おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1051
90日で人は変われる

実は昨日まで90日間、
ダイエットというものをやっていた。

結果から言うと、私と家族と、
合計2人で、合計マイナス11.5キロ。

目標達成!それだけではない。

それまで職場で、
仕出し弁当を昼食にしていた家族は、
玄米や魚や野菜などを主に栄養バランスのよい
手作り弁当を毎日持っていくようになった。

食習慣が劇的に改善された。

お酒からも離れた。

やめたわけではないが、
あとしばらくすると私は、90日間、
お酒を一滴も口にしない生活になる。

90日で人は変わる。

見た目も変わる。習慣が変わる。
意識も、考え方も、生活も変わる。

「健康のためにもう少し痩せたほうがいいのに」
「健康のために少しお酒をひかえたらいいのに」

と自分や家族に対して思っている人は多いが、

「やろうやろうとして、ずっとできない」
「わかっちゃいるけど、やめられない」

そこからいっこうに踏み出せない人も多い。
わたしもそんな一人だった。

「今回なぜ踏み出せたのか?」

「90日間ザセツせずに続いた秘訣は何か?」

実体験からわかったことをお伝えしたい。

………………………………

はじまりは、母の、このひと言だった。

「おとうちゃんは、どうしてこうなったんかなぁ。」

父が無くなる一ヵ月前のこと、
母は父の長い長い闘病生活を想い、
心の底から絞り出すように言った。

「どうして」という問いが凄まじく私に響いた。
揺さぶられ、直感がはしり、やがて、
ひとつの答えが私の中で像を結んだ。

「習慣。」

父に、晩酌のよい習慣をつくってあげられなかった。
私は、してもしかたがない後悔にさいなまれた。

父は94歳という天寿をまっとうしてくれたけど、
もう少しお酒をひかえていれば、
健康寿命はもっとのびたはずだ。

「最近どうも晩酌の酒量が増えた‥‥、
そのせいかどうも太ってきたんじゃ‥‥、
そのせいか健康診断でひっかかることが増えた」

そんなふうに家族や本人が気づいた時こそ、
習慣の変え時。

この時点なら体力も気力も充分あり、
主体的に新しい習慣づくりを楽しむこともできる。

しかし私も含め多くの人は、
「今とりたてて病気になってるわけではないし、
とりあえず元気にしているからいいか」
とスルーしてしまう。
スルーできなくなった時は、体を壊した時。
習慣を変えようにも、もう遅い場合さえある。

母の「どうして」を聞いたのは、
この5月、ゴールデンウィークのことだった。

コロナ禍、2年連続でゴールデンウィークに
帰ることができず、久々に帰省をしたところ、
家族のひとりが、

「最近どうも晩酌の酒量が増えた‥‥、
そのせいかどうも太ってきたんじゃ‥‥、
そのせいか健康診断でひっかかることが増えた」

になっていた。
コロナ前に会った時とは別人のように大きくなった
胴まわりを見て戦慄が走った。
負の予感に押し潰されそうだった。

メタボで胴まわりが1センチ増えたら
寿命が1年‥‥なんて悲しい噂も聞く。
もうこれ以上、大切な家族を失いたくない。

「健康のためにもう少し痩せたほうがいいのに」
「健康のために少しお酒をひかえたらいいのに」

それがすんなり言えて、あっさり通ればいいけれど、
そうはいかない。本人も気にしているだろうし、
それを人から言われれば腹も立つだろう。

伝え方を間違えて、一度相手の機嫌を損ねたら、
以降、何を言っても聞いてもらえなくなる。

私は考えた。

毎晩、お酒やダイエットの情報を集め調べては、
どう伝えたら、相手の自尊心をくじくことなく、
想いが伝わるかと。

ゴールデンウィークも終わり、
とうとう私が東京へ立つ日の前夜、
私は家族に三つ指を突いて、
頭を下げて、お願いがある、と頼んだ。
急にあらたまる私に、家族は何事かと驚いた。

「私がコロナ禍に太ってしまい、
やってみたいダイエット方法がある。
でも、ひとり孤独には頑張れない。
ダイエットにまつわる苦しみ、喜び、
さまざまな想いを誰かと分かち合いたい。
だから私と一緒にダイエットをやってください。」

その想いに嘘はなかった。そして心根に、
父にしてあげられなかったことを、
私自身に、残された家族に、していくことこそ、
父に対する唯一の償い、という想いがあった。

この想いこそが、
いままでやろうやろうとして踏み出せなかった
私の一歩を押し出した。

そして、想いは通じた!

そうして私と家族は、
スマホのアプリで、東京と故郷を結んで、
毎日の体重や食事の写真などを共有し合い、
90日間、コツコツコツコツ、
ダイエットという名のもとの、
新しい生活習慣づくりにいそしんだ。

同様に、「これから人生100年時代の健康
を考えて、私がお酒とどう付き合っていくかを
見直したい。だからお酒の勉強に
つきあってください」と頼んだ。
毎週月曜日の1時間を、お酒についての
勉強にあてた。

90日間ザセツなく続いた理由は、

ダイエットは、3勤1休という方法で、
3日がんばったら1日休む、
休みの日は好きなものを食べていい、
言わば三日坊主を90日間続けるもの。
3日たったら1日のザセツが予め織り込まれた
ような方法だから苦も無く続く。

お酒の勉強は、目からウロコの連続で、
知れば知るほど飲む気が起こらなくなった。
「正しい理解」が続いた秘訣だ。

正直、私にとっては、とっかかりのところ、
家族を説得して始めるまでが大変で、
ものすごく考えて、チカラの9割はそこに注いだ。

「人を説得するには、自分が説得されること」

今回の体験でつかんだことだ。

相手を説得する前に、まず私が説得されているか。

相手に「これがいいよ」と説得する前に、
まず自分自身が「これがいい」と説得されているなら、
相手にやれ、ではなく、「自分がやる」はずだ。

「自分がやるという説得」は、
いまからふり返れば、それなくして通じなかった。
自分を棚にあげて、相手に変われ、
が説得力を持つはずもない。

90日間で人は変われる。

心も体も思考も未来も前よりずっと自由になった。

90日前に蒔いた種が花を咲かせた気分だ。

新たな90日後に向かって、
いま、どんな種を撒こうか楽しみだ。

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たくさんのお申込みありがとうございました。

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編集・ライター養成講座20周年記念講座

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山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
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(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
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会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
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他ならぬ私をわかってほしい。

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かけがえなく必要とされたい。

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やっとそう気づいた私は、
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いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

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お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

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2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

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自分を知り、自分を表現することができる。

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山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


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postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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