
伝統を継ぐこと
担当・miyahara
長野県南部にある、塩尻市木曽平沢。
この地域の地場産業品は「漆器」です。
木曽地方で作られる漆器なので
「木曽漆器」と呼ばれています。
私はこの町で生まれ、
実家は漆器の木地を作る木工業を営んでいます。
2016年4月。
出版社を辞めた私は、家業を手伝うことにしました。
しかし、仕事場に入ってみてびっくり。
そこに漂っていたのは「あきらめムード」でした。
漆器は旧時代のもの。
昔は売れたけど、ブームが過ぎ去った今は
売りたくても売れない。
そんな空気が蔓延していました。
会社はもちろん、
木曽漆器の産地である町全体も
年々寂しくなっている気がします。
この状態を脱しなければ、私が入った意味がない。
これが、会社に入って最初にぶち当たった壁でした。
木工や漆器を作る職人でもない私が、
どのように会社に貢献していけるのか。
一人で考えることに限界を感じた私は、
まずは同じ地域で働いている人たちに話を聞いてみる
ことにしました。
インタビューを通して、
衰退する家業を継ぐということ、
伝統工芸を継承すること。
私なりに考えてみました。