アガるボーダーシャツ レディス篇 女性らしさのある、 おとなっぽくてかっこいいボーダーを つくりたかった。

GRANDMA MAMA DAUGHTER デザイナー 宇和川恵美子さん

《2019年春夏の〈O2〉はこんな感じです》

もしかしたら、このごろボーダーシャツって、
「ラクだから着る」アイテムになってない?
ふとそう感じたことからはじまって、
着たときはもちろん、着る前からうれしくなるような、
「アガるボーダーシャツ」をつくることになりました。
女性向けの「アガるボーダー」をご担当いただいたのは、
昨年の〈O2〉レディスTシャツも大人気、
「グランマ ママ ドーター」の宇和川恵美子さんです。

宇和川 恵美子(うわがわ えみこ)

セレクトショップの店長、バイヤーを皮切りに、
海外ブランド向け素材の企画・プロデュース、
アパレルブランド製品の企画・生産などの業務を経て、
2010年、自身のブランド
GRANDMA MAMA DAUGHTER を設立。
ユーザー目線を反映した、
ゆきとどいた製品づくりで人気を博している。

たっぷりしたシルエットで、おとなっぽく、
かっこよく。

――
どなたにお願いするか、いろいろ迷ったんですけど、
昨年のTシャツやロンTの評判がとてもよくて、
ボーダーもやっぱり「宇和川さんにお願いしたい!」
ということになりました。
宇和川
ありがとうございます。
――
「アガるボーダー」というお題に、
どんなふうにアプローチされましたか?
宇和川
どうだったらアガるかなっていうのを考えたときに、
おとなっぽく、かっこよく着られたらいいなと思いました。
たっぷりしたシルエットで、おとなっぽく、かっこよく。
――
たっぷりしたシルエットが重要なんですね。
宇和川
ボーダーって、ふつうのシルエットにしちゃうと、
どうしてもカジュアルなアイテムになってしまいます。
ちょっと気分をアゲたいときに着るのだとしたら、
ゆったりしているほうが、
女性らしさを表現できていいかなと思いました。
――
ああ、なるほど。
たしかにできあがったボーダーは品がいい感じがします。
宇和川
このシルエットは、実はもともと
Tシャツにネックレス。」のときにつくった
「バックスキッパーTシャツ」をベースにしています。
――
ああ、あのときの!
宇和川さんたちと知り合うきっかけになったTシャツです。
秋吉
あのTシャツの袖をのばしつつ、いろいろ調整したのが、
昨年秋の「レディスライトプルオーバー」で、
それをさらに修正したのが、このボーダーなんです。
――
あそこから派生していったんですね。
知らなかった。
宇和川
「バックスキッパーTシャツ」が、
ずいぶん評判よかったと聞いていたので、
なにかと参考にしています(笑)
――
たしかに、Tシャツもスウェットプルオーバーも、
大人気でした。
たっぷりしていて、女性らしさのあるカットソーを、
みなさん求めていたんですね。
宇和川
そうかもしれません。
――
背中のV字スリットも共通しているし、
宇和川さんと〈O2〉とのちょうどいい接点が、
あのシルエットとディテールにあるのかもしれません。
宇和川
そんな気がします。

宇和川さんならではの背中のV字型のスリット

――
そういえば、さいしょご提案いただいたときは、
もうすこし厚い生地をご希望でしたよね。
宇和川
はい、けっこうハリ感のある厚手の生地で
つくってみたらどうかなと思っていたのですが、
なかなかいい素材が見つけられずで。
だったら、ということで、
〈O2〉レディスTシャツやロングTシャツでも採用した、
「ロータス」を使わせていただくことにしました。
きもちよくて風合いもすばらしい、とてもいい素材なので。
――
結果的に、着られる期間が長い、
べんりに使えるボーダーシャツができた気がします。
宇和川
そう思います。
――
ボーダーの柄は、地色とボーダーが均等ではない、
いわゆるマリンボーダーのタイプになりました。
宇和川
「かっこいいボーダーシャツ」と考えたときに、
シャルロット・ゲンズブールを思い浮かべたんです。
彼女が着ていたのがマリンボーダーだったので、
そっちのほうがいいかなと思って。
――
ああ、あのシャルロット・ゲンズブールのスタイルは、
やっぱり女性にとって、
「かっこいいボーダー」の象徴なんですね。
宇和川
それはもう。
――
あとはやっぱり、背中のVの字スリットでしょうか。
これがあることで、よりほかにはないものに
なっている気がします。
宇和川
このディテール、生き残ってますね(笑)
――
宇和川さんならではのシグニチャー(署名)というか、
魅力あると思います。
宇和川
さいしょ、ロータスの生地でだいじょうぶかなと
心配していたんです。
ペロンとめくれちゃいそうで。
――
ああ、わりと生地がうすいから。
宇和川
はい、ですから、スウェットプルオーバーのときよりは
切れ込みを浅くして、さりげない感じにしました。
――
でも、着るとけっこう目立ちます。
宇和川
後ろ姿は引き立つと思います。
V字のところに肌の色が入るので。
――
そんなにすごく変わったことはしてないけれど、
あんがい見たことない感じですよね。
宇和川
ええ、意外に。

ニュアンスを伝えるのがうまいデザイナー

――
宇和川さんのデザインを拝見してると、
わりとそういう、だれもが抵抗なく着られて、
でもほかにはないものを、つくれるかたという気がします。
宇和川
ほんとですか。
――
とくに意識していない?
たぶん自然にやれるかたなんでしょうね。
宇和川
どうでしょう。
――
“ニコイチ”デザイナーの秋吉さん、どうですか。
秋吉
そうだと思います。
――
やっぱりそうですか。
秋吉
宇和川はニュアンスを伝えるデザインがうまいと思います。
一部の人だけではなく、みんながよろこべて、
しかも、ほかにはない感じのニュアンスをつくり出せる。
――
ニュアンス、ですか。
秋吉
はい、あくまでニュアンスで伝えて、
「絶対これがいいから」みたいに言い切らない。
宇和川
たしかに、わたしのデザインは、
「ぜひ見てください!」という、つよい感じではないかも。
――
そのへんの声高じゃない感じが、
ぼくらがこの〈O2〉でやってることと、
相性がいい気がします。
宇和川
声高じゃないです。
「ほかとはちょっとちがうから、よかったら見てみて」
くらいの感じじゃないでしょうか。
――
押しつけがましくないから、
長く着られるということもあるでしょうね。
宇和川
そう言っていただけるとうれしいです。
――
できあがりはどうですか。
宇和川
いや、すごく思っていたより清潔感があって‥‥
ちょっと言葉がおかしいですね(笑)
とにかく、かっこよくできたなと思います。
――
それを聞けてよかったです。
きょうはありがとうございました!

(おわりです)

レディスVボーダー
各¥8,100(税込)

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