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きょうは、まず糸井重里の手相を
日笠さんに観ていただこうと思います。 |
糸井 |
はい、じゃ、手を出したほうがいいですか。
え、それで穴をあけたり
するんじゃないでしょうね、
まさか私に(笑)。
向かい合ってていいんですか。 |
日笠 |
(笑)あ、向かい合ってていいです。 |
糸井 |
僕はマーコに今まで
何回観てもらったことだろう。
多分、マーコは僕の手を
30代半ばぐらいから観てないですよね。 |
日笠 |
多分、私が30ぐらいのときから
観てないんじゃないでしょうか。
糸井さんは6つお兄さんだから、
それぐらいですね。 |
糸井 |
それぐらいですよね。
だから、多分そこからまた
ゴチャゴチャとあって、
何回か生まれ変わってるんでしょうね、
‥‥きっと。 |
日笠 |
変わってるようですね。
──ずいぶんやっぱり、優しい、穏やかな、
いい手になってらっしゃいますよ。
やっぱり前は、勢いが、
ダーッとある手だったですもん。
この運命線って、中指に向かっていく線、
まずここでちょっと
多少の切替えがありますよね。
ここと、こことか、こことか、
‥‥こことか、あとこことか。 |
糸井 |
はい。 |
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日笠 |
これは何か人生における
切替えっていうふうに見てるんですね。
で、34歳のときに
まず1回目の切替えがありました。
次にその流れでダーッと来たものが、
45歳なんですね。そして47歳で
穏やかで広がる世界に入ってきている。
ひとつの道だけをダーッじゃなくて、
力でドッ、じゃなくて、
ここから広がりっていうのが
始まってきてるわけです。
1本の強かった線だったのが、
これも、これも、これも、これも、
運命線になってるわけです。
今年59歳になられるってことは、
今ちょうどそんなふうな時期に
あるってことなんですね。 |
糸井 |
僕、59になるんですか。 |
日笠 |
昭和23年生まれの59歳ですよ。 |
糸井 |
あ、そうか、はい。
すいません(笑)。 |
日笠 |
線としては、若い頃の線に比べたら、
流れは薄いんですけど、
細かい線が広範囲にあります。
例えば太陽線なんかも──、
これは“ひとつ”の
明るさとか知名度だとか、
成功だとかっていうんじゃなくて、
細かなものが合わさって
ワーッと広がってきてる感じ。
例えば、1本の強い急流が
ダーッていうんじゃなくて、
例えばメコン川の河口堰みたいな、
いっぱいの枝葉のような‥‥ |
糸井 |
毛細血管みたいになってるの? |
日笠 |
そう、毛細血管状態です。 |
糸井 |
いいじゃないですか。 |
日笠 |
だから、ひとつの道、ひとつの場所、
ひとつの肩書きでっていうんじゃなくて、
いろんな意味合いのいろんな線が
たくさん集まって
太陽線とか運命線って形になってますね。 |
糸井 |
それ僕、理想です。 |
日笠 |
そして、穏やかだし、
ここが、ほら、すごくあいているってことは、
本当にオープンマインドであるし、
我(が)を張らなくなってる。
そういう手なんですよ。
我を押し出してない感じがしますね。
だから、ある意味、この言葉は悪い意味ではなくて、
「どうでもいい」っていう感じがすごくして、
──なんだか、しおらしい感じが。 |
糸井 |
もうそのとおりですよ。 |
日笠 |
きれいです。
これが二重生命線になってますから
住居を2つ持ち、まだまだちゃんと
しっかり長生きできていきます。 |
糸井 |
本当ですか。 |
日笠 |
うん、まだ全然長生きします。 |
糸井 |
来年ガンが発見されるとか、
そういうことはないですか。 |
日笠 |
ガンはならないでしょう。
ガンはね、目の周りをいつも
自分で気をつけて見ていてください。
黒目の周りにちょっと虹のように
丸いわっかみたいなのが出てきたり、
手相の線が妙にエビ茶色っぽく‥‥ |
糸井 |
エビちゃん。 |
日笠 |
エビちゃん。エビ茶ちゃん。
そうしたときっていうのは
ちょっと気をつけたほうが
いいかもしれないですけれど。
でもね、糸井さんは、
元気いっぱい! っていう感じでは、
実は、なくて、
穏やかー、な感じです。
なんか“ご隠居願望”みたいなのが
強くなってきていますね。 |
糸井 |
‥‥! |
日笠 |
どうも61、2ぐらいから、
いい意味でのご隠居生活を楽しむために
今、準備をしている。
体力もご隠居に向けて、
穏やかに暮らすために
体の内部を作ってる感じですね。
これからますます頑張るために体鍛えるとか
1万歩歩くとかっていうんじゃなくて、
‥‥何と言ったらいいんだろう、
強い抵抗力というんじゃなくて、
柔らかい穏やかーな抵抗力がついてくるような
力のつけ方のような気がしますね。 |
糸井 |
いいですね、それは。 |
日笠 |
健康線だとか生命線とか
いろいろ観ていって──、
全然病気の気配が出ていない。
ただ、ほんの薄ーく腸にちょっと炎症が。
多分2、3週間ぐらい前にちょっと何か‥‥ |
糸井 |
お腹はしょっちゅう、ですよ。 |
日笠 |
そうですか。
これはちょっとした腸の炎症の跡ですね。
今は炎症が治まった感じです。
ではてのひらを表に返して、
爪を見せてください。 |
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糸井 |
はい。 |
日笠 |
そうですよ、この手ですよ! |
糸井 |
え? |
日笠 |
大好きなの、この形が(笑)。
あぁ、もう全然大丈夫。
爪の色つや、半月の出方、全然OK。
いい手ですね。
爪っていうのは、
健康状態とかだけじゃなくて
ストレスとかもわかるんです。 |
糸井 |
(自分の手を見ながら)
でも、だいぶん年取ったよね、思えば。 |
日笠 |
でも、いやー、
58でこの手はきれいです。
きれい、きれい。 |
糸井 |
あ、そうですか。 |
日笠 |
うん、きれいです。
いい意味で女性化してきてるからいいですね。 |
糸井 |
あ、それ自覚があります(笑)、アタシ。 |
日笠 |
(笑)でも、ほどよい感じ。
全然、力みもないし。
手相っていうのは
別に線だけで見ていくんじゃなくて、
指のどこにどう力が入っていくかとか、
指の姿勢とかすべて含めて観ていくので。 |
糸井 |
「感じ」だね。 |
日笠 |
うん、そうです。糸井さんはすごく穏やかだし、
力をケチって温存してるわけじゃなくて、
先に向けてゆっくりと
何か深いところを鍛えながら、
「フフフフフ!」という感じです。 |
糸井 |
今の、歌ですか(笑)。 |
日笠 |
いや、なんか、心の笑い。 |
糸井 |
あ、心の笑い(笑)。
僕は、それは全部嬉しいです。 |
日笠 |
そしてそのご隠居生活が
ものすごく、また違う展開を
見せるというか‥‥ |
糸井 |
僕の夢です、それは。 |
日笠 |
仕事をやめちゃうとか、
もう経済活動をしないってご隠居じゃなくて、
何か新しいご隠居スタイルを
作っていかれるって感じがしますね。 |
糸井 |
ぜひそうしたいと、今、強く願ってますね。
会社に邪魔しに来るおやじになりたいってのが
僕の夢ですから。
会社はちゃんとやってて、
どうなったか知らないけど、俺が来ると
「イヤなんだよな」と言われるような(笑)。 |
日笠 |
それぐらいになってくれればいいですねえ、
本当に。 |
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糸井 |
「イヤなんだよな」って言うけども、
そのままよりも退屈しないから、
結果的にはよかった、みたいなのが理想ですね。 |
日笠 |
それになれれば一番いいでしょうねえ。
ずいぶん前はやっぱり勢いがあって、
戦うっていうんじゃないけれども、
ターッと行く青年だったんですよ。
もちろん年齢的にも青年だったですけど、
そう、なんか、優しい手になりましたね。 |
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(つづきます!) |
2007-04-03-TUE |