アートディレクター・菊地敦己さんデザインの扇子です。 |
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こういった変形ストライプの柄は、
他のデザインでも何度かやっているんです。
とくに、「立体物にストライプ」
っていうのがおもしろくて、
去年はランダムなストライプの浴衣をつくったんですよ。
この柄を立体の上で展開していくと
まっすぐな線が曲がって見えたりして、
なんというか‥‥有機的な印象になるんです。
その感じがいいなぁと。
扇子では、じゃばらの上に
こういうゆるやかなカーブがうまれました。
さらに、見る角度によってラインが変わる。
仕立て上がったときに「こうなるのかぁ」という
偶然の出会いも、たのしいですね。
まっすぐなストライプが
カーブになってしまうというのは
本当ならエラー的なことだと思うんですけど、
エラーは特性でもあります。
この立体物としての特色なので、
そういうものは排除するよりも
活かしてあげたほうがおもしろいと思います。
仕上がりの質感も、非常にすてきだと思います。
シルクスクリーンという印刷なんですけど、
扇子の紙にインキをのせることで微妙な厚みがあるので
紙だけどただの平面ではなくなるんです。
インキの分だけ立体感が出る。
適度な物質性がたのしめると思います。
白とかスッキリした洋服に、合いそうですよね。
あとはそう‥‥派手な柄に合わせてもいいし‥‥。
でも逆に意外と、
シックな洋服が似合うかもしれないです。
若い方はもちろん、
おとなっぽい女性がシックな色目の中に
こういう柄をパッと入れたらかっこいいと思います。
いい感じで目を引くと思います。
初対面の人との待ち合わせのときにいいかも(笑)。