祭壇はミラーボールの下
見たこともないような美しいものが目の前に現れたとき、
ためらわずまっすぐに手を伸ばせる人は、
どれだけいるだろうか。
人は貧しくなると、美学を捨て、プライドを捨て、
役に立たない欲望を捨てる。
もっとも豊かなものから順番に捨てていく。
まるで、ただ楽しむだけのことを、
美しさにひれ伏すことを、
快楽の前に自我すら失いそうになることを、
タブーであるかのように扱い、
「実用的な役に立つこと」だけをとても大事にしていく。
それが普通なのかもしれない。
でも、そんな些細なきっかけから、
イマジネーションや、
最高の未来を想像する力は奪われていく。
それはまるで、
自分の輝きを自分で殺していくような行為に見える。
美しいものが、歪んでないものが、快楽的なものが、
そんなに怖い?
魅了される瞬間が、そんなに怖い?
自分が持っていない
「自由」という輝きを持っている人を見るのが、
そんなに怖い?
なにも損なわれずに自分のまま、
最高の表現をしている人を見るのは、怖いですか?
圧倒的なものの前には、
その恐怖すらただのスパイスにしかならない。
いつもどこかで鳴っているSeihoの音楽を、
見て、聴いてほしい。
美しいもの、圧倒的なものに
全力で両手を伸ばせる自分を取り戻すために。
溺れて、めちゃくちゃになって、
賢く立ち回る自分を見失って、
全身で快楽的なものを感じ取っていた
純度の高い自分をこの手に取り戻そう。
祭壇は、ミラーボールの下にある。
雨宮まみ
ライター。女性性とうまく向き合えない生きづらさを書いた自伝的エッセイ『女子をこじらせて』(ポット出版)で書籍デビュー。近著に『東京を生きる』(大和書房)、『自信のない部屋へようこそ』(ワニブックス)がある。6月下旬に『まじめに生きるって損ですか?』(ポット出版)を刊行予定。
▼ほぼ日の好きなコンテンツ
伊勢丹関連のコンテンツが特に好きで、
その中でも、この3つが特に好きです。
世界一オッパイを見た魔女/
やさしいおっぱい、なりたいおっぱい。/
わたしのデパート!
あとは、六花亭の社長のインタビューも好きでした。
あの会社のお仕事。六花亭製菓編