糸 井 |
はじめまして、北折さん。
ぼく自分の体重グラフを持ってきたんです。 |
北 折 |
じつは、ひとのグラフ見るの大好きなんです。
おー。すごくちゃんとしたグラフですね。
毎日携帯されてるんですか。 |
|
糸 井 |
はい。いま、ある意味
停滞期に入っているんです。 |
北 折 |
あ、少し下げてからの停滞期は、
順調に行ってるあかしですから、大丈夫です。
糸井さんの年齢で言えば、
増えないってこと自体、
ダイエットに成功してると
思えばいいことですよ。
普通だったら増える一方ですから。 |
糸 井 |
うーん。そうですよね。 |
北 折 |
糸井さん、維持ができるってことは、
もうそれだけこのダイエット方法が
ちゃんと体に入っていると
考えていいと思います。 |
糸 井 |
‥‥うん! |
|
|
北 折 |
でも、長く停滞が続くと、
たぶんつまらなくなって、やめるか、
もっと下げたくなるか、
どっちかだと思いますよ。 |
糸 井 |
いまはね、実験をいろいろしてるんですよ。
これ食っちゃったらどうなるだろうと。 |
北 折 |
ああ(笑)。いいですねえ。 |
|
|
糸 井 |
昨日今日ぐらいのところは、
節制をあまりしてるつもりのない状態で
生活しているんです。
ただ、間食とかはしていません。
量を減らしてる意識もないけれども、
間食もしないっていう食生活が
2日、続いています。
で、それで停滞ですから
だいたいエネルギー消費のコツみたいなものが
体で、だんだんわかってきたのかなぁと
思っているんです。 |
北 折 |
このダイエットは、おもしろくなってくると
もっとひどい実験をしてみたくなるんです。
1日抜くとどうなるかとか、
ほんとにドカ食いしても大丈夫だろうかって。 |
糸 井 |
なりますか。 |
北 折 |
はい。
でも糸井さんは、いまのところ、
すごくまじめな感じですね(笑)。 |
糸 井 |
意外にぼく、実直なタイプなんですよ(笑)。
北折さんは、そのへん、やりましたよね。 |
|
|
北 折 |
はい、やっちゃってます。
ぼく、先月の今日の体重を、一夜にして
追い抜いちゃったりしたことも、
何度もありました。 |
糸 井 |
はぁー。意識的に? |
北 折 |
いや、わざとではないですけど
最初の2ヶ月ぐらいは順調に行って、
3ヶ月目ぐらいのときに、
1ヶ月かけて600グラムしか
減らなかったんですね。 |
糸 井 |
ああー、はい。 |
北 折 |
1ヶ月かけて600グラムしか減らないのに
一晩で1.5キロ太ったりとか、
っていうような‥‥ |
観 客 |
へぇー‥‥! |
糸 井 |
ひどいですね。 |
北 折 |
はい、ひどいです。
グラフを重ねて
先月の今日よりも、今月の今日のほうが
ずっと上いってたりすると、
すごいショックを受けそうなんですけども、
でもぜんぜん大丈夫でした。 |
糸 井 |
わかってるからってことですか。 |
北 折 |
はい。
それまで、だんだん下がってきた
記録があるわけです。
それを見れば、
いままでせっかく下げてきたのに、
ここから元にもどっちゃったら
いままでの自分が、もったいなさすぎると。 |
|
|
糸 井 |
うん、そうですね。 |
北 折 |
そうすると、
大してがまんしなくても
またすぐ減らせるんですね。 |
糸 井 |
うんうん、うんうん。 |
北 折 |
それと、その頃には
どか食いすると苦しい体になってますから、
息苦しい。
前は、おいしいものを
たらふく食べるっていうのは
すごく幸せなことだったのに、
思いのほか苦しいってことが
身にしみてわかると、
あんまりドカ食いも、
やらなくなります、
‥‥ごくまれにしか。 |
糸 井 |
ごくまれには、やる(笑)? |
観 客 |
(笑)。 |
糸 井 |
それは、何か理由があるんですか。
ドカ食いって。 |
北 折 |
いやぁ‥‥、たぶん、
なにかのスイッチが入るんだろうと思
いますけど。 |
糸 井 |
怒り、ですか? |
北 折 |
‥‥(笑)怒りではないと思います。
たぶん、お酒だと思います。日本酒。
ぼくの場合は。 |
糸 井 |
お酒か! ふーん!
いや、あの、どこかのタイミングで
北折さんとお会いするんだろうな、
とは思っていたものの、
自分でちゃんと
実験をしてからにしようと思っていたんです。
で、北折さんの
『死なないぞダイエット』を読んですぐ、
1月10日に始めました。
じつはぼくは、いままで
まじめにダイエットしたことがないんです。
でも正直申し上げて、
70キロっていうのは、なったことがないんですよ。
若いときは、ずっと53キロだったんですよ。 |
北 折 |
ええっ?(笑)
じゃあかなり‥‥。 |
観 客 |
(‥‥すごい痩せてたんだ‥‥) |
|
53キロだったころの糸井重里 |
北 折 |
糸井さんのグラフ、一番下の目盛が60キロですもんね。 |
糸 井 |
そうですね。
さすがに53キロに戻りたいとは
思ってないんですけど、
65キロぐらいだったら
バランスいいかなと思って。 |
北 折 |
そうですね。
糸井さんの身長なら、それくらいがいいですね。 |
糸 井 |
なぜそういうことを思ったのかというと、
やっぱり、北折さんの本を読んだからですね。
あたまの1章の
「人生は自分だけのものだろうか?」が
とにかくすごくて。
うちの会社で、
ぼくの後に読んだ女性が、怖かったって。
怖いですよ、たしかにね。
脅迫をしてるわけじゃないのに、
怖くさせてるっていう
筆さばきと言いますか。 |
北 折 |
いやいや、そんな。(笑)。 |
糸 井 |
押し引き。 |
北 折 |
ああー。 |
糸 井 |
これはもうテレビをやってる人の特徴というか
テレビの番組とおなじ作り方だなぁと思って。 |
北 折 |
ああー! なるほどー!
たしかにそうかも、ですね。 |
|
|
糸 井 |
だったらこの
「ためしてガッテン」という番組の作り方と
おなじだっていうところに
ぼくは乗っかってみようと思って。 |
北 折 |
ありがとうございます。
のっかっていただいて。 |
糸 井 |
怖いだの怖くないだのじゃなくて、
本気でそう思ったんですよ。
去年は特に突然死の人たちが
ぼくの周りにいたんです。
そして自分のことはともかく、
社員にも家族がいたりするんで、
うちの社員という大黒柱たちが
男女問わずバタバタ逝っちゃったら、
ちょっとまずいなぁと思って、
まず自分でためしてみようと思ったら、
2日目ぐらいですぐに
「落とせる実感」
というのがわかって。 |
北 折 |
はいはい。 |
糸 井 |
さっそく落ちて、びっくりしてたら、
すぐに戻って。
それは油断しちゃうんですね。
落とせるって、こう、自分を過信してね。 |
北 折 |
そうですね。
このグラフ、3日目がちょっとかわいいんですけど、
極端に食事を減らしましたね? |
糸 井 |
やっちゃったんです、はい。 |
北 折 |
おもしろくなって、ついやってみたくなるんですね。
そうすると、次の日は、
ちっちゃいリバウンドがあります。
これ、見事に、ぼくらの思うつぼ。 |
|
|
観 客 |
(笑)。 |
北 折 |
でもこれをやるから、
やっぱり、わかるんだと思います。
食事を減らしすぎたら、
次の日は食べちゃう、
っていうことがわかる。 |
糸 井 |
うん。 |
北 折 |
やっぱり、きちんと少しずつ減らそう、
っていうのが、たぶんこの日に
何かが降りてきたようにわかったと思います。 |
糸 井 |
その通りです。
もう3日、4日で、
そのことがわかったし、それから、
北折さんがときどき書いているように、
好奇心を持って、
トイレに入る前と後で計ってみるとか。 |
北 折 |
はい。 |
糸 井 |
飯を食う前と後で計ってみるとか、
パンツ1枚って何グラムなんだろうとか。 |
北 折 |
(笑)。 |
糸 井 |
いろんなことをやる人がうまくいきます、
って書いてあって。
まさしく自分がそうなんで。 |
北 折 |
はいはい。 |
糸 井 |
要するに、あのー、スケベなんですよね。
ここはどうなってるのかな、
こうしたらどうなるんだろう、みたいな。
それがピタっと合って、
で、ああ、この4、5日で、
これは、どっかのタイミングで、
この北折さんというかたに、
会えるようにしたほうがいいなと思い始めて。 |
北 折 |
ありがとうございます。
ものすごくうれしいです。
その言葉で言っていただけて。
ぼくも、番組作りをするときに、
ディレクターたちに言ってるのは、
もっとスケベ心を持ったほうがいいよ、って
話をするんですね。
でも本にスケベ心を出したほうがいいとは
ちょっと書きにくかったので。 |
観 客 |
(笑)。 |
|
|
(つづきます!) |
2010-05-24-MON |