Le salon de Marie マリーな部屋

「パンがないのだったら、ケーキを食べればいいのに。」と、
マリー・アントワネットは言ったのだそうだ。
どうせ、そういう話はよくできたウソなのだろうが、
ケーキがパンのかわりになると思っているマリーの気持ちが、
もひとつよくわからない。
ぼくは、ケーキを食べて腹をふくらませることなんて、したくない。
マリーはどうかしている。

しかし、とんでもなくお菓子が好きな人間というのは、
ほんとうにいる。ぼくは、そういう人を、ひとり知っている。
しかも、マリーという名である。日本人だ。
彼女は言った。
「わたしは、パンも食べるし、ケーキも食べる」
なんのこっちゃ?

そのマリーは、お菓子のことを語るときと、
お菓子を食べているときだけ
ほんとうに真剣な表情をみせる。怖い。
悪いひとじゃないのだろうが、怖いのはほんとうだ。

そんなマリーが、
「いま、ぜったいにたべるべきお菓子はこれだ!」と
ほんとうに真剣に語るのが、ここ。
「マリーの部屋」なのだ。
わたなべ まり プロフィール
illusttarion koharu

桜いろのゼリーに、お祝いをこめて。

終わっちゃいましたね、今年のさくら。


都内では
すっかり葉桜になった枝のさきに
咲きおくれた数輪が
まだいっぱいに花びらをひろげてて
なんだかいとおしくなるような。


でも、東北や北陸、北海道では
満開を少しすぎて、
はらはらと花吹雪がまきおこっている頃でしょうか。



今年のさくらの名残りに、
桜ゼリーです。


そういえば、満開の時期には
いろんなところに桜グッズやテイストがあふれてて
あまり人気なものだから
なんとなく気圧されて
ほとんど書いてこなかったのですよね。


でも、
先日、いただきもので
はじめて知ったこの桜ゼリーは
はかなげで、かわいらしくて。


透き通った
あわい桜いろが、
きれいです。



桜テイストのものというと、
桜もちの味というか、
塩漬けの桜の葉のかおりが
ほとんどな気がしていたのですけど、
このゼリーは、あまりそのかおりはなくて
ちょっと酸味があります。


見ためには、桜いろのうつくしさ、
食感としては、初夏の梅ゼリーのようなフレッシュさ、
そんな感じでしょうか。


毎年、さくらといえば、
桜もち一辺倒でしたけれど、
こんなきれいなゼリーに出会えるとは。
ともだちからの
なにげない贈りものがつないでくれる
あたらしい発見に、感謝です。



ここ数年、
4月を待たず、3月に満開を迎えてしまっていた
都内のさくらも、
今年はちょうど入学式や入社式にあわせたように開いて
新年度を祝っているかのようでした。


卒園、卒業、卒団など、
さまざまな区切りを迎えられたすべての方に
たくさんのしあわせがありますよう。


よい春を。


わたなべ まり


きれい、よりは
おいしいか、を
見定めているようです。
あくまで、この子にとっての。



boutique où je l'ai acheté 今回、買ったお店

塩と梅酢で漬けた八重桜の花を
桜色の透明なゼリーに封じ込めたこのお菓子は、
いい野菜やフルーツ、食材をもとめて
日本全国の農場をたずねて見定めた素材を使い、
「おいしいもの」をつくりつづける
VEGETARE(ベジターレ)の季節限定商品です。

この八重桜は、神奈川県産。
創業約120年という漬物メーカーさんが
一輪一輪、手で収穫、ていねいに洗ってから
「萼(がく)」を取り除き、
半年間、漬け込んでいるのだそう。
さらにその桜漬けを独自のレシピの
シロップに浸けることで、
「花が開く」状態になるんですって。

このままいただいても、
スパークリングワインや日本酒で
カクテルゼリーにするのも、いいそうですよ。

販売開始時期は、毎年、2月頃。
だいたい4月末〜5月初旬に
販売終了となる見込みだそうです。


公式ウェブサイト
公式オンラインショップ

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