伊藤 | 初めてネックレスを買いに来て 迷われた方にはどうやってお勧めしてますか。 |
向井さん | まずだいたいひと粒7ミリ前後が人気のサイズですよ、 とお伝えします。あとは、 ちょっと失礼な言い方ですが、ご予算なども。 |
伊藤 | そうですよね。そうでした。全然違いますものね。 |
向井さん | 色はお好みなんですが、わりと皆さん、 ほんのりピンクがかったお色をお好きな方が多いですね。 ここの照明ですとかなり色の違いが出やすいんですが、 お着けいただいたり、あとはお外の自然光でご覧になると、 ここまでの色の違いは出て来ないかとは思うんですが。 |
伊藤 | 私も、ぜひつけさせていただけますか。 |
向井さん | もちろんです。このへんのサイズでいきましょうか。 もう少しピンクが強いもの。 7ミリから、センターが7.5ミリぐらいになります。 同じ大きさに見えるんですが、 まったく同じ大きさで揃えてしまうと、 目の錯覚で中央がちょっと小さく見えてしまうんですね。 |
伊藤 | じゃ、ちょっとずつ違うんですか。 |
向井さん | そうなんです。後ろと前とで 0.5ミリだけ差をつけてます。 どこのお店のネックレスも じつはだいたいそうなってるんです。 |
伊藤 | エッ、そうなんですか! |
向井さん | 同じように見えても、じつは真ん中がすこしだけ ボリュームアップしてます。 |
植野さん | ミキモトでは、ネックレスの真珠の美しいつながりを 「連相」と呼んでいます。 「連相」がうまくいっていないというのは、 たとえば色が違っている、 大きさがちぐはぐということです。 真珠を選別する専門の者がていねいに、 いちばん美しい連なりに見えるようにしています。 |
── | そのプロの人はどこにいらっしゃるんですか。 |
植野さん | 鳥羽におりますよ。 |
向井さん | こちらが基本の長さです。 チョーカータイプと呼んでいます。 留め金を入れて400ミリぐらいです。 鎖骨に少しかかるぐらいの長さ。 今日の、お襟が少し浮いてらっしゃるお洋服ですと、 ちょうどよろしいと思います。 |
植野さん | 可愛いですね。 |
向井さん | 全身をごらんください。 |
伊藤 | 普通にできそうですね、ほんとに! |
向井さん | そうなんです。冠婚葬祭じゃなく、ぜひふだんの装いに。 |
伊藤 | そうですね。だんだん着けられるような年齢になりました。 |
向井さん | とてもいい大きさです。 |
伊藤 | ちゃんとバランスを客観的に見れるお客様は‥‥。 |
向井さん | なかなか客観的な方は多くはないかもしれないです。 |
伊藤 | いっぱいあるから迷っちゃいますものね。 |
── | 見るのと似合うのは ちょっと別だったりするじゃないですか。 |
伊藤 | そうそうそう、たしかに。 |
向井さん | どこかで迷われたら、ご用途をおたずねします。 「いや、そうは言ってもふだんは使わないわ、 私はもうフォーマルな時しか」ということでしたら、 少しサイズを大きくしておかれても。 せっかくだからふだんも 頻繁に使いたいということで、 同じような価格帯でお迷いでしたら、 少し小ぶりのほうで クオリティーをアップされたらいかがでしょうと お勧めしたりとか。 |
伊藤 | そうですよね。 嬉しい。真珠ってきれいです。 |
植野さん | チョーカータイプのネックレスを選ばれるときは、 こういった襟の開いているお洋服でいらしていただければ 当ててご覧になりやすいと思います。 |
向井さん | そうですね、またそうすると、 秋冬、たとえばタートルネックのニットとか、 極端に分厚いニットでなければ、 セーターの上からでもお使いいただけると思います。 |
伊藤 | それも可愛いですね。 丸首のニットとかも可愛いでしょうね。 |
向井さん | もし、たとえばフォーマルな場面に 行かれる首のつまったお洋服ですと、 中心がえりの下に潜ってしまって、 ちょっと‥‥というときは、 お品物をお持ちいただければ、少し珠(たま)をはずして、 その時だけ短くお作りすることもできます。 ミキモトのネックレスでしたら、 糸替えは何度でも無料で承っていますし。 またパーティーが終わって、 秋冬のタートルに使うんだという時は、 そのはずした珠をもう一度お持ちいただければ、 足して、もとの長さにすることができます。 お預かり、約1〜2週間ぐらいしますけども、 そういった長さ調整は無料でしていますので。 |
伊藤 | じゃ、けっこう思い切ってぴちっとしたいんです、 みたいな時でも。 |
向井さん | はい、今度はパーティーに向けてチョーカーにとか。 そういった意味で、ロングだと襟ぐり関係なく、何でも。 |
伊藤 | たしかに三重にしても! |
向井さん | 結んだりとか、襟が立っているようなシャツの上でも 着けることができますね。 |
伊藤 | ありがとうございます。すごい。 なんかもじもじしちゃって。 |
植野さん | 最初から着けてらした感じですよ。 |
向井さん | さすがです。 |
── | すばらしいですね。 たぶんこれでレストランに行ったり、 空港やホテルのチェックインカウンターなどで、 上等な対応を受けられるような気がしますよ。 「この人にちゃんとしなきゃ」って思いますもの。 |
伊藤 | そうかな?! |
向井さん | ピアスと一緒に着けるときは、 ネックレスよりもピアスを気持ち大きくされておくと バランスがいいですよ。 ネックレスは連なって迫力出ますけど、 ピアスはひと粒ですから、 同じだとちょっと小さく見えてしまいます。 |
伊藤 | ふむふむ、ピアスとかイヤリングの時は大粒にすると。 3連にしてみてもいいですか。 |
向井さん | 3連にしてみましょう。 無造作な重なり方も、すごく素敵な着け方です。 お鏡ご覧になりながら、ご自身でするするっとどうぞ。 |
伊藤 | 3連にした時のこの長さがすごくいい! |
向井さん | ですよね。 |
伊藤 | 欲しくなってきちゃった、きゃーっ。 |
向井さん | もう少しお行儀よくすることもできますので。 |
── | そうとういいですよね。 旅行に持ってくと、かなりバリエーション、使えますね。 |
伊藤 | たしかに。昼間はカジュアルに1連で、夜は重ねて。 |
植野さん | 夜のパーティーシーンとか、すごくお顔が華やかに。 |
伊藤 | ほんとうに変わるんですね。 へぇ、はぁーっ。 |
── | 伊藤さんがなんだかポーッとしてしまいました。 (研究所編につづきます!) |
2014-04-02-WED
取材協力:ミキモト 写真:有賀傑 |
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