岡本太郎の作品がモチーフとなったほぼ日手帳
「太陽の塔」「明日の神話」
の完成を記念して、
TAROを敬愛するいろんなかたにお話をうかがいました。
はじめに登場してくださるのは、
過去にも「ほぼ日」で、とにかくアツく
岡本太郎への思いを語ってくださったことのある、
オリジナル・ラブの田島貴男さん。
(田島さんは「明日の神話」という曲も作られています)
田島さんにとっての岡本太郎とは、
「芸術のお父さんのようで、お母さんでもある」ような人。
愛あふれることばの数々から、
太郎さんのこと、感じてください。
田島
(部屋に入るなり)‥‥これ、カッコいいね!
ほぼ日
(笑)。ありがとうございます。
新しく完成した手帳カバーで。
田島
これ、うれしいわぁー!
超うれしいんですけど、これ。
メッチャクチャうれしい。
ほぼ日
いいですか。
田島
いいよぉー! カッコいいよね、これ。
俺、これだったら、誰かに会う時、
すぐこれ出す(笑)。最高。
「持ってるぞ、俺」みたいな、見せたい感じ。
これはうれしい。
ほぼ日
太陽の塔の裏の顔なんですよ、これ。
田島
そうですよね、裏ッ側に付いてるやつ。
黒い太陽、うん。
『ブラックスター』じゃないですけどね。
ほぼ日
『ブラックスター』?
田島
デヴィッド・ボウイのニューアルバム。
ほぼ日
そうなんですね。
田島
そうそうそう。
ほぼ日
‥‥で、こっちは「明日の神話」で。
田島
こっちもいいね。
こんなでっかいのもあるんですか。
こっち(オリジナルカバー)はiPhone的な、
こっち(カズンカバー)はiPad的な感じですね。
ほぼ日
そうですね。
田島
なるほど、そうか、わかりました。
いや、かっけぇー。
これ、見せたい感じあるよね、
打ち合わせで、まったく意味なく
「えぇとですね‥‥予定、何にもない」
みたいな(笑)。
ほぼ日
はい(笑)。
今日は、田島さんにとっての
岡本太郎の魅力を
改めて教えていただけるとうれしくて。
田島
はい、はい、もう改めてね。
ほぼ日
お願いします。
まだ太郎さんが好きですか?
田島
好きだよぉー!
ずぅーっと好きだと思うよ、一生。
ほぼ日
一生。
田島
うん、まず一生嫌いになることはないよね。
ずぅーっと好きだよ。
そりゃあ忘れたりしてるときもあるけど、
やっぱりね、自分の根っこの部分で好きなんだ。
ほぼ日
田島さんが岡本太郎さんを
好きな理由は、どこにあるのでしょう?
田島
いや、もう理由を探すまでもなく
好きなんだけどね。
考えてみると、やっぱり岡本太郎さんって、
カッコいいカッコ悪いで言ったら、
太郎さんはあの、カッコ悪いんだよね!
ほぼ日
カッコ悪い。
田島
うん。そして、
「カッコ悪くて、すごくカッコいい」んですよ。
ほぼ日
ああー。
田島
やっぱり世の中では
「カッコいいもの」「趣味がいいもの」
「センスがいいもの」が商品になりやすくて、
そういうものが氾濫してるんです。
だけども太郎さんの芸術がやってることは、
その部分にはないっていうか。
太郎さんは全身全霊で、自分のいのちを懸けて
芸術をやってたような人でね。
趣味のよさとか悪さとか、
そういったことの前段階の
「いのち」の部分を表現してる人なんです。
ほぼ日
「いのち」の部分。
田島
うん、音楽で「いい演奏」ってあるでしょう。
そのとき必要なものとして、
「カッコよさ」や「センス」ってあるけど、
いくらそこがあっても、やっぱり、
最初の部分で燃えてなきゃだめなんです。
「いのち」の燃えていく部分がないと。
カッコいい、カッコ悪いの前段階の
最初の熱いパッションとか情熱がなきゃ、
「いい演奏」ってないんですよ。
太郎さんは、その燃えてる部分を表現して、
全身で「生きろ!」って
言ってるような人だったんだよね。
ほぼ日
「瞬間瞬間が爆発なんだ」とか。
田島
そうそう、太郎さんはずっと爆発してた。
だけど、それって
「カッコいい」とかとはまた別だから、
すごくダサく見える時もあるし、
「この人馬鹿なんじゃないか?」と思うときもある。
でも、その
「太郎さん、馬鹿なのかな」というのは、
それは要するに、
「あ、実は自分も馬鹿なんじゃねぇかな」とか
「人間全体、馬鹿なんじゃねぇかな」
ってことでもあるんだよね。
そういう部分を
思い切りクローズアップして見せてくれるのが
すごいなぁと思っちゃうんですよ。
ほぼ日
誰でもみんな燃えてるんだぞ、っていう。
田島
そうなんだよね。
しかも太郎さんって、すごく優しいんですよ。
持っている世界が広いというか、
宇宙が大きい感じがしますよね。
人間生きてて、いろんな状態になりますけど、
太郎さんの芸術はどんな状態も認めてくれて、
絶対に裏切らない。
そういうおおらかさとパワーがあるんです。
ほぼ日
それは、うれしいですね。
田島
そう。太郎さんはうれしい。
みんなの「いのち」や
「生きる」ってことを全面的に認めて、
背中を後押ししてくれる。
そこを表現して、爆発させてくれる人なんですよ。
スポーツの分野でそういったことを
言ってくれる人はいるけど、
芸術や音楽の分野で、それを言う人はあまりいない。
だから、なんか僕にとっては、
芸術のお父さん‥‥いや、あの、
お父さんのようでもあり、
お母さんのようでもある‥‥っていうか。
ほぼ日
ああー。
田島
太郎さんって、これはたとえだけど、
真っ裸で町の中走っていくみたいな人っていうか。
漫才で言うならボケ中の大ボケ。
もうボケまくるっていうか。
「芸術の分野の大馬鹿野郎」っていうかね。
だから、いろんな人たちから馬鹿にされたり、
なんだかんだ「アホじゃねぇか」って、
言われてきた筆頭が岡本太郎さんなんですよ。
でもその
「この人、馬鹿なんじゃないか?!」
ってくらいの、
太郎さんのそういうパワーが
僕は大好きでね。
そういう人がいたんだってことで、
すごいうれしいし、
なんだか泣けてくるんです。
(つづきます)
2016-02-02-TUE
田島貴男さんのオリジナル・ラブは
今年でデビュー25周年。
それを記念して、全国ツアーが開催されます。
詳しくは
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また、春には弾き語りツアーもあります。
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