白井さんと佐伯さん、春のFIROを語る この春は、魔法のカットソーが大充実。 あたらしい素材も仲間入りします。

《2019年春夏の〈O2〉はこんな感じです》

どんな体型の人が着ても体の線をひろわず、
まるで着ていないかのような肌ざわりがたのしめる、
魔法のカットソー「FIRO(フィーロ)」。
実物を見たり試着できないこの〈O2〉の売り場で、
なぜかあっというまに完売してしまうのも、
もしかしたらフィーロの魔法なのかもしれません。
より充実した2019年春のラインナップについて、
代表の白井さんと、スタイリストにしてフィーロ愛好家の
佐伯敦子さんに語っていただきました。

白井 賢治(しらい けんじ)

有限会社フィーロ代表取締役社長。
大手アパレルメーカーにてニット製品の素材開発、
商品企画、MDなど幅広く経験したのち独立。
1998年にブランド「FIRO BIANCO UNO」を設立。
40年以上、素材と向き合った経験を活かし、
ベーシックかつ肌ざわりがいい商品をうみだしている。

佐伯 敦子(さえき あつこ)

スタイリスト。
編集、パリ在住経験を経て現在に至る。
美意識の高さや鋭い審美眼で、
各界のクリエーターはもちろん、
モデル、女優からの信頼も厚い。
「ほぼ日」では「CINÉ & TRAVEL」シリーズの
デザイン監修も努めていただいています。

――
フィーロ、すっかり定着しましたね。
佐伯
白井さんのオタク度がきっと伝わったんですよ(笑)
白井
あのう、自分がいいと思わないと、
人にすすめられないんですよ、性格的に。
100パーセントじゃなくても、
「これだったら絶対ほかよりいいし、いままでにない」
と思えれば、自分のことばで言える。
それが伝わってくれたのかなと思うんですけど。
――
白井さんご自身がサンプルを毎日着て寝ていらっしゃる
なんていうのも、信用につながっているのかも。
白井
あの、どこか臆病なところがあって、おっかないんですよ。
なにかあったりして、クレームをいただくのが。
佐伯
リピーターのかたも多いでしょうしね。
白井
そう、リピーターのかた多いんです。
だから、気が抜けないです。こわいです。
――
今回も、ちゃんと白井さんがいいと思ったものばかりです。
ひとつずつ紹介していきましょう。

FIRO

ロングカーディガン

¥37,800(税込)

FIRO

ショートカーディガン

¥28,080(税込)

――
昨年はショート丈だけでしたが、
今年はロングバージョンが出ました。
白井
うすくて、かるくて、たためばちっちゃくなるから、
どちらも絶対べんりなはずです。
佐伯
ブランケットみたいにできますよね。
――
ああ、なるほど。
佐伯
フィーロのキャミソールの上からはおれば、
うすく重ね着とかもできそう。
白井
そうか、キャミソールの上に。
佐伯
ロングのほうは丈があるので、
ワンピースの上にはおるのにも、いいかもしれない。
――
そういえばどちらも、
前立のテープがグログラン素材にかわりましたね。
佐伯
より繊細になって、いいと思います。
――
うん、洗練されてる。

FIRO

ビッグTシャツ

¥23,760(税込)

白井
真夏にこいうのをガバッと1枚で着て、
あとは下にスパッツなんかはいたら、
それがいちばん涼しくて、いいんじゃないかと。
佐伯
ああ、べんりでしょうね。
白井
1枚で着たらぜったい気持ちいいし、
お尻も全部かくれちゃうし、ラクにすごせる。
暑いときに重宝すると思ってつくりました。
佐伯
体が泳ぐから。きっと涼しいですよ。
――
濃い色だから、あまり透けないのもいいですね。
ちなみにこれは、素肌に着るもの?
それとも、この上に何かはおる感じですか?
佐伯
1枚でも、カーディガンとかはおっても、
どちらでもだいじょうぶだと思います。
――
いいですね。これ、人気が出そう。

FIRO

ショートスリーブカットソー

¥17,280(税込)

FIRO

ロングスリーブカットソー

¥19,440(税込)

――
このアイテムは昨年から継続です。
白井
うちの姪が去年こどもを産んだんですけど、
暑い時期にちょうどお腹が大きくて、
「着るものがない」って言うので、半袖をあげたんですよ。
――
ええ。
白井
ふつうのサイズだったんですが、
まったく問題ないって言ってました。
佐伯
それくらい伸縮性があるんですね。
白井
姪っ子とそのとお母さんに1枚ずつあげたんですけど、
そしたら、「娘がぜんぶ着ちゃった」って、
お母さん怒ってるんです。
佐伯
ふふふ。
白井
「持って行かれちゃった」って。
この素材は、それくらい着やすいんだと思います。
「毎日着てた」って言ってましたから。
――
もう、そのエピソードがあればじゅうぶんですね。
ちなみに、いままで出てきたアイテムは、
ぜんぶおなじ素材なんですよね?
白井
そうです。
「ハイブリッドラマ」といいます。

FIRO

タンクトップ

¥12,960(税込)

佐伯
シャツを着たりするときに見えないほうがいいから、
今回、襟ぐりをすこし深くしていただきました。
白井
1.5cmくらい深くなっています。
佐伯
これはほんとうに、1年中使えるんですよ。
インナーとして、すごく気持ちいいから。
白井
この素材は、肌に近ければ近いほど気持ちいいですから。
汗を吸ってくれるし、はやく乾いてくれるし、
しかも自然の素材なので、それがずっとつづきます。
――
佐伯さんも着ていらっしゃいますか。
佐伯
1年中着ています。
冬でもセーターの下とかに着ると、あたたかいですよ。
うすくて響かないし、あとは、ほんとうにお洗濯がラク。
白井
ラクですよね。
――
ベージュは佐伯さんが見つけた
「いちばん透けない色」に染めた、特注カラーです。
佐伯
ベージュは仕事にも、すごくべんりなんですよ。
――
あ、モデルに着てもらう?
佐伯
そうそう。
たとえば白いレースの服の下に白い下着だと、
レースがよく見えなくなるでしょう?
そういうときにこれを着ると、
レースもきれいに見えるし、透けない。
白井
はあ、なるほど。
佐伯
真っ白いシャツを着たときなんかも、
インナーに着てもらったら、ぜったい透けないもの。
素肌に着ているように見える。
――
これ、浸透するといいですね。

FIRO

ハイブリッドラマⅡ フレンチスリーブ

¥18,360(税込)

FIRO

ハイブリッドラマⅡ メンズカットソー

¥18,360(税込)

――
今回はじめて登場する、あたらしい素材です。
II(ツー)というからには、
ハイブリッドラマに似てるんですよね?
白井
基本的に原綿はいっしょです。
糸の太さがハイブリッドラマの倍で、
それをハイブリッドラマと同じゲージで編んでいます。
――
つまり、きつめに編まれている?
白井
そうです。
ハイブリッドラマはうすいから、
白なんかだと透けが気になるので、
透けないものをずっと探していました。
佐伯
それでこれに出会ったんですね。
白井
はい。
ハイブリッドラマよりハリがあるでしょう?
でも、落ち感もちゃんとある。
――
たしかに独特の風合いですね。
白井
ハリのある素材っていうのはいくらでもあるんですけど、
同時に落ち感がある素材って、ないんです。
ぼくは自分がためして「うわぁっ」と思った素材だけを
あつかうようにしていますが、これもそうでした。
佐伯
そう言われると説得力ある。
白井
着るとやっぱり、きれいに見えるんです。
落ちがあるし、ほどよく光沢もあるし。
――
ちょっとシルクみたい。
白井
そうなんです。
ハイブリッドラマといっしょで汗の吸収はいいし、
もちろん乾きもいいです。
佐伯
透けにくいのも、いいですよね。
男の人も抵抗がないかもね。
――
うん、ほしくなります。
女性にとって、ハイブリッドラマとハイブリッドラマIIは、
使い勝手がちがうんでしょうか。
佐伯
ハイブリッドラマはインナーとしても着られるけど、
II(ツー)はトップスとして着る感じなのかな。
――
ああ、トップスとして。
佐伯
II(ツー)のほうが、よりTシャツっぽいじゃないですか。
ハイブリッドラマは、やっぱりうすくて
やや心もとない感じがあるから、
それが気になる人には、IIはいいと思うんです。
――
そうかそうか。
佐伯
ハイブリッドラマはフィット感があるけど、
これはストンという感じの落ちかたをするだろうから、
見えかたもけっこうちがいそう。
いずれにしろ、着てみたくなりますね。
――
いやあ、気になります。

FIRO

ギザコットン ショートスリーブカットソー

¥19,440(税込)

――
さいごはフィーロらしくないともいえる、
問題のアイテムです。
白井
「ギザ87」というエジプト綿を使ったTシャツです。
佐伯
ギザ。
――
キザじゃなくてギザ。
白井
いまエジプト綿では最高峰と言われていて、
出回る量がとてもすくないんです。
佐伯
貴重なものなんですね。
白井
糸にめちゃくちゃツヤがあります。
すこしシルケット加工をかけて、さらにスムースという、
文字どおりスムースな組織に編まれているので、
もう、とんでもなくなめらかになっています。
――
なんだかすごいですね、存在感が。
佐伯
スーツの下にも着ていけそうな、
いわば、ちょっとフォーマルなTシャツですね。
白井
品よく着たい人には、とてもいいと思います。
佐伯
伸縮性がね、ほかのにくらべると、そんなにない。
――
そこがフィーロらしくない(笑)
佐伯
でも、これはそれでいいと思うんです、別に伸びなくても。
夏にシルクのブラウスの代わりに、
Tシャツを着るっていう感覚で。
――
そういう変わり種として、量はすこしだけど、
紹介させていただくことにしました。
というか、なんか存在感ありすぎで無視できなかった(笑)
佐伯
この春はずいぶんいろいろ出ますね。
――
みなさんにちゃんと受け入れてもらえることを祈ります。
白井さん、佐伯さん、ありがとうございました!

(おわりです)

シェアする