全国のドラマファンのみなさま、
たいへんおまたせしました。
1年半ぶりに3人のおしゃべりが復活です!
マスク、距離、換気など万全の対応で、
あややと森下さんと荒井先生が
今季の連ドラについてたっぷりしゃべります。
おっと、その前に、森下佳子さん脚本の
大ヒットドラマ『天国と地獄』についても
ぜひみんなで語りましょう。
ドラマの裏話なども飛び出すかも?
そして、みなさん、春なのにお別れです。
長く続いた連ドラチェックも最終回。
もちろん、明るく笑いながら進めますよー。
サユミちゃんのイラストもおたのしみください。
進行は、あまりドラマと縁がない永田です。
最後まで、どうぞよろしくお願いします!

>ドラマ好きの3人を紹介します。

ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積されたテレビの知識は無尽蔵。

漫画家・イラストレーター。高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、バラエティー番組などが好き。
キャラクターデザインを手がけたゲームの最新作は
『ダービースタリオン』(Nintendo Switch)
『秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花』
(Nintendo Switch・PS4・Steam)。

脚本家。『JIN-仁-』『白夜行』『義母と娘のブルース』
大河ドラマ『おんな城主 直虎』など、
数々の名作を生みだす。
NHK朝ドラ『ごちそうさん』で向田邦子賞を受賞。
そして『天国と地獄』は
今年ナンバーワンの視聴率を獲得。

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第4回 気仙沼が舞台の朝ドラと、 総勢75名が参加する謎解きミステリー!

あやや
今季の朝ドラは注目です!
『おかえりモネ』、
気仙沼が舞台の朝ドラですよ。
森下
ほぼ日としてもゆかりのある
気仙沼が舞台なんですね。
あやや
そうなんです!
ヒロインは清原果耶ちゃん。
私、すごくいいと思っています。
若いんだけど、かわいくて清潔感があって、
そのうえ、知的! 
荒井
知的。
あやや
そうなんです。
なぜならこの子‥‥詩を読むのです!
──
し? 
あやや
詩ですよ、詩、ポエムの詩!
谷川俊太郎さんの本とか
読んでらっしゃるそうですよ。
すごくないですか?
10代のときに、詩なんて読んでました?
森下
読んでないなー。
あやや
いやいやいや、
森下さんは読んでたでしょう。
だって森下さんは
「ハンパないインテリ」なんだから。
森下
やめて、それ(笑)。
──
完全にイヤなあだ名になっちゃったな。
あやや
ともかく、
詩を読んでる清原果耶ちゃんに期待です。
他の人にはない空気感とかオーラがあって、
ポテンシャル持ってるにも関わらず、
いまはまだ出まくってない、
というあたりもの塩梅もいいんですよ。
荒井
朝ドラ、前にも出てましたよね?
あやや
はい、『なつぞら』ですね。
広瀬すずさんの妹役だったんですけど、
そのあたりも理想的なんですよ。
だって、朝ドラのヒロインの妹役から
ヒロインへ抜擢ですよ?
これ以上ない理想的な展開じゃないですか?
ガラスの階段のぼる
シンデレラじゃないですか?
──
靴。シンデレラはガラスの靴。
あやや
なにしろ、清原果耶ちゃん、注目です。
若手ですが、大物感、あります。
──
若手女優のポテンシャルを
見抜くことに長けている荒井先生、
清原果耶さんの将来性はいかがですか?
荒井
いいと思います。
CMでも一瞬で引き込まれるような
感じがありますよね。
これから行くんじゃないですか。
あやや
どのくらい行きますかね。
荒井
ドカンドカン行くんじゃないですか。

──
「ドカンドカン行く」!
あやや
太鼓判、来ました!
ドカンドカン行きます!
森下
清原果耶さん、私は、あれが好きだったな。
『俺の話は長い』でやってた、
生田斗真くんの姪っ子役。
あやや
あー、おもしろかったですよね。
子どもなんだけど、
まわりの大人をクールに見てるっていう。
森下
そうそうそうそう。
彼女のおじさんやおばさんが
バタバタするのをクールに見てる。
でも、その皮一枚下はやっぱり10代でね。
そこにすごくリアリティがあってね。
あやや
クールで知的、
それが果耶ちゃんの魅力なんですよー。
ちなみに果耶ちゃん、今回は、
「気象予報士を目指す役」です。
──
え? 気象予報士? 気仙沼で?
魚市場で働くとかじゃなく?
あやや
さんまとかフカヒレじゃないんですよ。
森下
なんか、気象予報士って、資格とるのが
すごく難しいんじゃなかったっけ?
あやや
めっちゃくちゃ難しいんです。
ちゃんと勉強しないとなれません。
──
気象予報士試験の合格率は、
なんと5%と資料に書いてあります。
あやや
たいへん!
森下
ひゃー。
荒井
話としては、ヒロインの清原果耶さんが
気仙沼を出て気象予報士を目指すってこと?
──
ええと、資料によりますと、
東京からお天気キャスターを務める
天気予報士の西島秀俊さんが
気仙沼にやって来て、主人公のモネに
天気予報のすばらしさを教えて、
感銘を受けたモネがじぶんも気象予報士に
なろうとがんばる、みたいです。
あやや
「天気予報のすばらしさ」ですか。
ちょっと変わったテーマですね。
森下
でもさ、天気予報って、
すっごい当たるようになったよね!
あやや
そうそうそう、当たる!
森下
むかしぜんぜん当たらなかったけど、
いま、すごいよね。
あやや
そう!
「午後から雨が降り出します」とか、
ほんとかなあ、みたい日があるけど、
「ほんとだ!」ってなりますよね!
森下
そうなの、そうなの、
「降ってきたよ、マジで!」みたいな、
興奮するよね、あれ!
──
あの、そんなにしっかり
「天気予報の話」をしなくても。
荒井
ドラマと関係ない(笑)。
あやや
でも、天気予報、すごくないですか?
天気を予報するんですよ?
それで思い出しましたけど、
あまたつさん知ってます?
「あまたつー!」って呼ばれてる天気予報士の。
荒井
「とくダネ!」の天気予報の人ですよね。
小倉さんに「あまたつー!」って
呼ばれてる人でしょ。
あやや
そうですそうです、その天達さん、
昔、海辺のレストランで
アルバイトをしていたそうなんですが、
そのレストラン、見晴らしがいいので、
天気によってお客さんの混み具合が
ぜんぜん変わるんですって。
だから、天達さん、アルバイトなのに、
雲の動きとか見ながら天気を予測して、
「寒くなるから客足鈍るなぁ」みたいな感じで
仕入れの量を決めてたらしいんです!
気象予報士になるまえから、
天気を予想する仕事してたんですよー。
森下
ええー、すごい!
あやや
天達さん、天職ですよね。
あっ、天達さんの天職が天気予報!
「天」「天」「天」!
──
朝ドラの話に戻りますね?
あやや
戻ります!
『きいてねモネ』です!
ちがう!
『きいてねモネ』じゃなくて、
なんでしたっけ?
荒井
『おかえりモネ』です。
森下
『きいてねモネ』(笑)。
──
『きいてねモネ』!
百歩譲って間違うのはいいとしても、
なんだその間違い方!
『きいてねモネ』って
座りが悪いだろう、タイトルとして!
あやや
たしかに(笑)。
「きいてね」ってなにきくんだろう?
天気のこと? 明日の天気は
「モネにきいてね」ってこと?
──
‥‥知らん。
ええと、脚本は安達奈緒子さん。
フジテレビヤングシナリオ大賞を
受賞してらっしゃいます
過去の脚本は、
『リッチマン、プアウーマン』
『コード・ブルー』『きのう何食べた?』
『G線上のあなたと私』などなど。
あやや
おお、いいじゃないですか!
荒井
『透明なゆりかご』『サギデカ』も。
これは期待していいのでは。
あやや
はい、丁寧に書かれる人だと思います。
ていうか、朝ドラを書かれる方ですからね。
私、ここで森下さんに聞きたいんです。
朝ドラを書く脚本家のみなさんって、
すごい人ばっかりだなぁと思うんですけど、
ふつうの連ドラは安定しておもしろいのに、
朝ドラになると途中で息切れする方も
いらっしゃるような気がするんです。
やっぱり、朝ドラって、
ふつうの連ドラとは違うんでしょうか?
森下
あのね‥‥朝ドラって‥‥
(ものすごく小声で)‥‥疲れる。
ごめん。めっちゃふつうのコメントで。
──
録音できないくらいの小声で、
「‥‥疲れる」とおっしゃいました。
あやや
いま、森下さんの脳内に
なにかがよみがえったのか、
ものすごく疲弊した表情に‥‥。
荒井
遠くを見つめてらっしゃいますね。
──
朝ドラと大河、どっちが疲れますか?
あやや
おお、いい質問!
森下
‥‥どっちだろう(遠い目)。
まあ、どっちも疲れたけど‥‥
うーーーん‥‥なんか、大河のほうが、
まだ続きができる気がしたんだよね。
あやや
ああー、そうなんですか!
荒井
朝ドラは、出演者のみなさんも、
たいへんだって言いますよね。
──
もう一回脚本を担当するとして、
朝ドラと、大河、
もしどっちかを選ぶとしたら?
森下
‥‥朝ドラ‥‥的な‥‥大河‥‥
大河‥‥的な‥‥朝ドラ‥‥?

──
大丈夫ですか(笑)。
荒井
どんどん遠い目に(笑)。
あやや
たいへんなんですねぇ、とにかく。
森下
まぁ、とにかく、
どちらもやり尽くされてますから、
まず、何を題材にするのか考えるのが
たいへんなんですよー。
荒井
あーー、なるほど。書く以前に。
森下
もう100作とかになるわけですから。
だから、どっちもしんどいけど、
いちおう歴史上の出来事を扱うという意味で、
大河のほうが私は精神的には安定するかな。
でも、朝ドラも史実ベースか
オリジナルかで分かれるから
けっきょく決め手にはなんないなー。
荒井
ちなみに『おかえりモネ』は
オリジナル作品っぽいですね。
あやや
私、この『おかえりモネ』は
当たると思いますよ。
なぜなら‥‥。
──
お。言ってもいいぞ。
あやや
言ってもいいですか。
あのね、朝ドラってね、
毎朝、観るじゃないですか。
そうするとね、ドラマのなかの
景色がきれいなほうがうれしいんですよ。
森下
あーー、それは、そう!
荒井
わかります!
──
その点、『おかえりモネ』は気仙沼だ。
あやや
そう!
気仙沼がいいところだっていうのは、
私たち、実感してますからね。
港があって、見晴らしのいい場所もあって。
──
出向する船に大漁旗を振る出船送りとか、
安波山からの眺めとか、
大島に渡る新しい橋とか。
あやや
晴れた日の朝の港なんか超爽快です。
この清原果耶ちゃんのポスターも、
清潔感あって、風を感じる感じだし、
私、ほんとうにたのしみなんですよ。
──
ほんとそうだね。わかる。
森下
うん、うん。
あやや
いま私、いいこと言いましたか。
森下
言ったね。
荒井
言いました。
あやや
『きいてねモネ』を取り返しましたか。
──
それはどうだろう。

あやや
広瀬すずちゃん、行きましょう。
森下
『ネメシス』ですね。
あやや
広瀬すずちゃんはいいですよね。
なんというか、女優さんとして王道。
王道の安定感があります。
荒井
そう思います。
『エアガール』とか、よかったですよ。
あやや
よかったですねー。
かわいいんですけど、かわいいだけじゃなくて、
スター性があるんですよね。
そして、もうひとりの主演が櫻井翔さん。
これまた王道、スター性のあるキャスティング。
荒井
大メジャーな感じしますよね、
このふたりの組み合わせは。
森下
しっかりつくられてるんだろうな、
という感じがしますね。
あやや
役者さんの顔ぶれが安定していると、
「この人が引き受けたんだから、
いいドラマなんだろうな」
っていう印象を持ちますよね。
ドラマの品質が担保されているというか。
ま、実際には、そうじゃないことも
けっこうあるんですけど(笑)。
荒井
あります(笑)。
あやや
今回は、どうなんでしょうか。
ちょっと心配なのは、
日テレと広瀬すずさんの組み合わせだと、
『anone』を思い出しちゃうんですよね。
個人的に、ちょっとあれは残念で。
まあ、坂元裕二さんが『カルテット』の
あとに手掛けた作品でしたから、
かなり期待のハードルを上げて
見てしまったというのもあるんですけど。
荒井
まあ、テレビ局との相性って、
ありますからね。
──
スタッフを見てみると、
脚本が片岡翔さんと入江悠さん。
入江悠さんは総監督としても
大きくクレジットされてますね。
あやや
あ、ほんとだ。
なかなかドラマではめずらしいですよね、
こういうふうに「総監督」として
誰かが前に出ているというのは。
荒井
でも、気合いを感じます。
森下
入江悠さんは、
『サイタマノラッパー』の
監督と脚本の人ですね。
あやや
ああー、『サイタマノラッパー』!
おもしろかったですね。
森下
おもしろかったーー。
「俺のブロ」がブロッコリーなんだよね。
あやや
ブロッコリー(笑)!
──
お、公式ページに、
監督のメッセージがあります。
最後の2行が印象的なので読みますね。
「最終話に向けてすごい仕掛けがありますので、
是非最後まで見逃さずにご覧ください!」
荒井
おおーー。
あやや
入江さんが本気ですよ、みなさん!
森下
本気のコメントですね。
あやや
これって、もしかして、永田さんがよく言う
「プロジェクトがうまく運ぶ条件」に
当てはまってるんじゃないですか!
──
なんかそんなこと言ったっけ?
あやや
まえに、言ってましたよ。
「誰かひとりでも
熱心になってるものはいい」みたいなこと。
──
めちゃめちゃぐずぐずだし、
ただの当たり前のことじゃないか?
あやや
いや、なんか、どっかで言ってて、
なるほどなあと思ったから
よく憶えてるんですよ。
「誰かが熱心だったらいい」みたいなこと。
──
ぜんぜん憶えてないじゃないか。
あやや
そんなことより、
江口洋介さん、語っていいですか?
──
語ってください。
あやや
もうひとりの主演的位置づけで
出演している江口洋介さん。
私、思えば、江口さんの作品って、
ずーっと見てるんですよ。
『東京ラブストーリー』のロン毛キャラ、
『ひとつ屋根の下』のあんちゃん、
そのあたりからはじまっていろいろ。
ってことはつまり、江口洋介さんって、
ドラマの最前線でずっと
活躍されているわけですよ。
まずは、それがすごい。
荒井
たしかに、息の長い役者さんですよね。
あやや
この人の役者としての生き様って、
ある意味、お手本だなと思うわけです。
なんていうか、ものすごい演技をして、
日本アカデミー主演男優賞受賞!
みたいな感じじゃないんですけど、
年齢とともに役も広げて、
気づけば「あんちゃん」だった人が、
『白い巨塔』でシリアスな
お芝居をするわけですよ。
森下
里見先生ですね。
あやや
そうそうそう、
誠実ないい役を演られてたじゃないですか。
NHKの『チェイス~国税査察官』もやって、
かと思うと、社会派ドキュメンタリー
『ガイアの夜明け』の案内人とかもやって。
──
劇団☆新感線に出たりとかもしてたよね。
あやや
そう。ロン毛のあんちゃんだった俳優さんが、
気がつくとものすごく活躍の幅を広げていて、
しかも、一度も立ち止まってない。
芸能の世界に生きる人として、
お手本のような道のりだなと思うんです。
これは、ご本人のプロデュースなんですか?
森下
どうなんだろう。
でも、言われてみれば
上手にシフトされてますよね。
バランスよくやりたいことをやられている感じ。
荒井
ずっと消えずにいい位置にいますもんね。
あと、風貌もあんまり変わってない。
あやや
あ、それはたしかに大きいかもしれない。
森下
若いときから、
けっこうこういう感じだものね。
落ち着いた男性らしい感じで。
あやや
あとね、この人、本読んでるんですよ。

──
またか(笑)。
あやちゃん、そこの加点大きいな。
あやや
はい、「本読んでる」と
あややポイント大幅加点です!
──
どんな本読んでらっしゃるの?
あやや
知りません。雰囲気です。
──
めちゃくちゃか!
あやや
いや、でもね、大事なんですよ。
ひとりの時間とか、
仕事以外の時間をどう過ごすかが、
その人の成長につながりますから。
‥‥いまわたし、
すごく当たり前のこと言ってます?
森下
うん。
荒井
ふつう。
──
ドラマの話に戻りましょう。
『ネメシス』です。
森下
これは、サスペンスなんですかね。
──
企画プロデューサーの北島さんによれば、
「1話1話が上質な謎解きミステリーであり、
謎を解けば解くほど、また新しい謎が。
最終回までに、気鋭の新人俳優から
名優・名女優まで、
総勢75名以上の俳優が出演します」
荒井
75名!
あやや
えっ、俳優さんが75人も出るの?
それ、すごくないですか?
森下
75人って‥‥。
75人の役名とキャラクター、
憶えられる自信がいま、まったくない。 
お、憶えられるの? みんなは‥‥。
あやや
そのへん、私、なんとなくで
ぜんぜん平気です。
──
そこは性格の違いが出るなあ(笑)。
森下
いやー、こないださぁ、ある大作映画で、
役名がまーったく憶えられなくて、
最後まで主役以外全員、
俳優さんの名前でしか
把握できないで終わってさ‥‥。
もう愕然としたわけ、自分に。
って言うかこれは『ネメシス』の話じゃないな。
私の加齢の話だ(笑)。
──
なんか、若い人たちって、そもそも、
あんまり憶える気ないみたいですよ。
あやや
あ、そうそう、もう検索しちゃうからね。
森下
あ、そうなの?
そっか、スマホ片手に見れば!
あやや
そうですよ。だから私たちも、
平気で検索しながら見ましょうよ。
ほら、ここにいい話がありますよ。
プロデューサーの北島さんのコメントです。
「子供の頃、テレビドラマで
描かれる世界に憧れ、ワクワクしながら
毎週の放送を楽しみにしていました。
『木更津キャッツアイ』
『池袋ウエストゲートパーク』
『古畑任三郎』『ロングバケーション』
『ひとつ屋根の下』‥‥などなど。
いま一度、ドラマ放送を待ちわびて、
テレビの前に集まって
いただけるようなドラマを作りたい!」
このようにおっしゃってます。
──
おお、つくる動機の方向性としては、
『天国と地獄』と同じですね。
あやや
そうそう、ですから、
志はたいへん高いと思います。
荒井
資料によると脚本にはかなり
力を入れているようですね
2人の脚本家のほかに、
「5名の一流推理小説家の皆様と共に」
とあります。
あやや
ほんとだ、脚本協力もありますね。
なにかとオールスター感がありますね。
志が高いし、お金もかかってます。
森下
‥‥あのさ、でも、
その登場人物は75人いるんだよね。
──
あ、森下さんが脚本家目線に(笑)。
あやや
森下さーん! 書くのは、
森下さんじゃありませんよー。
森下
75人‥‥書く方でもムリだ‥‥(遠い目)。
荒井
しっかりしてください。

あやや
つぎはこれ行きましょう、
『着飾る恋には理由があって』。
荒井
ここはTBSでいちばん当たってる枠ですね。
火曜10時。日曜劇場に匹敵するぐらい。
あやや
いい枠で、川口春奈ちゃんが主演です。
春奈ちゃん、なんか最近きれいになって、
こう、自信が出ているように感じられます。
森下
うん、いいですね、川口春奈さん。
あやや
いま、いいですよね。
二度目のブレイクって感じで。
──
「二度目のブレイク」というのは?
あやや
一回、ぽーんとブレイクしたんですよ。
上京してきて、デビューして、
学園ものの女子生徒のメインの役やったり、
いろいろやって、けっこう早めに
TBSで主演やっちゃったんですよ。
森下
『夫のカノジョ』ですね。
荒井
タイトルがよくなかったなぁ‥‥。
まあ、それがコケたんですよね。
あやや
3%とかになっちゃって。
森下
しかも入れ替わりものでした。
荒井
「入れ替わりもの」は
外さないはずなのに(笑)。
あやや
本人、落ち込んだらしいんですけど、
でもそのあとがすごいんですよ、
川口春奈ちゃん。
森下
いま、YouTubeも
積極的にやってらっしゃいますよね。
もう親近感湧きまくりのやつ。
あやや
そうなんです!
彼女、長崎の五島列島の出身なんですが、
自分ひとりでカメラ持って島に帰ったり、
実家でくつろぐ様子を公開したりして、
バラエティー番組なんかでも、
すごく自然でいい感じなんですよ。
そしたら案の定、お仕事が増えてきて。
なんかね、一回、軽くつまずいたあとって、
変なプレッシャーがなくなって
自由になるような気がするんです。
それがこの人の強さになったんじゃないかと。
だから、いまは、二度目のブレイク。
いい感じに肩の力が抜けてて、
すごくいいと思います!
荒井
その意味でも今回のドラマは勝負作ですね。
ご本人もいい勢いで、しかもいい枠で勝負。
期待していいんじゃないでしょうか。
あやや
お相手は横浜流星くんです。
森下
空手のチャンピオンなんだよね!
あやや
そうなんです!
しかも、衝撃なのは、
横浜流星くんって‥‥。
──
本名なんでしょ?
あやや
えっ、永田さんが、どうしてそれを!?
──
あやちゃんが前にここで話したよ。
あやや
わちゃー、ごめん!
同じ話を何度もする人だ‥‥。
森下
ははははは、気にしないで。
──
ちなみに、森下さん、
横浜流星さんが空手のチャンピオン、
っていう話もそのときしてます。
森下
ふぁぁああ、すみません!
荒井
ていうか、同じ話、
我々、ほかにも何度もしてますよね?
──
うん、してます、してます(笑)。
森下
なんだ、よかった‥‥って、
いいのか、わるいのか。
あやや
気にせず続けます。
横浜流星くんのこれまでの役って、
お父さんを亡くして復讐に燃える人とか、
そういう濃い役が多かったんですけど、
今回のこのドラマはどうやら、
いまどきのふつうの男の子っぽい感じで
なんというか、ちょっとホッとしてます。
森下
横浜流星くんって、
はじめに火がついたのって
この枠のユリユリだよね。
あやや
あ、そうだ。ユリユリ!
『初めて恋をした日に読む話』だ。
ピンクの髪の毛で、深キョンの相手役。
年下の男の子。
森下
あのかっこいい男の子は誰だ!
ってなったんだよね。
あやや
あの頃から変わった役が多かった。
今回は、イケメンの流星くんの
ふつうの役を見れるっぽくてたのしみです。
いや、ふつうかどうかわかんないけど。
荒井
これはしかし、当たる可能性がありますね。
主演が川口春奈さんと横浜流星くんっていう、
勢いのあるふたりで、しかも、
TBS火曜10時というノリにノッてる枠。
さらにもうひとつ、主題歌が星野源さんです。
森下
おお、それはかなりよさそう。
あやや
来ますよ、へたしたら『逃げ恥』路線。
──
内容的には、ラブストーリー?
あやや
いまをときめく若いふたりの
恋愛ドラマ、ですね。
荒井
そして、ルームシェアものですね。
あやや
む、来たな、ルームシェア。
──
ええと、公式ページによれば、
コロナの影響を受けて、
『ひとつ屋根の下で』みたいな、
「うちキュン・ラブストーリー」だそうです。
荒井
「うちキュン」。そんなジャンルが。
あやや
うーむ、そうですか。
あの、私、こういう設定を聞くと、
いつも思うんですけど、言ってもいいですか。
森下
言うんでしょ。
荒井
言うんでしょ。

──
言うんでしょ。
あやや
あの、ルームシェアで、
同じ建物にこんなイケメンと美女がいたら、
10話とか要らなくないですか。
──
え?
あやや
すぐつき合っちゃうでしょ?
そんな、何話も要らないでしょ?
──
身もフタもないことを
言うんじゃありません!
あやや
これ、10話、要りますか? 森下さん。
──
そんなこといったら、
ほとんどのドラマは10話要らないぞ。
あやや
川口春奈ちゃんと、横浜流星くんが、
ひとつ屋根の下にいます。
10話いりますか?
教えてください、森下さん。
ほんとのこと言ってください!
森下
そうよねー‥‥うーん‥‥
美男美女が揉めるとしたら、
どこだろうなぁ‥‥。
──
ほら、森下さんが考えはじめてしまった。
あやや
うわあ、やめてください、こんなところで、
プロットの無駄遣いをしないでください!
荒井
だから、そういう
「美男美女で問題ないじゃん!」
という話を10話まで持っていって、しかも、
おもしろくするのがプロなんですよ。
あやや
それだー! 荒井先生、それだー!
──
あ、ごめん、ここに書いてありますね。
美男と美女がなぜすぐにつき合わないか。
ドラマの構造としては、
横浜さんがミニマリスト男なんです。
森下
あー、なるほどね。
「それ、必要ないんじゃない?」
「なんで買うの?」って言う人ねー。
一方で、川口春奈さんは着飾る女。
お洋服いっぱい買っちゃう人なんだね。
──
ひとつ屋根の下で価値観が違うふたり。
あやや
なるほどなるほど、納得しました。
そりゃ、だめです。
そういうのって、合わないとたいへん。
美男だろうが美女だろうが関係ありません!
森下
うん、価値観がぶつかるのはわかるなぁ。
だって、これ、いってしまえば、
どこの家庭でも起こってることじゃない?
あやや
うちは、下駄箱です!
なにがどうとか詳しくは述べませんが、
下駄箱靴箱戦争です!

荒井
「下駄箱靴箱戦争」(笑)。
あやや
私が圧勝して独占下にありますが!
──
ダメじゃないか。
あやや
靴、知らないうちに増えちゃうんです。
森下
このドラマもきっとそういう、
リアリティあふれるやり取りを、
美男と美女がくり広げてくれるのでは?
あやや
がぜん、たのしみになってきました。
荒井
どうなるんですかね?
ミニマリストと着飾る人の攻防は最終的に。
森下
「鎧を脱ぎ捨て、自分らしく生きる姿」
って公式ページに書いてあるけど、
ミニマリストが最後、全裸とかに行き着いたら、
それはそれで、革命だなぁ。
──
なにを言ってるんですか。
森下
もうなにもいらないじゃないか! みたいな。
最後はみんなヌーディストマンション
つくって終わり、みたいな。
あやや
「ヌーディストマンション」!
荒井
なんというパワーワード!
──
「うちキュンラブストーリー」は、
そういうお話ではありません。

(つづきます!)

2021-05-01-SAT

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