わたしはスウェーデン人です。
扇子はスエーデン語で、「スールフィアデル」と言います。
英語では、「sun feather」。
わたしはいつも、
「その物がもともと持っている意味」に
戻ることを考えます。
ヨーロッパで、扇子は鳥の羽で作られていました。
ですから今回の扇子は、
羽をモチーフにしたグラフィックにしました。
できあがってきた実物の扇子を見ると、
この模様は船のようにも見えますけれど(笑)。
扇子の骨は、鳥の羽の軸の部分に似せたくて、
これをチョイスしました。
ちょっと、似ているでしょ?
本物の鳥の羽は、
それぞれに形がちがったり、カーブしていたり、
無作為な重なりでできています。
その感じを出したいと思いながら
デザインをしました。
描いている途中、モチーフを配置する中で
たまたま鳥の羽のグラデーションのように見えたので、
それを採用しました。
ときに偶然から、
「あ、こっちのほうがいいな」
と思うことがあります。
わたしはそういう偶然が大好きです。
まれに自分の脳で考えるクリエイティブよりも、
偶然のほうが面白いことがあります。
それを大事にするようにしています。
ですからわたしは、
自分が考えていたのとちがうことになっても、
偶然そうなったほうを選んだりします。
失敗した場合でも、
「ひょっとして?」と思い直し、
あえてその失敗を採用することもあります。
この扇子は、男性女性、年齢に関係なく、
使ってもらえるとうれしいです。
たぶん、どんな人でも使ってもらえるものだと思うから。
わたしはいつも、
そんなふうに思いながらデザインをしています。 |