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ライフ・イズ・マジック 種ありの人生と、種なしの人生と。 |
人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。 ひょっとしたら、マジックってのは、 宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、 人類最古の情報産業だったりもして。 軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、 ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。 いま、マジックを考えたり感じたりするのは、 なんだかとても大事な気がするんですよ。 おおげさな紹介はよしましょう。 マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ! ナポレオンズのHPは http://www.tvland.co.jp/napoleons/ e-mail:napoleons@tvland.co.jp |
サラリーマンもすなる、川柳といふものを、 マジシャンもしてみむとて、するなり。 題して、 『マジシャン川柳』 『 ハンカチの 中からいでて ハトは逃げ 』 ある先輩マジシャンが、 横浜の公園でマジックショーをされると聞き、 見に行った。 雲ひとつなく晴れ渡る空のもと、先輩マジシャンは 次から次へとハンカチからハトを出した。 「訓練しているから、逃げたりしないよ」 そう言って信頼していたハトであったが、 澄み切った青空と爽やかな風に誘われたか、 次々と飛び立って行ってしまった様を見て詠めり。 『 手品師は ポーカー・ゲームに 勝てもせず 』 マジシャンといえば、トランプのゲームに強いはずと 思われがちだが、もし仮にロイヤル・ストレートとか 4カードとかフル・ハウスで勝ったとすると、 「おいおい、何かやっただろう? 」 などと、あらぬ疑いをかけられるのは必定。 ゆえに、手にロイヤル・ストレート・フラッシュ などが配られた場合、泣く泣く手札を交換せざるを えない状況を憂えて詠めり。 『 蕎麦食えば 柿が来るなり ほぼ十時 』 年に4回ほど、岐阜の名店、助六の蕎麦会を 主催している。 東京まで来てもらい、蕎麦を打ってもらい 天ぷらを揚げてもらって食べる。 季節ごとの美味しい野菜の天ぷらの美味さ。 打ち立ての蕎麦の香しさ。 「旨いねぇ、旨いねぇ」 蕎麦をすする音と感嘆の声。 蕎麦会の数日後、『助六』のご主人から 柿が送られてきた。 届いたのは午前十時くらいで、 さっそくいただいて詠める。 『 Vサイン 空に向かって オクラかな 』 最近は、ベランダで色々な野菜、 ハーブ類を育てている。 これまで、まったく趣味という趣味を 持てずにいた私であったが、 ベランダ園芸にすっかりハマってしまった。 今夏から、マジシャン兼ベランダ農夫を 自称している私である。 今夏は、オクラをはじめゴーヤ、キュウリ、茄子、 トマト、ししとう、ピーマン、バジル、パセリ、 ローズマリーなどを育てて食した。 トマトやししとう、バジルなどは たくさん収穫できたが、キュウリと茄子は 2、3本しか穫れなかった。 鉢やら腐葉土やら肥料やら、おそらく1本あたり 300円以上はかかっているはず。 ずいぶん高いキュウリと茄子ではあったが、 これほど味わってキュウリや茄子を食べたことは 今までなかったように思う。 オクラは英語では『レディス・フィンガー』という らしい。なるほど、オクラの実は 空を指差すように伸びている。 少ないながらも、しっかり実をつけてくれて 育つオクラを見て詠めり。 『 やれ聞くな 手品は手を変え 品を変え 』 不思議であれば不思議であるほど、 客席から聞こえてくる声。 「えぇっ? どうなってるの?」 数々の疑問をお持ちになるのは分かりますが、 どうかマジシャンに質問だけは ご遠慮願いつつ詠めり。 『 楽屋入り 隣は何を する人ぞ 』 旅回り、地方公演が続くと、 「ここはどこ? 何の会?」 という状況になってきてしまうもの。 予定通り楽屋入りしたものの、 はてどのようなイベントで誰と一緒だったか 分からなくなる。 そうなると、それぞれの楽屋に貼られた芸名を眺めて、 「そうかぁ、今日は○○師匠がトリを取る 落語会だったのか」 と納得する。 秋田のイベントなのに、 「いやぁ、良いところですよねぇ。 八戸や二戸にも行ったことがあります」 などと思い切り間違えてしまったり。 大らかで優しい秋田の皆さんは、 少しも怒ることなく笑っていただいて詠めり。 『 不思議さも 中くらいなり 我が手品 』 「不思議ですがねぇ、あまり面白くないですね」 「タネ明かしがないと、ちょっとねぇ・・・」 マジシャンゆえに、不思議さばかりに関心が 行ってしまうもの。 あるマジックを思いついて、 「こんな不思議な現象は見たことがない。 素晴らしいマジックだ」 自画自賛するマジックも、 ディレクターには不評だったりする。 不思議より何より、一般の観客には 楽しいことが第一なのだなぁと 実感しつつ詠めり。 『 まず笑い 三四も笑い 五に不思議 』 番組プロデューサーの意図を読んで詠めり。 『 我ときて 学べやネタの ない若手 』 若手マジシャンの出演する マジック・ショーを観に行った。 未熟ゆえ、デパートの手品用品売り場や 街のマジック・ショップで売っている商品を ただ演じるだけだったりする。 例えるなら、街角のラーメン屋さんに入ったのに、 スーパー等で売っているカップ麺が そのまま出てきたような衝撃。 いくらなんでも工夫なさ過ぎと思うも、 ちょいと苦情など言おうものなら、 「うるさい人、やだぁ」 くちびる寒いなぁと嘆きつつ、詠める。 『 手品師と 詐欺師の違い 特になし 』 時々、ニュースや新聞で見かける、 「まるでマジックのような詐欺事件」 という例え。 不快と思いつつも、マジックにおける 見えない部分であるトリック、ネタが、 詐欺においては手口と表現されているくらいしか 違いがない事実。 ただ、詐欺師はいずれ塀の中、 マジシャンはいつも塀の外。 この違いは大きいはずと信じつつ、詠めり。 |
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2009-11-01-SUN
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