全国のドラマファンのみなさま、
たいへんおまたせしました。
1年半ぶりに3人のおしゃべりが復活です!
マスク、距離、換気など万全の対応で、
あややと森下さんと荒井先生が
今季の連ドラについてたっぷりしゃべります。
おっと、その前に、森下佳子さん脚本の
大ヒットドラマ『天国と地獄』についても
ぜひみんなで語りましょう。
ドラマの裏話なども飛び出すかも?
そして、みなさん、春なのにお別れです。
長く続いた連ドラチェックも最終回。
もちろん、明るく笑いながら進めますよー。
サユミちゃんのイラストもおたのしみください。
進行は、あまりドラマと縁がない永田です。
最後まで、どうぞよろしくお願いします!
ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積されたテレビの知識は無尽蔵。
漫画家・イラストレーター。高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、バラエティー番組などが好き。
キャラクターデザインを手がけたゲームの最新作は
『ダービースタリオン』(Nintendo Switch)
『秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花』
(Nintendo Switch・PS4・Steam)。
脚本家。『JIN-仁-』『白夜行』『義母と娘のブルース』
大河ドラマ『おんな城主 直虎』など、
数々の名作を生みだす。
NHK朝ドラ『ごちそうさん』で向田邦子賞を受賞。
そして『天国と地獄』は
今年ナンバーワンの視聴率を獲得。
- あやや
- 今季の朝ドラは注目です!
『おかえりモネ』、
気仙沼が舞台の朝ドラですよ。
- 森下
- ほぼ日としてもゆかりのある
気仙沼が舞台なんですね。
- あやや
- そうなんです!
ヒロインは清原果耶ちゃん。
私、すごくいいと思っています。
若いんだけど、かわいくて清潔感があって、
そのうえ、知的!
- 荒井
- 知的。
- あやや
- そうなんです。
なぜならこの子‥‥詩を読むのです!
- ──
- し?
- あやや
- 詩ですよ、詩、ポエムの詩!
谷川俊太郎さんの本とか
読んでらっしゃるそうですよ。
すごくないですか?
10代のときに、詩なんて読んでました?
- 森下
- 読んでないなー。
- あやや
- いやいやいや、
森下さんは読んでたでしょう。
だって森下さんは
「ハンパないインテリ」なんだから。
- 森下
- やめて、それ(笑)。
- ──
- 完全にイヤなあだ名になっちゃったな。
- あやや
- ともかく、
詩を読んでる清原果耶ちゃんに期待です。
他の人にはない空気感とかオーラがあって、
ポテンシャル持ってるにも関わらず、
いまはまだ出まくってない、
というあたりもの塩梅もいいんですよ。
- 荒井
- 朝ドラ、前にも出てましたよね?
- あやや
- はい、『なつぞら』ですね。
広瀬すずさんの妹役だったんですけど、
そのあたりも理想的なんですよ。
だって、朝ドラのヒロインの妹役から
ヒロインへ抜擢ですよ?
これ以上ない理想的な展開じゃないですか?
ガラスの階段のぼる
シンデレラじゃないですか?
- ──
- 靴。シンデレラはガラスの靴。
- あやや
- なにしろ、清原果耶ちゃん、注目です。
若手ですが、大物感、あります。
- ──
- 若手女優のポテンシャルを
見抜くことに長けている荒井先生、
清原果耶さんの将来性はいかがですか?
- 荒井
- いいと思います。
CMでも一瞬で引き込まれるような
感じがありますよね。
これから行くんじゃないですか。
- あやや
- どのくらい行きますかね。
- 荒井
- ドカンドカン行くんじゃないですか。
- ──
- 「ドカンドカン行く」!
- あやや
- 太鼓判、来ました!
ドカンドカン行きます!
- 森下
- 清原果耶さん、私は、あれが好きだったな。
『俺の話は長い』でやってた、
生田斗真くんの姪っ子役。
- あやや
- あー、おもしろかったですよね。
子どもなんだけど、
まわりの大人をクールに見てるっていう。
- 森下
- そうそうそうそう。
彼女のおじさんやおばさんが
バタバタするのをクールに見てる。
でも、その皮一枚下はやっぱり10代でね。
そこにすごくリアリティがあってね。
- あやや
- クールで知的、
それが果耶ちゃんの魅力なんですよー。
ちなみに果耶ちゃん、今回は、
「気象予報士を目指す役」です。
- ──
- え? 気象予報士? 気仙沼で?
魚市場で働くとかじゃなく?
- あやや
- さんまとかフカヒレじゃないんですよ。
- 森下
- なんか、気象予報士って、資格とるのが
すごく難しいんじゃなかったっけ?
- あやや
- めっちゃくちゃ難しいんです。
ちゃんと勉強しないとなれません。
- ──
- 気象予報士試験の合格率は、
なんと5%と資料に書いてあります。
- あやや
- たいへん!
- 森下
- ひゃー。
- 荒井
- 話としては、ヒロインの清原果耶さんが
気仙沼を出て気象予報士を目指すってこと?
- ──
- ええと、資料によりますと、
東京からお天気キャスターを務める
天気予報士の西島秀俊さんが
気仙沼にやって来て、主人公のモネに
天気予報のすばらしさを教えて、
感銘を受けたモネがじぶんも気象予報士に
なろうとがんばる、みたいです。
- あやや
- 「天気予報のすばらしさ」ですか。
ちょっと変わったテーマですね。
- 森下
- でもさ、天気予報って、
すっごい当たるようになったよね!
- あやや
- そうそうそう、当たる!
- 森下
- むかしぜんぜん当たらなかったけど、
いま、すごいよね。
- あやや
- そう!
「午後から雨が降り出します」とか、
ほんとかなあ、みたい日があるけど、
「ほんとだ!」ってなりますよね!
- 森下
- そうなの、そうなの、
「降ってきたよ、マジで!」みたいな、
興奮するよね、あれ!
- ──
- あの、そんなにしっかり
「天気予報の話」をしなくても。
- 荒井
- ドラマと関係ない(笑)。
- あやや
- でも、天気予報、すごくないですか?
天気を予報するんですよ?
それで思い出しましたけど、
あまたつさん知ってます?
「あまたつー!」って呼ばれてる天気予報士の。
- 荒井
- 「とくダネ!」の天気予報の人ですよね。
小倉さんに「あまたつー!」って
呼ばれてる人でしょ。
- あやや
- そうですそうです、その天達さん、
昔、海辺のレストランで
アルバイトをしていたそうなんですが、
そのレストラン、見晴らしがいいので、
天気によってお客さんの混み具合が
ぜんぜん変わるんですって。
だから、天達さん、アルバイトなのに、
雲の動きとか見ながら天気を予測して、
「寒くなるから客足鈍るなぁ」みたいな感じで
仕入れの量を決めてたらしいんです!
気象予報士になるまえから、
天気を予想する仕事してたんですよー。
- 森下
- ええー、すごい!
- あやや
- 天達さん、天職ですよね。
あっ、天達さんの天職が天気予報!
「天」「天」「天」!
- ──
- 朝ドラの話に戻りますね?
- あやや
- 戻ります!
『きいてねモネ』です!
ちがう!
『きいてねモネ』じゃなくて、
なんでしたっけ?
- 荒井
- 『おかえりモネ』です。
- 森下
- 『きいてねモネ』(笑)。
- ──
- 『きいてねモネ』!
百歩譲って間違うのはいいとしても、
なんだその間違い方!
『きいてねモネ』って
座りが悪いだろう、タイトルとして!
- あやや
- たしかに(笑)。
「きいてね」ってなにきくんだろう?
天気のこと? 明日の天気は
「モネにきいてね」ってこと?
- ──
- ‥‥知らん。
ええと、脚本は安達奈緒子さん。
フジテレビヤングシナリオ大賞を
受賞してらっしゃいます
過去の脚本は、
『リッチマン、プアウーマン』
『コード・ブルー』『きのう何食べた?』
『G線上のあなたと私』などなど。
- あやや
- おお、いいじゃないですか!
- 荒井
- 『透明なゆりかご』『サギデカ』も。
これは期待していいのでは。
- あやや
- はい、丁寧に書かれる人だと思います。
ていうか、朝ドラを書かれる方ですからね。
私、ここで森下さんに聞きたいんです。
朝ドラを書く脚本家のみなさんって、
すごい人ばっかりだなぁと思うんですけど、
ふつうの連ドラは安定しておもしろいのに、
朝ドラになると途中で息切れする方も
いらっしゃるような気がするんです。
やっぱり、朝ドラって、
ふつうの連ドラとは違うんでしょうか?
- 森下
- あのね‥‥朝ドラって‥‥
(ものすごく小声で)‥‥疲れる。
ごめん。めっちゃふつうのコメントで。
- ──
- 録音できないくらいの小声で、
「‥‥疲れる」とおっしゃいました。
- あやや
- いま、森下さんの脳内に
なにかがよみがえったのか、
ものすごく疲弊した表情に‥‥。
- 荒井
- 遠くを見つめてらっしゃいますね。
- ──
- 朝ドラと大河、どっちが疲れますか?
- あやや
- おお、いい質問!
- 森下
- ‥‥どっちだろう(遠い目)。
まあ、どっちも疲れたけど‥‥
うーーーん‥‥なんか、大河のほうが、
まだ続きができる気がしたんだよね。
- あやや
- ああー、そうなんですか!
- 荒井
- 朝ドラは、出演者のみなさんも、
たいへんだって言いますよね。
- ──
- もう一回脚本を担当するとして、
朝ドラと、大河、
もしどっちかを選ぶとしたら?
- 森下
- ‥‥朝ドラ‥‥的な‥‥大河‥‥
大河‥‥的な‥‥朝ドラ‥‥?
- ──
- 大丈夫ですか(笑)。
- 荒井
- どんどん遠い目に(笑)。
- あやや
- たいへんなんですねぇ、とにかく。
- 森下
- まぁ、とにかく、
どちらもやり尽くされてますから、
まず、何を題材にするのか考えるのが
たいへんなんですよー。
- 荒井
- あーー、なるほど。書く以前に。
- 森下
- もう100作とかになるわけですから。
だから、どっちもしんどいけど、
いちおう歴史上の出来事を扱うという意味で、
大河のほうが私は精神的には安定するかな。
でも、朝ドラも史実ベースか
オリジナルかで分かれるから
けっきょく決め手にはなんないなー。
- 荒井
- ちなみに『おかえりモネ』は
オリジナル作品っぽいですね。
- あやや
- 私、この『おかえりモネ』は
当たると思いますよ。
なぜなら‥‥。
- ──
- お。言ってもいいぞ。
- あやや
- 言ってもいいですか。
あのね、朝ドラってね、
毎朝、観るじゃないですか。
そうするとね、ドラマのなかの
景色がきれいなほうがうれしいんですよ。
- 森下
- あーー、それは、そう!
- 荒井
- わかります!
- ──
- その点、『おかえりモネ』は気仙沼だ。
- あやや
- そう!
気仙沼がいいところだっていうのは、
私たち、実感してますからね。
港があって、見晴らしのいい場所もあって。
- ──
- 出向する船に大漁旗を振る出船送りとか、
安波山からの眺めとか、
大島に渡る新しい橋とか。
- あやや
- 晴れた日の朝の港なんか超爽快です。
この清原果耶ちゃんのポスターも、
清潔感あって、風を感じる感じだし、
私、ほんとうにたのしみなんですよ。
- ──
- ほんとそうだね。わかる。
- 森下
- うん、うん。
- あやや
- いま私、いいこと言いましたか。
- 森下
- 言ったね。
- 荒井
- 言いました。
- あやや
- 『きいてねモネ』を取り返しましたか。
- ──
- それはどうだろう。
- あやや
- 広瀬すずちゃん、行きましょう。
- 森下
- 『ネメシス』ですね。
- あやや
- 広瀬すずちゃんはいいですよね。
なんというか、女優さんとして王道。
王道の安定感があります。
- 荒井
- そう思います。
『エアガール』とか、よかったですよ。
- あやや
- よかったですねー。
かわいいんですけど、かわいいだけじゃなくて、
スター性があるんですよね。
そして、もうひとりの主演が櫻井翔さん。
これまた王道、スター性のあるキャスティング。
- 荒井
- 大メジャーな感じしますよね、
このふたりの組み合わせは。
- 森下
- しっかりつくられてるんだろうな、
という感じがしますね。
- あやや
- 役者さんの顔ぶれが安定していると、
「この人が引き受けたんだから、
いいドラマなんだろうな」
っていう印象を持ちますよね。
ドラマの品質が担保されているというか。
ま、実際には、そうじゃないことも
けっこうあるんですけど(笑)。
- 荒井
- あります(笑)。
- あやや
- 今回は、どうなんでしょうか。
ちょっと心配なのは、
日テレと広瀬すずさんの組み合わせだと、
『anone』を思い出しちゃうんですよね。
個人的に、ちょっとあれは残念で。
まあ、坂元裕二さんが『カルテット』の
あとに手掛けた作品でしたから、
かなり期待のハードルを上げて
見てしまったというのもあるんですけど。
- 荒井
- まあ、テレビ局との相性って、
ありますからね。
- ──
- スタッフを見てみると、
脚本が片岡翔さんと入江悠さん。
入江悠さんは総監督としても
大きくクレジットされてますね。
- あやや
- あ、ほんとだ。
なかなかドラマではめずらしいですよね、
こういうふうに「総監督」として
誰かが前に出ているというのは。
- 荒井
- でも、気合いを感じます。
- 森下
- 入江悠さんは、
『サイタマノラッパー』の
監督と脚本の人ですね。
- あやや
- ああー、『サイタマノラッパー』!
おもしろかったですね。
- 森下
- おもしろかったーー。
「俺のブロ」がブロッコリーなんだよね。
- あやや
- ブロッコリー(笑)!
- ──
- お、公式ページに、
監督のメッセージがあります。
最後の2行が印象的なので読みますね。
「最終話に向けてすごい仕掛けがありますので、
是非最後まで見逃さずにご覧ください!」
- 荒井
- おおーー。
- あやや
- 入江さんが本気ですよ、みなさん!
- 森下
- 本気のコメントですね。
- あやや
- これって、もしかして、永田さんがよく言う
「プロジェクトがうまく運ぶ条件」に
当てはまってるんじゃないですか!
- ──
- なんかそんなこと言ったっけ?
- あやや
- まえに、言ってましたよ。
「誰かひとりでも
熱心になってるものはいい」みたいなこと。
- ──
- めちゃめちゃぐずぐずだし、
ただの当たり前のことじゃないか?
- あやや
- いや、なんか、どっかで言ってて、
なるほどなあと思ったから
よく憶えてるんですよ。
「誰かが熱心だったらいい」みたいなこと。
- ──
- ぜんぜん憶えてないじゃないか。
- あやや
- そんなことより、
江口洋介さん、語っていいですか?
- ──
- 語ってください。
- あやや
- もうひとりの主演的位置づけで
出演している江口洋介さん。
私、思えば、江口さんの作品って、
ずーっと見てるんですよ。
『東京ラブストーリー』のロン毛キャラ、
『ひとつ屋根の下』のあんちゃん、
そのあたりからはじまっていろいろ。
ってことはつまり、江口洋介さんって、
ドラマの最前線でずっと
活躍されているわけですよ。
まずは、それがすごい。
- 荒井
- たしかに、息の長い役者さんですよね。
- あやや
- この人の役者としての生き様って、
ある意味、お手本だなと思うわけです。
なんていうか、ものすごい演技をして、
日本アカデミー主演男優賞受賞!
みたいな感じじゃないんですけど、
年齢とともに役も広げて、
気づけば「あんちゃん」だった人が、
『白い巨塔』でシリアスな
お芝居をするわけですよ。
- 森下
- 里見先生ですね。
- あやや
- そうそうそう、
誠実ないい役を演られてたじゃないですか。
NHKの『チェイス~国税査察官』もやって、
かと思うと、社会派ドキュメンタリー
『ガイアの夜明け』の案内人とかもやって。
- ──
- 劇団☆新感線に出たりとかもしてたよね。
- あやや
- そう。ロン毛のあんちゃんだった俳優さんが、
気がつくとものすごく活躍の幅を広げていて、
しかも、一度も立ち止まってない。
芸能の世界に生きる人として、
お手本のような道のりだなと思うんです。
これは、ご本人のプロデュースなんですか?
- 森下
- どうなんだろう。
でも、言われてみれば
上手にシフトされてますよね。
バランスよくやりたいことをやられている感じ。
- 荒井
- ずっと消えずにいい位置にいますもんね。
あと、風貌もあんまり変わってない。
- あやや
- あ、それはたしかに大きいかもしれない。
- 森下
- 若いときから、
けっこうこういう感じだものね。
落ち着いた男性らしい感じで。
- あやや
- あとね、この人、本読んでるんですよ。
- ──
- またか(笑)。
あやちゃん、そこの加点大きいな。
- あやや
- はい、「本読んでる」と
あややポイント大幅加点です!
- ──
- どんな本読んでらっしゃるの?
- あやや
- 知りません。雰囲気です。
- ──
- めちゃくちゃか!
- あやや
- いや、でもね、大事なんですよ。
ひとりの時間とか、
仕事以外の時間をどう過ごすかが、
その人の成長につながりますから。
‥‥いまわたし、
すごく当たり前のこと言ってます?
- 森下
- うん。
- 荒井
- ふつう。
- ──
- ドラマの話に戻りましょう。
『ネメシス』です。
- 森下
- これは、サスペンスなんですかね。
- ──
- 企画プロデューサーの北島さんによれば、
「1話1話が上質な謎解きミステリーであり、
謎を解けば解くほど、また新しい謎が。
最終回までに、気鋭の新人俳優から
名優・名女優まで、
総勢75名以上の俳優が出演します」
- 荒井
- 75名!
- あやや
- えっ、俳優さんが75人も出るの?
それ、すごくないですか?
- 森下
- 75人って‥‥。
75人の役名とキャラクター、
憶えられる自信がいま、まったくない。
お、憶えられるの? みんなは‥‥。
- あやや
- そのへん、私、なんとなくで
ぜんぜん平気です。
- ──
- そこは性格の違いが出るなあ(笑)。
- 森下
- いやー、こないださぁ、ある大作映画で、
役名がまーったく憶えられなくて、
最後まで主役以外全員、
俳優さんの名前でしか
把握できないで終わってさ‥‥。
もう愕然としたわけ、自分に。
って言うかこれは『ネメシス』の話じゃないな。
私の加齢の話だ(笑)。
- ──
- なんか、若い人たちって、そもそも、
あんまり憶える気ないみたいですよ。
- あやや
- あ、そうそう、もう検索しちゃうからね。
- 森下
- あ、そうなの?
そっか、スマホ片手に見れば!
- あやや
- そうですよ。だから私たちも、
平気で検索しながら見ましょうよ。
ほら、ここにいい話がありますよ。
プロデューサーの北島さんのコメントです。
「子供の頃、テレビドラマで
描かれる世界に憧れ、ワクワクしながら
毎週の放送を楽しみにしていました。
『木更津キャッツアイ』
『池袋ウエストゲートパーク』
『古畑任三郎』『ロングバケーション』
『ひとつ屋根の下』‥‥などなど。
いま一度、ドラマ放送を待ちわびて、
テレビの前に集まって
いただけるようなドラマを作りたい!」
このようにおっしゃってます。
- ──
- おお、つくる動機の方向性としては、
『天国と地獄』と同じですね。
- あやや
- そうそう、ですから、
志はたいへん高いと思います。
- 荒井
- 資料によると脚本にはかなり
力を入れているようですね
2人の脚本家のほかに、
「5名の一流推理小説家の皆様と共に」
とあります。
- あやや
- ほんとだ、脚本協力もありますね。
なにかとオールスター感がありますね。
志が高いし、お金もかかってます。
- 森下
- ‥‥あのさ、でも、
その登場人物は75人いるんだよね。
- ──
- あ、森下さんが脚本家目線に(笑)。
- あやや
- 森下さーん! 書くのは、
森下さんじゃありませんよー。
- 森下
- 75人‥‥書く方でもムリだ‥‥(遠い目)。
- 荒井
- しっかりしてください。
- あやや
- つぎはこれ行きましょう、
『着飾る恋には理由があって』。
- 荒井
- ここはTBSでいちばん当たってる枠ですね。
火曜10時。日曜劇場に匹敵するぐらい。
- あやや
- いい枠で、川口春奈ちゃんが主演です。
春奈ちゃん、なんか最近きれいになって、
こう、自信が出ているように感じられます。
- 森下
- うん、いいですね、川口春奈さん。
- あやや
- いま、いいですよね。
二度目のブレイクって感じで。
- ──
- 「二度目のブレイク」というのは?
- あやや
- 一回、ぽーんとブレイクしたんですよ。
上京してきて、デビューして、
学園ものの女子生徒のメインの役やったり、
いろいろやって、けっこう早めに
TBSで主演やっちゃったんですよ。
- 森下
- 『夫のカノジョ』ですね。
- 荒井
- タイトルがよくなかったなぁ‥‥。
まあ、それがコケたんですよね。
- あやや
- 3%とかになっちゃって。
- 森下
- しかも入れ替わりものでした。
- 荒井
- 「入れ替わりもの」は
外さないはずなのに(笑)。
- あやや
- 本人、落ち込んだらしいんですけど、
でもそのあとがすごいんですよ、
川口春奈ちゃん。
- 森下
- いま、YouTubeも
積極的にやってらっしゃいますよね。
もう親近感湧きまくりのやつ。
- あやや
- そうなんです!
彼女、長崎の五島列島の出身なんですが、
自分ひとりでカメラ持って島に帰ったり、
実家でくつろぐ様子を公開したりして、
バラエティー番組なんかでも、
すごく自然でいい感じなんですよ。
そしたら案の定、お仕事が増えてきて。
なんかね、一回、軽くつまずいたあとって、
変なプレッシャーがなくなって
自由になるような気がするんです。
それがこの人の強さになったんじゃないかと。
だから、いまは、二度目のブレイク。
いい感じに肩の力が抜けてて、
すごくいいと思います!
- 荒井
- その意味でも今回のドラマは勝負作ですね。
ご本人もいい勢いで、しかもいい枠で勝負。
期待していいんじゃないでしょうか。
- あやや
- お相手は横浜流星くんです。
- 森下
- 空手のチャンピオンなんだよね!
- あやや
- そうなんです!
しかも、衝撃なのは、
横浜流星くんって‥‥。
- ──
- 本名なんでしょ?
- あやや
- えっ、永田さんが、どうしてそれを!?
- ──
- あやちゃんが前にここで話したよ。
- あやや
- わちゃー、ごめん!
同じ話を何度もする人だ‥‥。
- 森下
- ははははは、気にしないで。
- ──
- ちなみに、森下さん、
横浜流星さんが空手のチャンピオン、
っていう話もそのときしてます。
- 森下
- ふぁぁああ、すみません!
- 荒井
- ていうか、同じ話、
我々、ほかにも何度もしてますよね?
- ──
- うん、してます、してます(笑)。
- 森下
- なんだ、よかった‥‥って、
いいのか、わるいのか。
- あやや
- 気にせず続けます。
横浜流星くんのこれまでの役って、
お父さんを亡くして復讐に燃える人とか、
そういう濃い役が多かったんですけど、
今回のこのドラマはどうやら、
いまどきのふつうの男の子っぽい感じで
なんというか、ちょっとホッとしてます。
- 森下
- 横浜流星くんって、
はじめに火がついたのって
この枠のユリユリだよね。
- あやや
- あ、そうだ。ユリユリ!
『初めて恋をした日に読む話』だ。
ピンクの髪の毛で、深キョンの相手役。
年下の男の子。
- 森下
- あのかっこいい男の子は誰だ!
ってなったんだよね。
- あやや
- あの頃から変わった役が多かった。
今回は、イケメンの流星くんの
ふつうの役を見れるっぽくてたのしみです。
いや、ふつうかどうかわかんないけど。
- 荒井
- これはしかし、当たる可能性がありますね。
主演が川口春奈さんと横浜流星くんっていう、
勢いのあるふたりで、しかも、
TBS火曜10時というノリにノッてる枠。
さらにもうひとつ、主題歌が星野源さんです。
- 森下
- おお、それはかなりよさそう。
- あやや
- 来ますよ、へたしたら『逃げ恥』路線。
- ──
- 内容的には、ラブストーリー?
- あやや
- いまをときめく若いふたりの
恋愛ドラマ、ですね。
- 荒井
- そして、ルームシェアものですね。
- あやや
- む、来たな、ルームシェア。
- ──
- ええと、公式ページによれば、
コロナの影響を受けて、
『ひとつ屋根の下で』みたいな、
「うちキュン・ラブストーリー」だそうです。
- 荒井
- 「うちキュン」。そんなジャンルが。
- あやや
- うーむ、そうですか。
あの、私、こういう設定を聞くと、
いつも思うんですけど、言ってもいいですか。
- 森下
- 言うんでしょ。
- 荒井
- 言うんでしょ。
- ──
- 言うんでしょ。
- あやや
- あの、ルームシェアで、
同じ建物にこんなイケメンと美女がいたら、
10話とか要らなくないですか。
- ──
- え?
- あやや
- すぐつき合っちゃうでしょ?
そんな、何話も要らないでしょ?
- ──
- 身もフタもないことを
言うんじゃありません!
- あやや
- これ、10話、要りますか? 森下さん。
- ──
- そんなこといったら、
ほとんどのドラマは10話要らないぞ。
- あやや
- 川口春奈ちゃんと、横浜流星くんが、
ひとつ屋根の下にいます。
10話いりますか?
教えてください、森下さん。
ほんとのこと言ってください!
- 森下
- そうよねー‥‥うーん‥‥
美男美女が揉めるとしたら、
どこだろうなぁ‥‥。
- ──
- ほら、森下さんが考えはじめてしまった。
- あやや
- うわあ、やめてください、こんなところで、
プロットの無駄遣いをしないでください!
- 荒井
- だから、そういう
「美男美女で問題ないじゃん!」
という話を10話まで持っていって、しかも、
おもしろくするのがプロなんですよ。
- あやや
- それだー! 荒井先生、それだー!
- ──
- あ、ごめん、ここに書いてありますね。
美男と美女がなぜすぐにつき合わないか。
ドラマの構造としては、
横浜さんがミニマリスト男なんです。
- 森下
- あー、なるほどね。
「それ、必要ないんじゃない?」
「なんで買うの?」って言う人ねー。
一方で、川口春奈さんは着飾る女。
お洋服いっぱい買っちゃう人なんだね。
- ──
- ひとつ屋根の下で価値観が違うふたり。
- あやや
- なるほどなるほど、納得しました。
そりゃ、だめです。
そういうのって、合わないとたいへん。
美男だろうが美女だろうが関係ありません!
- 森下
- うん、価値観がぶつかるのはわかるなぁ。
だって、これ、いってしまえば、
どこの家庭でも起こってることじゃない?
- あやや
- うちは、下駄箱です!
なにがどうとか詳しくは述べませんが、
下駄箱靴箱戦争です!
- 荒井
- 「下駄箱靴箱戦争」(笑)。
- あやや
- 私が圧勝して独占下にありますが!
- ──
- ダメじゃないか。
- あやや
- 靴、知らないうちに増えちゃうんです。
- 森下
- このドラマもきっとそういう、
リアリティあふれるやり取りを、
美男と美女がくり広げてくれるのでは?
- あやや
- がぜん、たのしみになってきました。
- 荒井
- どうなるんですかね?
ミニマリストと着飾る人の攻防は最終的に。
- 森下
- 「鎧を脱ぎ捨て、自分らしく生きる姿」
って公式ページに書いてあるけど、
ミニマリストが最後、全裸とかに行き着いたら、
それはそれで、革命だなぁ。
- ──
- なにを言ってるんですか。
- 森下
- もうなにもいらないじゃないか! みたいな。
最後はみんなヌーディストマンション
つくって終わり、みたいな。
- あやや
- 「ヌーディストマンション」!
- 荒井
- なんというパワーワード!
- ──
- 「うちキュンラブストーリー」は、
そういうお話ではありません。
(つづきます!)
2021-05-01-SAT