横尾忠則 アホになる修行の極意。 横尾忠則×糸井重里 対談
横尾忠則さんの新しい著書は
『アホになる修行』というタイトルの言葉集です。
アホになるとは、いったいどういう修行でしょうか。
ここ数年、横尾忠則さん主催の「合宿」で
夏の数日間をごいっしょしている糸井重里が、
改めてお話をうかがいました。
じつは横尾さんによれば、その合宿のテーマは、
「なにもしないことをする」というもので、
それはすなわち、アホになる修行の一環と考えられます。
82歳の横尾さんが最近元気になったという話題から、
人生のあみだくじ理論に至るまで、
一生をかけた修行の極意、うかがいます。


001 肖像画は似れば似るほどつまらない絵になる。
002 頭ではなく体の声に従うだけだ。
003 未完で生きて未完でものを作って、未完で死ねばいいんじゃないかな。
004 目的も評価も頭から一掃して、つべこべ言わずに描きたいものを描けばいいのです。
005 絵は描こうとするものではない。絵は描かされなければならない。
006 何が描かれているのかとか、何を意味しているのかとか、考える必要はないのである。
007 目は考えないが、見る行為は思考に匹敵する。
008 「この絵一体誰が描いたんや?」というような絵が描きたい。
009 運命の車に乗って、運命の女神に運転を任せていれば、しかるべき場所に連れていってもらえるんです。
横尾忠則さんの新刊

『アホになる修行 横尾忠則言葉集』

(イースト・プレス 刊)
これまでの横尾忠則さんの
エッセイ、対談、インタビュー、ツイッターなどから
選ばれた言葉集が発売されました。
さまざまなメディアで発信されてきた、
横尾さんの名言がまとまった一冊です。
生活のとらえ方や創作にかかわる考えなど、
鋭い言葉が光ります。
見開き展開でスイスイ読めますので、
なんどもくりかえし味わい、
心の刺激と栄養にできます。
本を締めくくる横尾さんのあとがきには、
こんな一文が出てきます。
「アホになるというのは、
自分の気分で生きるという自信を持っている
ということ」
このたびの糸井重里との対談でも、
「大義名分より気分が大切である」
という内容がくり返し出てきます。
それはいろんな人びとの暮らしに勇気を与える
本質をついた言葉であるといえるでしょう。
いろんなものを捨ててアホになる修行は、
横尾忠則さんに近づく第一歩なのかもしれません。