仲畑 |
その下に着てるの、Tシャツ?
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糸井 |
そうそう。うちの商品。 |
仲畑 |
あ、そう。へー。
そういうデザインなの? |
糸井 |
着てみたい? |
仲畑 |
うん。 |
糸井 |
じゃあ、送るよ。
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仲畑 |
いや、おれ、買うよ。
インターネットで買えるんでしょ?
そういや、うちの社員たちは、けっこう、
糸井くんとこのもの、持ってるね。
大学出たてくらいの若い子が何人かいるんだけど、
あの手帳、持ってるよ、やっぱりね。 |
糸井 |
ああ、そう?
いいことだね。ありがたいね。 |
仲畑 |
『思い出』の本は売れてる? |
糸井 |
『思い出したら、思い出になった。』?
うん、売れてるよ。 |
仲畑 |
あれ、ええよ。 |
糸井 |
ああ、そう。よかった。 |
仲畑 |
あれをネタにしてまたしゃべれるんだよな。
いろんな汲み取り方ができる。
すごく、いいよね。そうとう、いい。 |
糸井 |
ありがとう。
そういえば、あの本を送ったあと、
めずらしく、おほめのお手紙をいただいたね。 |
仲畑 |
うん。あれは、いいよ、すごく。
あの、なんかいい加減なことを
適当にそれっぽく短く書いてる
おっさんの本なんかとはぜんぜん違うね。 |
糸井 |
はっはっはっは、
乱暴なこと言うだろう、この人は?
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一同 |
(笑) |
仲畑 |
いや、ほんと、ほんと。 |
糸井 |
あの本は、もともと、
ぼくが毎日書いている文章があって、
そこから抜き出してきたものだからね。
ほんとは前後があったものだから。 |
仲畑 |
じゃ、あれ、長い文章のなかから、
ある部分をピックアップしてるの? |
糸井 |
そう、そう。
一年間、とりあえず毎日書いてるじゃない。
それをまとめるとそうとうな量になるから、
抜き出すだけでもかなりの量になるんだよ。
だから、いかにおれがふだんから
毎日、コツコツコツコツ、
仕事してるかっていうことさ。 |
仲畑 |
ま、もともとそういうことが
おれたちの仕事だからね。
ずっとそういうこと考えるっていう。
飲んだり、話したりしながら、
けっきょくそういうことをやってたわけで。
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糸井 |
そうだね。 |
仲畑 |
私はすぐそれを仕事にするんだけど、
糸井くんはあんまりしないんだよな。 |
糸井 |
しないっていうか、思いつかないだけ(笑)。
とにかくぼくと仲畑くんは
タイプがぜんぜん違うからね。
なのに、いっしょに行動しているという。
昔、お互いの仕事を交換したこともあったね。 |
仲畑 |
ああ(笑)。 |
糸井 |
ある晩、ぼくが仲畑くんのところに行ったのよ。
するとね、なんだか面倒な仕事を抱えてると。
なにかって訊いたら作詞なんだ。
「明日までに○○の曲の作詞をせなアカン」と。 |
仲畑 |
そうだったっけ。
仕事の内容は忘れちゃってるな。 |
糸井 |
で、ぼくはぼくで面倒な仕事を抱えてて。
それはあるお店の広告かなんかで。
お互いそれを面倒くさがってたものだから、
「ちょっと取り替えようか」と(笑)。 |
仲畑 |
人の仕事は簡単に思えたんだよね。 |
糸井 |
「作詞なら、オレ、すぐできるよ?」
「その広告やったら簡単よ」って。
で、けっきょく、
交換しようかということになって‥‥。 |
仲畑 |
うん。 |
糸井 |
あれ? けっきょく、どうしたんだっけ、あれ。 |
仲畑 |
やったんだけど、お互いに無視したんだよ。
けっきょく、それぞれが書き直したの。 |
糸井 |
あ、そうだったっけ? |
仲畑 |
うん。最終的にはふたりとも自分でやったの。
そういうもんなんだよ。 |
糸井 |
ああ、そうか。
やっぱり、ちゃんとできないんだよね。 |
仲畑 |
ちゃんとやらないというのもあるし、
やっぱりキャラクターが違うってことなんだよ。
だからこそ、いっしょにいたんだろうけど。 |
糸井 |
うん。そう、そういうこと。
だから、あれ、ちゃんとお互いに
やってたらおもしろかったろうね。 |
仲畑 |
そう。ちゃんとふたりでやったら、
簡単にできたと思うよ。
だいたいわかってるからね、
お互いの好みというか、
こういうなんだろうっていうのが。 |
糸井 |
そうだね。あのころは
ひっきりなしに広告の話をしてたしね。
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仲畑 |
夢中なときだったしね。 |
糸井 |
してたねぇ。おもしろかったもんね。 |
仲畑 |
ちょっとの時期しかなかったけど。 |
糸井 |
‥‥で? |
仲畑 |
‥‥ん? |
糸井 |
なんか、今日は用事があるんでしょ。 |
仲畑 |
うん、まあね。 |
|
(続きます) |