三名のインタビューを通して、
地域の方の取り組みや、若くして家業を
継いだ方々の思いを聞くことができました。
壁を目の前にうずくまっていた私に
ヒントをもらえたような気がします。
私は「継ぐ」ということは
「守る」こと。という意識に
とらわれすぎていたんだと思います。
自分の職業を選ぶという一つの行動にしても、
選択肢が増えたこの時代。
家業があるからその血筋が継がないといけない
ということではなく、良いものを残したければ
残すための努力をしていく。
変化させたければ変化させていく。
伝統という言葉の中に自由が含まれる
時代になっていることを感じます。
「やりたいからやる」その動機だけで
充分なのかもしれません。
今後、大事になることは以下の三つだと感じています。
「開かれること」「変化していくこと」
「人を巻き込むこと」
・開かれること
より多くの人に木曽漆器を知ってもらうことで、
需要が増えると同時に、県外の人や海外の人でも
技術を継承したいと思う人が現れてくれるかもしれません。
意識からオープンにしていくことの必要性を感じました。
・変化していくこと
伝統は守られ、継承されていくものですが、
時代とともに、形は変化していくのかもしれません。
・人を巻き込むこと
一企業だけ盛り上がる、木曽漆器だけが盛り上がるのではなく、
漆器業界全体の発展を考えていくこと。
大勢の人の賛同を得て、人を巻き込むことで
成し遂げられることは確実に増えていくでしょう。
伝統を継承していくということは
守ることというより、
むしろ挑戦することなのかもしれません。
私がやるべきことは
この3つを実際の行動に移していくことだと思います。
余談ですが、
このインタビューを父に読んでもらい、
私の思いを正直に話しました。すると、
父も新しいことに挑戦してみようと思ったようで
今後、自分で漆器の作品を作ることと、
漆を使って器を修理する金継ぎを始めると決めたそうです。
少しでも行動すると
なにかしら変化が起きることを実感して
嬉しかったし、自信になりました。
今後、我が社がどうなっていくか
まだまだ手探りではありますが
常に挑戦し続ける姿勢で進んでいこうと思います。
お読みいただいて本当にありがとうございました。