できることなら、
気に入った服を毎日着続けたいと思っている。
あの人は、いつもあの格好をしているね、似合っているね
と言われるようになりたい。
お仕着せのユニフォームではなく、
自分で選んだ気に入りのものを着続ける人になりたい。
いま見えているお手本は
ウィーンの美術館で見たクリムトのガウン。
だぼっとしていて、動きやすそうで、ぼろくてかっこいい。
実直なワークウエアで、本人を象徴していて
そして、あまり他人が真似したいと思わないようなもの。
手始めに、
わたしの好きな素材である麻のコートを着てみている。
色はクリムトを意識した青。
とてもとても気に入ったので、オレンジも持っている。
わたしも、そこはちょっと違うんじゃないかという気はする。
通年で着るにはちょっと薄いから、冬はお休み。
かわりに、いつでも何に合わせても着られそうな
薄手でさっくりとしたロイヤルブルーのセーターを編むつもりだ。
毛糸は今、工場で巻かれている最中らしい。
着倒している青のコートは、はげちょろけてしまったので
調子に乗って「藍染キット」なるもので染めてみた。
身ごろにくらべると、肘などのアタリの部分は薄くなり、
言ってしまえばこれは「ムラ」であるが
これがまた、なんとも迫力のある仕上がりで満足している。
1シーズン着倒したらまたはげてきたので
次は夜叉五倍子(やしゃぶし)で
黒っぽく染めてみようかなと思っている。