゃない。
それをまとめるとそうとうな量になるから、
抜き出すだけでもかなりの量になるんだよ。
だから、いかにおれがふだんから
毎日、コツコツコツコツ、
仕事してるかっていうことさ。
仲畑 ま、もともとそういうことが
おれたちの仕事だからね。
ずっとそういうこと考えるっていう。
飲んだり、話したりしながら、
けっきょくそういうことをやってたわけで。

糸井 そうだね。
仲畑 私はすぐそれを仕事にするんだけど、
糸井くんはあんまりしないんだよな。
糸井 しないっていうか、思いつかないだけ(笑)。
とにかくぼくと仲畑くんは
タイプがぜんぜん違うからね。
なのに、いっしょに行動しているという。
昔、お互いの仕事を交換したこともあったね。
仲畑 ああ(笑)。
糸井 ある晩、ぼくが仲畑くんのところに行ったのよ。
するとね、なんだか面倒な仕事を抱えてると。
なにかって訊いたら作詞なんだ。
「明日までに○○の曲の作詞をせなアカン」と。
仲畑 そうだったっけ。
仕事の内容は忘れちゃってるな。
糸井 で、ぼくはぼくで面倒な仕事を抱えてて。
それはあるお店の広告かなんかで。
お互いそれを面倒くさがってたものだから、
「ちょっと取り替えようか」と(笑)。
仲畑 人の仕事は簡単に思えたんだよね。
糸井 「作詞なら、オレ、すぐできるよ?」
「その広告やったら簡単よ」って。
で、けっきょく、
交換しようかということになって‥‥。
仲畑 うん。
糸井 あれ? けっきょく、どうしたんだっけ、あれ。
仲畑 やったんだけど、お互いに無視したんだよ。
けっきょく、それぞれが書き直したの。
糸井 あ、そうだったっけ?
仲畑 うん。最終的にはふたりとも自分でやったの。
そういうもんなんだよ。
糸井 ああ、そうか。
やっぱり、ちゃんとできないんだよね。
仲畑 ちゃんとやらないというのもあるし、
やっぱりキャラクターが違うってことなんだよ。
だからこそ、いっしょにいたんだろうけど。
糸井 うん。そう、そういうこと。
だから、あれ、ちゃんとお互いに
やってたらおもしろかったろうね。
仲畑 そう。ちゃんとふたりでやったら、
簡単にできたと思うよ。
だいたいわかってるからね、
お互いの好みというか、
こういうなんだろうっていうのが。
糸井 そうだね。あのころは
ひっきりなしに広告の話をしてたしね。

仲畑 夢中なときだったしね。
糸井 してたねぇ。おもしろかったもんね。
仲畑 ちょっとの時期しかなかったけど。
糸井 ‥‥で?
仲畑 ‥‥ん?
糸井 なんか、今日は用事があるんでしょ。
仲畑 うん、まあね。
  (続きます)
  2008-08-22-FRI