Lesson996
読者の声 ― 頼るチカラについて
2021-02-17
頼るのがヘタな私。
「人に出してもらった金で何をやってもモノにならん」
と教えられて育って来た。
いまやクラウドファンディングなど、
「うまく頼って、その先へ。」進む姿が美しい。
困った時は甘えていい。
私たちには、頼るチカラがある。
先週のLesson995「頼るチカラがある」に、
読者から素晴らしいお便りが届いた。
心温まる・心豊かになる!読者の声を、
さっそくお届けしよう。
<悩んだあげく、頼った人は>
夫の診療所を手伝っています。
毎月、夫がまとめたレセプト(医療報酬)を、
国民保険と社会保険、
それぞれの事務局に送るのですが、
年末、いろいろ疲労が重なっていて、
うっかり逆に送ってしまいました。
既に締め日ギリギリ。
1日でも遅れたら、翌月の扱いになってしまいます。
例外は許されません。
診療報酬が収入源の私たちには、大打撃です。
診療所の家賃、光熱費、ローンの返済、
そして従業員のお給料。
診療所がまだ軌道に乗っていないため、
貯金もなく、すぐに現金化できる資産もありません。
すべて私の責任です。
消費者金融しか思い浮かばず、
悩んだ挙句、
実家の母に電話をしました。
現在80歳の母は、
実家で1人で認知症の父を介護しています。
母1人に介護を任せてしまっているのに、
こんな身勝手な相談をして良いものか、
それに、母に助けてもらえなかったら、
無駄に心配をかけるだけになってしまうし‥‥と、
迷いに迷っての相談でした。
しかし母は、
「全額貸したるで! ただし、
我が家の全財産やから、すぐに返してや〜!」
と、豪快に笑って答えてくれました。
さらに、
「こういう時のために、親はおるんよ。
あんたは、もう何も心配せんでええのよ。」
と言ってくれて、情けないのですが、
電話口でポロポロ泣いてしまいました。
結局、ありがたいことに、
国保と社保の事務局の方が
データを交換してくださり、
お金を借りずに済んだのですが、
あの時ほど、親の有り難さを
感じたことはありませんでした。
思い切って頼ったことで、親も
「まだ役に立つことがあって良かった。」
と言ってくれました。
私も、親に頼ってもらえる、
しっかりした娘でいたいと思います。
(もつ)
<その人のチカラ>
前の職場で、私は、誰にも頼らず、
一人でいろいろ抱え込んでしまって潰れました。
いまは、障害児者施設で働いています。
私がお世話している障害児者さんは、
「ここをこうして欲しい」と言います。
言葉で表現できない人も、
私たちのケアを受け入れてくれます。
そうやって他人にしてもらって成し得た行為は、
その人の「能力」なのだなぁ
と最近思います。
周囲を動かす、してもらうことを受け入れる
ことの強さを感じるのです。
誰にも「助けて」と言えずに潰れた私より、
この人達の方がよほど強い。
「頼るチカラ」を持っている。
「障害」は、
個人の心身機能の障害と、
社会的障壁の相互作用によって
創り出される(社会モデル)という考え方があります。
車椅子が必要な人がいても、
それで全く困らない世の中になれば、
それは「障害」ではない、という考えです。
「頼り、頼られる」
が循環していけば、互いが互いを補い合って、
「障害」自体なくなるのではないか。
そんなことを思ったLesson995でした。
(Y.A)
「そうして人に頼って成し得たことは、
その人の能力。」
素敵な考えだなあ!
確かに、編集者時代、
新人が「どうしてもこの企画をやりたい」というが、
知識も技術も経験もまるでないので、
結局、直属の先輩がダメ出ししたり、
手を貸したり、しまいにはもう
先輩自身が引き取ってやり直したりしていた。
見ている私は、
「これじゃいつもの先輩がメインで、
新人がサブについてるモノづくりとまるで
変わんない」
と思ったけれど、
そうして新人が頼って、頼って、
先輩を頼りまくって成し得たものは、
いままでの編集部にない新しいもの、
その新人の能力そのものだった。
「周囲を動かす、
してもらうことを受け入れる強さ」
この4月には、あちこちの職場に、
そんな強さに満ちた新人がやってくるんだろうなあ。
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編集・ライター養成講座20周年記念講座
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『おかんの昼ごはん』について話しました!
録音版をぜひお聞きください。
●「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日〜)
インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
(MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
または、iTunesからのダウンロードとなります。
ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!
▲『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。
『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!
『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
――山田ズーニー。
▲『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。
『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!
▲文庫版でました!
あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/
おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!
『考えるシート』文庫版、出ました。
『話すチカラをつくる本』
三笠書房
NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。
『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫
自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!
『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社
『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書
内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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