久保 | 「ムーミンワールド」っていうテーマパークが ナーンタリという南の方にあって、 夏の間だけ、3ヶ月だけ開いているんですけど、 物語に出てくる建物がいっぱいあって、 着ぐるみが寸劇を至る所でやってるんですけど、 いわゆる遊園地のアトラクションは 全くないんです。 なので自分の脳内で楽しまないといけない。 |
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重松 | そりゃ大変なテーマパークだ。妄想しろと。 |
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久保 | 妄想のきっかけになる物が 置いてあるだけっていう。 |
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重松 | 高度だね、すごくね。 |
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久保 | そうなんですよ。 スナフキンの焚き火の跡とかがあるんですよ。 |
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さん にん |
(大声で)おーーーっ!!! |
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横里 | すごい声(笑)。 |
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武井 | パチパチパチ(拍手)。 |
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横里 | 面白い。焚き火の跡って面白いですね。 |
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重松 | それ、ほしいな。焚き火の跡はほしいね。 |
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横里 | ほしいですね。 |
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武井 | 焚き火やりましたか、フィンランドで? |
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重松 | やってないんだよぉ、俺。 |
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武井 | えー、焚き火やってないんですかー? |
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横里 | 何、その自慢げな言い方(笑)! |
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武井 | ぼくはあのとき焚き火に目覚めました。 薪割りと焚き火。 あんなに楽しいことはないです。 |
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重松 | そうか、そうかー。 |
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武井 | 冬はつらいですけど。 火の前しか暖かくないから。 |
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重松 | 俺、あれがほしいな、 柵とさ、その杭。 これがあったら、 杭の上に座って、ギターが弾ける。 スナフキンができる(笑)。 俺のステージは杭1本だ。 |
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武井 | かっこいいー(笑)。 |
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久保 | それも、手を加えてできる遊びですよね。 |
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重松 | そう、何かそういうのって、いいね。 杭が1本あるだけでスナフキンになれる(笑)。 |
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武井 | 『ムーミン谷の11月』的な話は アニメに入ってるんですか? |
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久保 | あ、『11月』めいた話は アニメになってないんです。 |
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武井 | そうですか。 原作に、ムーミン一家が出てこない 巻があるんですよね。 |
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重松 | 島に行ってるときの ムーミン谷の話だね。 |
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横里 | それも焚き火の跡も一緒だね。 |
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武井 | そうそう、その感じがする。 |
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横里 | その、不在な感じの、切ない感じがいいよね。 |
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重松 | そう。 |
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武井 | あの喪失感は、 大人になってから好きになりました。 |
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横里 | 新しいムーミンの中だと スナフキンはハーモニカなんですか? |
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久保 | あ、そうなんです、 ギターじゃなくてハーモニカなんです。 |
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重松 | あー、そうだったね。 |
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武井 | たぶんね、ギター、 放浪には向いてないんだと思います。 |
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重松 | マーチンの「バックパッカー」 (小型ギター)とかあったらよかったね(笑)。 |
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重松 | でもハーモニカだと、 弾き語りができないね。 いやあ、だから、やっぱりさ、 ムーミンももちろん魅力的なんだけど、 脇役がとにかくいいっていうことなんだよね。 |
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横里 | そうですねー。 |
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武井 | めそめそくんも、いいですよね。 |
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久保 | めそめそくんは、 自分が狼の仲間だと思ってるんですよね。 僕は仲間がいる山に帰るんだって ひとりで狼のいる山に入っちゃうんだけど、 囲まれて食われそうになる。 何て言うんでしょう、 身分不相応というか、 夢を描いて妄想してしまっている。 それを通りすがりの元気なラッキさんという、 ヘムル族に助けてもらうんですが、 いかにも助けるふうではなく、 さらっと助けられるっていう 終わり方をするんですね。 それも含めて、人生の縁というか、 いるべき場所にいる、 会うべき人に会う、みたいな 切ないけどいいお話があったりします。 |
▲第23話「ムーミン谷の冬の住人」 |
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重松 | みんな、持ってるね、 ちゃんと物語を持ってる。 |
2012-01-06-FRI