梅雨の晴れ間のことを、旧暦の言い方で
「さつき晴れ」というのだそうです。
この日の京都・南丹市の美山(みやま)は、
まさしくそんな天気。
「きのうまで、雹(ひょう)は降るわ、
突風は吹くわで、大荒れの天気だったんですよ」
というのが信じられないほどの
すばらしい天候にめぐまれました。
▲いまはとても少なくなった茅葺き屋根の家が残っています。
美山は、京都府のほぼまんなかに位置する山里。
原生林を含む深い森林地帯のなかを、
鮎で知られる美山川が流れ、茅葺きの家が点在しています。
鉄道もなく大きな道路も通っていない場所ですが、
地産地消の食材のおいしさは、知る人ぞ知る名物。
鹿肉や猪などのジビエ、鮎や山菜、きのこ、地鶏、牛乳と、
季節に応じてたくさんの食材にめぐまれているんです。
福森家では、当主の雅武さんが
「十代の頃から、ここに鮎釣りに来とったよ」
という、なじみの地でもあり、
今回、土地の人の招きで、
「美山かやぶき美術館」を会場に「土楽」の展覧会、
そして福森道歩さんによる土鍋料理をふるまう会と、
雅武さんによる生け花のイベントが開かれたのでした。
▲ここが「美山かやぶき美術館」。
▲1階は福森雅武さんの作品が中心。
▲野焼きによる陶仏も展示されていました。
▲屋根裏も展示会場。道歩さんと、土楽のみなさんの作品が並んでいました。
▲福森雅武さんが自作の花器を使って、生け花を。
▲瓢箪のかたちに抜ける窓から水車小屋のが借景になっています。
その前に福森さんの花器と花。
▲裏山の紅葉も材料に!
▲完成した紅葉の生け花。大迫力でした。
そして、道歩さんの土鍋料理。
イベント前日、仕込みとリハーサルにお邪魔しました。
▲30人近いお客さんに満足してもらえるよう、道歩さん、真剣そのもの。
▲美山は、日常の食材がとてもおいしいのです。うらやましい!
▲「ほんとにだいじなカレー皿」もスタンバイ。
▲土鍋「ベア1号」を火にかけ、調理スタートです。
最初に道歩さんがつくったのは、焼きそら豆。
さやからむいて、「おはぐろ」の部分を切り取ってから、
土楽さんのグラタン皿で
直焼きをしたものです。
▲ちょっと焼き目をつけて、最後に塩を振っています。
そして、麻婆豆腐。なんと地元産の「鹿のひき肉」と、
厚揚げ豆腐を使っています。
鹿がアッサリしているぶん、厚揚げ豆腐がよく合いました。
▲仕上げにねぎをパラリ。
▲もちろんカレー皿に盛りつけます。
▲完成!
▲「中のカレー皿」にごはんをよそい、麻婆丼に。
キッチンではさらに調理がつづきます。
リングにしたたまねぎが「ベア1号」のなかで
炒め煮されているようです。
▲いっしょに入っているのは、鶏肉! これも美山産だそう。
▲完成したのは「親子煮」でした。卵はふわふわになるように、ずっとかきまぜ続けて火を通しています。
▲うわ、おいしそう!(おいしかったです)
▲こちらもごはんにのせれば‥‥。
▲親子丼ができました!
「あっ、間違った!
親子丼のごはん用に、
豆ごはんを炊いとったんやった!」
と、道歩さん。
なるほどそれもおいしそうですね。
▲豆ごはん。「アメ釉」のカレー皿に、緑色がよく映えます。
▲ちなみに、こんなふうに薪を使う「おくどさん」もあるんですよ。
さて、さらに料理はつづきます。
こんどは、サラダ。
カリカリに焼いた、塩漬けの豚肉をトッピングした
水菜のサラダ・巣ごもり風です。
▲まんなかにのっているのは、ゆで卵。
▲盛りつけてから切ります。
▲きれいな半熟に仕上がりました。最後に黒胡椒を振って、よく混ぜてどうぞ。
そして、メインディッシュは、ローストポーク。
土鍋を使い、1時間ほど蓋をして蒸し焼きにしています。
▲「灰釉」のカレー皿がよく似合う! つけあわせは、ローストポテトです。
▲「アメ釉」に盛りつけても、かっこいい!
そして、最後に福森雅武さんが、
釣ってきたばかりの鮎を調理してくださることに!
▲イキのいい若鮎です。「走り」から「旬」にさしかかる時期。
▲もちろん炭火で、白焼きに。
▲いのちを、いただきます。
▲焼き加減は、目、匂い、そして音で確かめる。これって焼き物(陶芸)と料理の共通点なんですって。
▲完成しました! 盛りつけはもちろん「カレー皿」に。
▲「アメ釉」のつややかな肌とのコントラストが、とてもきれいでした。
福森道歩さんと土楽のみなさんがつくる
「ほんとにだいじなカレー皿」。
今回は‥‥そうなんです、カレーを盛らなかったぶん、
いろんな料理に便利に(しかも、うつくしく)使える
お皿だということを感じていただけたら、うれしいです。
煮物から焼き物、揚げ物、汁物までどんなおかずでも。
ごはんといっしょに盛って
どんぶりものにしてもいいですし、
スパゲッティやそば、そうめんなどとの相性もいいですよ。
もちろんデザート皿としても使えますし、
ほどよい深さがあるのをいかして、
みんなでとりわけるときの大皿としても使えます。
また、いちばん大きな
「ほんとにだいじなカレー皿」はもちろん、
「中のカレー皿」や「ひとくちカレー皿」も
銘々皿として使いやすいサイズです。
「ほんとにだいじなカレー皿」は、
福森家でながく使っているのと同じ
「ノリタケ カウンティス(E.P.N.S.)の
スープスプーン」(*)とあわせて、
7月1日より販売いたします。
どうぞ、おたのしみに!
「ノリタケ カウンティス(E.P.N.S.)の
スープスプーン」は
この先、メーカーが生産を終了することが決まっています。
「ほぼ日」では、多めの発注をしていますから、
今回の販売には多めにご用意をしていますが、
完売後は再生産・再入荷の予定がありません。
御検討のかたは、なるべくお早めに
お求めいただけたらと思います。