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以前、糸井重里は、
こんなふうに書いたことがあります。
「経済的に自立して持続している
『ユニークな人々』に
ぼくの興味はあるわけです。
『おもしろい』ということと、
『食えてる』ということが両立してることが、
さらに希望のある
『おもしろい』につながるんだ」
自分たちも、そういう、
「経済的に自立していて、
おもしろい集団」でありたい。
そんな意味を込めて書いた文章の中で、
糸井重里は
「おもしろくて、自立してて、
食えてて、持続している」人々の
理想的な例をふたつ、挙げました。
ひとつは、シルク・ドゥ・ソレイユです。
いまや世界的に認知された
最高のエンターテインメント集団。
サーカスを芸術の域にまで高め、
世界中の人たちを魅了しているのは
ご存じのとおりです。
そして、もうひとつが、
グレイトフル・デッドというロックバンド。
1960年代から活躍する古いバンドで、
チャートを賑わすようなヒット曲はないものの、
まるでひとつの村が移動するような
独特の「ツアー」は、
バンドの中心メンバーが亡くなった
現在も続いているといいます‥‥。
そして、あるとき、糸井は、
グレイトフル・デッドのさらなる情報を求めて
インターネット上を検索します。
そして、おもしろいタイトルの本を見つけるのです。
『MARKETING LESSONS FROM THE GRATEFUL DEAD』
──邦題をつけるならば、
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
いままさに日本語翻訳版が準備されているこの本に、
糸井は激しい興味を覚えました。
そして、こんな本があるぞ、とツイートしたのです。
そのツイートに反応したのは、
アメリカ在住の作家、渡辺由佳里さんでした。
もたらされた情報に、糸井は驚きました。
そのグレイトフル・デッドの本の著者は、
渡辺さんの夫である
デイヴィッド・ミーアマン・スコットさんと
その親友であるブライアン・ハリガンさんだったのです。
ツイッター上でのやりとりが
「糸井さん、著者のふたりに会いに来ませんか?」
と発展するまで、それほど時間はかかりませんでした。
そして糸井重里はその展開に、
新しい興味を覚えてもいました。
まず、著者のひとりであるデイヴィッドは、
著書が28ヵ国語にも翻訳出版されている
国際的なマーケティングの専門家でした。
そしてブライアンはマサチューセッツ州で
企業のマーケティングやPRを
新しいやりかたで提案する
ベンチャー企業を経営していました。
その若い会社は創業4年にして急成長し、
いま、ボストンで就職したい企業の
第一位に選ばれたというのです。
ちなみに、デイヴィッドも、
その会社の役員を務めているとのこと。
糸井はふたりの著者に対してはもちろん、
ふたりが関わるその会社に強い興味を覚えました。
グレイトフル・デッドをモチーフにした
マーケティングの本を書いたふたりが経営する、
ボストンで人気ナンバーワンの若い会社‥‥。
その会社の名前は、
HubSpot(ハブスポット)といいます。
昨年末、糸井重里と何人かの乗組員は
ボストンを訪れました。
そして、ボストンからチャールズ川を隔てた
ケンブリッジにあるHubSpotを見学し、
ブライアンとデイヴィッドと
深く、濃い話をしました。
糸井をはじめとするチームは、
HubSpotからさまざまなことを
学ぶつもりで行ったのですが‥‥
いえ、もちろん、たくさんのことを学んだのですが、
意外だったのは、ブライアンとデイヴィッドのふたりが、
「ほぼ日刊イトイ新聞」という組織に
非常に興味を覚えたことでした。
さぁ、その様子を、
次回からじっくりお伝えいたしますね。
そして、このイントロダクションの最後に、
HubSpotの社内を見学している様子を動画でどうぞ。
手持ちのカメラで自分たちの資料として撮ったので、
お見苦しい点があるかと思いますが、
HubSpotというユニークな会社の特長が
すぐに理解できるかと思います。
ちょっと長いので、お時間のあるときにどうぞ。
おもしろいですよ?
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2011-07-15-FRI
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出会いのきっかけとなった
グレイトフル・デッドの本が、
この秋、日本でも発売されます。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
著 |
デイヴィッド・ミーアマン・スコット、
ブライアン・ハリガン
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訳 |
渡辺由佳里 |
監修・解説 |
糸井重里 |
出版社 |
日経BP社 |
価格 |
1700円+税 |
発売予定日 |
9月1日 |
Amazonで予約する
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