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糸井 |
本田さん、岩田さんとは
はじめてですよね。
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本田 |
ええ、はじめてです。
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岩田 |
はじめまして、岩田と申します。
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本田 |
本田と申します。
お目にかかるのをたのしみにしていました。
よろしくお願いいたします。
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岩田 |
こちらこそ、よろしくお願いします。
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糸井 |
それでは。
‥‥えー、本日は、お集まりいただきまして。
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岩田 |
ご挨拶だ(笑)。
めずらしいですね。
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糸井 |
いやいや、ついに公式スタートですからね。
きょうは、このDSiウェア版「ほぼ日の健康手帳」の
テープカットみたいな日です。
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本田 |
はい(笑)。
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糸井 |
このプロジェクトについては
ここではじめてお伝えすることになるので、
まずは、その経緯から話していきましょうか。
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岩田 |
はい。
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糸井 |
経緯といってもはじまりは簡単な話で、
あれはもう、一昨年のことになるのかな。
「いま『ほぼ日の健康手帳』というものを
つくっているんだけど、
岩田さんがこれを世の中に広めるとしたら、
どんな方法があると思う?」って、
ぼくが岩田さんに相談したんですよね。
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岩田 |
ええ。
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糸井 |
純粋に第三者として相談したんですよ。
ぼくらの「健康手帳」も
岩田さんたちの「ニンテンドーDSi」も、
まだどちらも世の中に出ていなかった頃で。
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本田 |
そうでしたか。
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糸井 |
岩田さんとぼくは、
もう、ずいぶん長いつき合いなんですが、
岩田さんって、あらゆる問題を
その場で「当事者として」考えてくれる人なので、
会うと、ぼくは、いろんなことについて
「どう思う?」って相談しちゃうんですよ。
「健康手帳」についてもそうでした。
あのとき、すぐにニンテンドーDSiと
つながったわけじゃなかったですよね。
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岩田 |
ええ、違いますね。
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糸井 |
岩田さん、「健康手帳」のコンセプトを聞いたとき、
まずはどう思いました?
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岩田 |
すぐにピンときたというよりも、
じわじわと意味がわかってきた感じだったと思います。
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糸井 |
うん。
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岩田 |
わたしはお医者さんじゃないですし、
一瞬で理解できたわけじゃないんですよ。
まぁ、子どものころは、
よくお医者さんにかかってたんですけどね。
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本田 |
そうなんですか。
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糸井 |
岩田さんとぼくは、喘息友だちなんです。
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岩田 |
そうなんです。
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本田 |
ああ、おふたりとも。
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岩田 |
喘息友だちは、
こういうとき苦しいんだよねっていうところを
わかりあえるので、
妙に連帯感があるんですよ。
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糸井 |
そうそう(笑)。
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本田 |
(笑)
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岩田 |
まぁ、幸いにして
最近は、お医者さんにかかることも
それほどなくなってきたので、
たとえばこの健康手帳があることで
お医者さんが患者さんのことを
短時間で適確に理解できることとかが
すぐにはピンとこなかった。
でも、知れば知るほど、
「これは合理的な道具だ」って思えたんです。
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本田 |
ええ、ええ。
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岩田 |
まず、それがひとつ。
あとは、糸井さんにうかがった、
「健康手帳」があの薄い冊子に
まとまるまでの歴史が
すごく興味深く感じられたんです。
なんでも、最初に本田さんが提案されたときは、
「分厚いバインダー」のような状態だったとか。
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本田 |
はい(笑)。
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岩田 |
それが、だんだん削ぎ落とされて
いまの冊子のかたちになったんですよね。
つまり、「熱意のこもった分厚いバインダー」を
「小さな冊子」にすることで、
いろんな敷居がさがって可能性が広がったわけです。
それって、じつは、
ゲームをつくるときの流れとよく似てるんです。
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糸井 |
ああ、なるほど。
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岩田 |
このDSiウェア版の「健康手帳」をつくるときも
まさにそうだったんですが、
やっぱり最初は、あれもこれもと欲張るんですよ。
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糸井 |
入れたいものが、いっぱいあるからね。
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岩田 |
そうなんです。
でも、ただ欲張って、
多くの機能を入れることがいいわけじゃなくて、
「ほんとうに必要なものはなにか」
ということを突き詰めていくと、
それによって可能性が広がったりもするんです。
つまり、あれもこれもと欲張って入れるより、
「削ることがクリエイティブ」になる
みたいなところがある。
健康手帳をつくる過程の話をうかがっていると、
そのあたりが、ゲームづくりと
似てるなと思ったんですよ。
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糸井 |
そうか、そうか。
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岩田 |
そして、ちょうどその頃、
私たちが考えはじめていたテーマが
「ニンテンドーDSって
どうしたら、ひとり1台
持って歩いてもらえるものになるんだろう」
ということだったんです。
そこではじめて、DSiと健康手帳がつながるんです。
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糸井 |
「持って歩く」というキーワードが
健康手帳と重なったわけですね。
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岩田 |
そうなんです。
(つづきます) |