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(荻上監督が先に入り、 糸井重里の到着を待っている。) |
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荻上 | どうしようどうしよう。 わたしずっと緊張して 何を喋ったらいいのか、もう。 |
── | そんな、緊張なさらないでください。 だいじょうぶですよ。 |
荻上 | はい‥‥。 |
── | あ、まいりました。 |
荻上 | あ‥‥‥‥。 |
糸井 | こんにちはー。 よろしくお願いいたします。 |
荻上 | 荻上ですっ。 よろしくお願いいたしますっ。 |
── | とても緊張なさっているそうです。 |
糸井 | じゃあ、とけるまで 静かにしていましょうか(笑)。 |
── | よけい緊張なさいますよ。 |
糸井 | あ、荻上さんのTシャツ、 ちょうど昨日、かみさんが着てたやつだ。 |
荻上 | あ、ほんとですか! あら! やばいっ! |
飯島 | なんで「やばい」んですか(笑)。 |
糸井 | なんで緊張するんですか。 もったいない(笑)。 もう、ほめられるに決まってるのに! |
荻上 | ‥‥ふはっ。 |
糸井 | ただ、試写を拝見してから 時間が経っちゃって、 もったいなあと思って。 観てすぐだったら、 もっと興奮してたんですけど。 |
荻上 | ありがとうございます。 観ていただいて。 ふー。 はー。 へへへへ(笑)。 |
糸井 | どうしましょう(笑)。 こういうひとだとは知らなかった! もちろん自信たっぷりで 「オレが監督だ!」っていうひとだとも 思わなかったんですけど、 こういうひとだとは思わなかった! ‥‥やあ、そうですかあ。 どうしようっかなあ。 |
荻上 | (小声でスタッフに)やばいっす。 |
── | あせらずに。 お料理も出ますので。 |
糸井 | あせらずに、はい。 そうですね。 飯島さんは荻上さんを よくごぞんじなんですよね。 こういうひとだったんだねえ。 |
飯島 | そうなんですよー。 ちょっと‥‥。 |
荻上 | や。ちょっと、なんですか! |
飯島 | 飲むとあばれるんです(笑)。 |
荻上 | あっはっはっはっは! |
糸井 | ああ、そうですか(笑)。 |
飯島 | 飲まないと本領発揮できなくて(笑)。 |
糸井 | 飲むとあばれるんですかー。へえ。 飯島さんと年格好は おなじくらいなんですか? |
荻上 | そうですね、はい。 |
糸井 | みんな、だいたい 似たような年格好のひとたちが集まって。 |
荻上 | はい。 |
糸井 | いやあーーー。 『トイレット』、 おもしろかったんだよー。 |
荻上 | ありがとうございます! |
糸井 | ぼくはかつて荻上さんに かつてものすごく失礼なことをしていて。 それはあの、確信犯でやってるんですけど。 |
荻上 | はい、え、なんですか? |
糸井 | それはね、 荻上さんの『バーバー吉野』が ものすごくおもしろかったんで、 うちでみんなで観よう、 その感想をコンテンツにしようといったときに、 映画の話をまったくしないで、 髪型の話で終始してしまったの。 そういう罪を犯したことがあります。 |
荻上 | あっはっははははは。 それはー、罪深いと思います。 |
糸井 | 映画の話は、 しば漬け程度にしか入ってない。 |
荻上 | ひどーい(笑)。 |
糸井 | ていうことをやったことがあるんです。 本人が見たら怒るだろうなって思いつつ、 そういう愛され方もあるっていうことですよ。 愛しては、いたもんなあ。 その後、わが社はですね、 マッシュルームカットブームが来て、 じわじわと5〜6人マッシュルームになったの。 男まで。 |
── | そう、ひとり、男性も マッシュルームにしました。 |
糸井 | で、『トイレット』は試写会に行きまして。 期待っていうのは、 その都度あいまいなものですし、 これはあんまり、 「すごいぞ」と思って行くような タイプの映画じゃないと思うんですが、 最初のシーンで、 長男の男の子に連れて行かれちゃいまして。 すーっと、映画の世界に入っていけた。 ああ、このひとがやりたいことって こういうことなのかみたいなのが見えた気がして。 何が言いたいっていうこと以上に、 こういうムードを ずうっと折り重ねていくのが 好きなんだなあっていうことがわかって、 いままでの映画まで含めて よかったなあと思って帰ってまいりました。 |
荻上 | ありがとうございます。 いまその長男役の男の子(*)が日本に来ていて うちに泊まってるんですね。 今日奈美さんのご飯を食べられるってことで 朝食を絶対に食べないでおこうって思ってたんですが、 朝起きたらこの子がかわいらしい笑顔で 「Naoko, Breakfast is ready.」って言って つくってくれたんですよー。 かわいくて食べないわけにはいかないと思って 絶対おなかすかせていこうと思ったのに 食べてきちゃったんです。 *『トイレット』で長男モーリーを演じた デイヴィッド・レンドルさんのこと。 このときプロモーションをかねて来日し、 荻上監督の家にお世話になっていた。 |
糸井 | そういう子なんですね。 |
荻上 | かわいい。 |
糸井 | 演じている役は 本人そのものじゃないのに、 本人の成分みたいなものが じゅーっとしぼられて、 重なっている気がつくづくしました。 あの子でつかまれちゃって あとはもういちいちこう、 わかるとか、わかんないとかじゃなくて、 一緒に手をひかれて歩いているような。 もともと『かもめ食堂』も 『めがね』なんかもそうだったんですけど、 なんていうんだろうな、 登場人物と一緒に歩いているような気がして。 こういう表現って、 あるんだなあと、あらためて思って。 |
荻上 | ありがとうございます。 |
糸井 | ものすごくさかのぼっちゃうんですけど、 荻上さん、なんで映画をつくりたいんですか? |
荻上 | えー! なんでですかねえ。 |
糸井 | ごめんね。 そんな、とんでもない質問なんですけど。 |
荻上 | なんでか? うーーーんとー、なんでですかねえ。 |
糸井 | ここまで乱暴な質問、 なかなかしたことないんですけど。 (つづきます) |
「小林薫さんと、居酒屋ごはん。」 | |
「ばななさんと、おいしいごはん。」 | |
「堺雅人さんと、満腹ごはん。」 | |
「藤原帰一さんと、映画のごはん。」 | |
「清水ミチコさんと、健康ごはん。」 | |
ほぼ日の芋煮会。 | |
LIFE なんでもない日、おめでとう! のごはん。 | |
SUPER LIFE MARKET (書籍『LIFE』『LIFE2』はこちら) |
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かもめとめがねのおいしいごはん。 |
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